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脳科学をもとに語られるトピックは、自分にとっての新しい発見の連続でもあり、また人間の性質について興味深い内容であった。終わりにで人生についての著者自身の感想は自分にとっての課題であるとも感じたし、考えてみたい話題であった。
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ウェブ上の連載をまとめたもの、ということで、『シャーデンフロイト』や『サイコパス』みたいに構成的な緊密さはない。身近な話題にまつわるエッセイといった体裁。新書でも版元によって、想定読者層や編集方針がだいぶ違うんだなあ、とあらためて思った。サラッと読める本でありながら、新鮮で鋭い論述があちこちに見られるのが、さすがは中野信子さん。
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脳科学者によるヒトの行動の特徴について述べた本。中野信子氏の本は今までにも何冊か読んだが、参考になる。今回の本も面白く、役に立ったが、今までの内容とも重なる部分があり、また、Web上で発表されたエッセイを纏めた本なので、内容に連続性はない。単発的で学術的ではないので、星4とした。
「人間には、自分の利益を顧みずに他人のために自発的に行動する、ということを美徳とする価値観が存在します」p16
「(神経伝達物質セロトニンの増加)起床直後から30分までが重要で、その時間帯に15〜30分ほど日光を浴びることを意識すると良いでしょう」p22
「醜く勝ち上がるより、美しく負ける方に価値がある」p31
「(「不倫」や「不謹慎発言」への攻撃)その個体の行動を、社会性の高いものに改めさせようとして、社会性というルールに従わないとは何事か、と言わんばかりに一斉に攻撃が始まります」p36
「年齢を経ると刺激的な相手より信頼のおける相手を選好するようになる」p51
「(ギャンブル、推理小説を好む理由)ドーパミンを利用して、わからない方が楽しい、興奮する、という仕組みを脳につくりあげてきた」p55
「女性は、サイコパス、マキャベリスト、ナルシストの3要素を持っている男性に惹かれやすいことがわかっています」p70
「動物界では、同性間で行われる性行為はごく普通に見られる一般的な行動です」p115
「人にやる気を起こさせようとするとき、多額の報酬を与えることはほとんど意味がない」p140
「幸福度は少なくとも50%が遺伝的に決まる」p188
「定期的な医療検査や適度な運動、サプリメントや緑黄色野菜の摂取などは長寿に関係ないことがわかりました」p191
「不安傾向の高い人の方が長命を維持する割合が高く、健康でいられるという研究結果も知られています」p204
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201220 中野信子氏の著作に挑む1冊目
独特な日本の価値観 恥 恩 義理「菊と刀」ベネディクト
返報性の原理 恩返し・恥辱の復讐 互酬性
ドーパミン→快楽 恋愛 ギャンブル
個人を歯車扱いする社会
失敗を恐れる脳 褒められる 難しい課題を避ける
頭が良い→「ウソ」に抵抗がなくなる
exねつ造 改ざん
2020/07 北洋銀行杉中さんに献本
2020/05/17中野信子 空気を読む脳
星3つ新書としてはエクセレント
対立する概念を2つ出してそれを比較しデータで実情を検証する
面白いトピックをこの手法で科学的に説明する手法はこれまで日本ではなかった
加えて女性の理科系大学出身者としての視点を加えてさらに独自の内容
1セロトニン
2社会脳 利他主義に快感ー社会維持
長い歴史の中で持続させるメカニズム
進化論に繋がる
三新規探索性ワクワクドキドキ不確実
ドーパミン快楽
4女性は不平等p78データ
バストと頭脳は反相関?r=0.12
5個人を幸せにしない社会
6女性にモテる2つのタイプ
サイコパス マキャベリスト ナルシスト
7性行動 生殖 社会支援
8子供の教育 成績より過程の面白さ
自主性 挑戦
報酬はダメ 失敗を隠す風土
9創造性は個人重視
組織重視社会協調性はダメ
10社会的報酬154
男性は社会的名声
女性は組織社会への貢献
200511
「トピック」対立概念を比較し、データで検証
利己と利他 「社会脳」により良心・正邪・善悪を保持
合理的安定性と新奇探索性 不確実性にワクワクする
ドーパミンが放出され「快楽」を感じる
女性の容姿と能力 男性の見方は逆相関 実際は相関無し
性行動 生殖 社会支援者としての同性愛者10%~
子どもの才能を伸ばす 頭が良いよりプロセス・面白さ
頭の良い子 努力を放棄 難しい問題を忌避 嘘をつく
創造性には、現実の報酬より、やり甲斐を与える
セロトニンの大小
男性は社会的名誉を求める
女性は誰かに必要とされ・貢献することを重視
学業の評価も、正解のある問題より、正解のない記述式
模範解答の暗記より「創意工夫・新規性」
中野信子先生の実体験も踏まえ、現代社会の課題・本質に切り込んだ
新書サイズだが中味は重く、論理は真っ当
現代日本の閉塞感も本書のレベルへ切り込んで分析すべき
素晴らしい一書!
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P20
つまり、普段は誰かのために自己犠牲をいとわず真面目に働く、という人が、いったん不公平な仕打ちを受けると、一気に義憤に駆られて行動してしまうのです。
P74
ただ、少なくとも、「夫の浮気の原因は妻の性格や振る舞いにある」などと無神経に断罪するよりは、かえって気が楽になる人もいるのではないかと想像したりもします。
P101
ただ、うまくいくことだけが是とさせる社会は選択肢の多様性に欠け、新しい発展の芽も育ちにくいものだろうと思います。
P104
妬みの感情は、家族間のほうが他人よりも強いと考えられます。
子どもを支配しようとしたり、レールを敷こうとしたりするとき、母親側はそれを子どもに対する愛情だと信じているようです。もちろんそのとおりでしょう。でも、その濃厚な愛情の裏側に、別の感情が隠れてはいないでしょうか。
P104
P110
興味深いことに、ヘイトスピーチをしたり、社会的弱者を攻撃したりする人たちの気持ちの中には、「自分は社会正義を実行している」「時間というコストをかけてでもこれを発信する意義がある」というある種の強い正義感が見られます。
P134
褒め方には注意が必要で、その子のもともとの性質ではなく、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価することが、挑戦することを厭わない心を育て、望ましい結果を引き出す、と研究チームは結論づけています。
P140
人をやる気にさせるのに効果的ななのは、その仕事自体が「やりがい」があり、素晴らしいものだと繰り返し伝え続けることと、「『思いがけない』『小さな』プレゼント」です。
P152
これが女性には、相手が困ることがわかっていながら、どうして優先順位の高いはずの仕事をすぐにやらないのか、と見えてしまうことがあるのです。
P156
こういう属性を持っている人はこうである、といったステレオタイプをある集団の成員が意識すると、ステレをタイプの内容と同じ方向へとその成員が変化していくという現象は広く知られています。
P163
さらに驚くべきことに、この操作(無批判に素質を褒める)を受けた子どもの約40%が、自分の失敗を隠すためのウソをつくようになる、という研究報告も紹介しました(131ページ)。
P166
この現象はラベリング効果と呼ばれることもあります。
P168
〜「その人の努力や工夫に焦点を当てて褒めていこう」という原理です。
P174
子どもの脳では、ストレスを感じると不安がより大きくなってしまうということになります。
P192
〜「真面目で悲観的な性格」が、実は本人の命を守るための性質であった、というごくごくシンプルな時事です。
P212
これは、人生とはそもそも解が定まるものではない、ということではないでしょうか。
言い換えれば、解はどんなかたちであろうと正解であり得る、ということにもなるでしょうか。
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#読了 自分の行動を振り返ってみたりすると、当てはまるなーと感じることも多く、大変興味深く読ませていただいた。
日本人の幸福度があまり高くないことが批判されることになんとなくモヤモヤとした違和感があったんだけど、これを読んで妙に納得。
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日本人の特質や、ヒトのものごとに対する感じ方や考え方やのかなりの部分が脳内ホルモンの動態を決める遺伝的資質によって決まっているという事実。
脳内ホルモンが様々なヒトの行動に大きな影響を及ぼしている。ヒトの感情や行動に対する理解・見方に新たな視点を与えてくれる。
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おもしろかった。
嬉しいとか悲しいとかこう思うとかどう感じるとか、すべて「心」という概念的なものではなく、脳の中の物質の仕業である。
そう考えると、悩みや嫌なことも、客観的に見れるような気がする。
やる気が出ない時はドーパミンを、沈んだ時はセロトニンを出すような対策をしよう。
また、社会を乱すような悪い人の存在も、ネガティブな感情も、生物学的には必要なんだなと。無駄と思えることも必要だから残っているんだという考え方がいいなと思った。
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どうして日本人はこうなんだろう?どうして私はダメなんだろう、と思うばかりだったが、
それが脳のしくみに関係があるとわかり、苦しさが少し和らいだ。
日本人の特質、子どもを褒めたりご褒美を与えるとどうなるのか、同性愛遺伝子のこと、など、たくさんのことが説明されていて、おもしろい。
どうしても感情論になってしまう自分だが、脳のしくみを知れば、色々を理解しやすくなると思った。
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この本の凄いところは、非常に科学的なデータをもとに話が進んでいくのに、結局は自然の摂理自体が、合理的に出来ているのだということに気付かされること。
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なるほど〜
ギクリとおもったはなし
ダメな男がモテる理由?
女性はサイコパス、マキャベリスト(自分の目的達成のためには相手を犠牲にしてもよい)、ナルシストの3要素をもっている男性に惹かれやすい。
これがダーク・トライアド、遺伝子的な問題、繁殖の観点から惹かれてしまう、うーん。
能力に自信がある女性は、
容姿だけで勝負してきた女性たちに勝ちたいと思っている
結婚できないことで、女として劣っていると見られてしまいかねない社会だからこそ、そう思われないために結婚したい
そうなんだよね…
なるほどと思ったはなし
頭が良いと褒められたら子供は、
自分は頑張らなくてもできると思い努力をしなくなる
本当は頭が良いのではないのにまわりに頭が良いと思わせなければいけない。嘘をつく。
褒められた子供が失敗した場合は無力感に囚われる、失敗を恐れる気持ちが強くなる
インポスターシンドローム 誰もがうらやむ成功、世間から評価されていても自分を信じられない、本当の自分を見てもらえていないように感じる、たまたまの業績。
性質ではなく努力、過程を褒めなければいけない。
結果ばっかり褒められて育ってきたような気がするな〜自分をよく見せたいと思っちゃう、評価されたがりなのはこういう褒められ方をしてきたから。かな。。優等生になっちゃった。二面性が生まれてくるのはこういうところからかなって。
やる気にさせるためには
やりがいがある素晴らしい仕事だと繰り返しいう。思いがけなく、気まぐれなプレゼント
現実的な報酬金がよりも、心理的報酬や承認欲求を満たす
結局はお金じゃないっていう話。
なんとなくわかってたことをデータで示されると説得力があっておもしろかった!
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最近とみに惹かれている中野信子脳科学者
ある程度脳はどう反応するものなのか
脳の働きを知っているとこんなもんだと余計なことで悩む必要がない「まあそうばかりと割り切れないところが人間だが」
興味を引いたところ
☆人口の約50%が不倫遺伝子を持つ
すごいね、まあ、うちみたいに夫が真面目で不倫どころか浮気もないというのも50%の確率となると
凄い!浮気するから不倫だから同じことを言ってる
なんやこれ?!「まあ個人的感想はさておき、一つは金がないというのが結果論」
本文よりー
不倫が芸術作品の原動力になった
柳原白蘭、林芙美子、、太宰、寂聴、檀一雄
ゲーテ、ハイドン、チャイコフスキー、ジョンレノン、エリッククラプトンーここまで原文。
キリがない
不倫がなければ芸術作品もない。
もう一つ本文より
☆ダメと思うだけで人はダメになる
これは知ってます。
マイナスなことを口にすると脳はそれを指示されたと感じマイナスな状況になる
ダメと指示されたとして〜
いろいろと認識してると
余計なことで心配悩む必要はない。
そんなものだくらいで〜余裕で乗り越えられる
知ってると知らないでは
生き方も差がでる。
まだまだ脳、知りたい。
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どうしてそんな態度を取るのかとか、どうしてそんな行動するのかなど、日々他人に対して不満とか疑問を持ってしまうことが、脳の特性で説明されている。自分の理解できない人の行動について、ただモヤモヤ、イライラして感情的にその人を判断しがちだが、原因が脳の仕組みにあると考えれば、冷静に付き合い方を考えることができそうだ。
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■オキシトシンは人と人との絆を作る物質。仲間を助けたり弱いものを守ったり子供を育てたり信頼を強めたりといった行動に直結している。
・オキシトシンは増えれば「妬み」「憎しみ」の感情も強まってしまう
・人と人との絆を分断しようとする人や仲間同士の良好な関係を壊しかねないような人、みんなで仲良く過ごしている共同体のルールーを破ろうとする人に対してはこれを攻撃するという行動を促進する働きを同時に持つ
・絆を分断する、良好な関係を壊す、共同体のルールを破るといった反社会性の顕現とみなすことのできる行動に対してこの芽を摘んでおこうというのがオキシトシンの本来の役割
・一言でいうと反社会性に抗して向社会性を高めるホルモンがオキシトシンということ
■オキシトシンの濃度が高いとき私たちの心理には興味深い現象が起こる。「外集団バイアス」と「社会的排除」
・「外集団バイアス」とは「自分たち」の集団に含まれず、「自分たち」と異なる人たちを不当に低くみなす認知バイアス。ヘイトスピーチもこの一つの表れ
・「社会的排除」とは「自分たち」の中にいながら「自分たち」とは異質な人たちを不当に攻撃したり無視したりする結果起こる排除のこと
・「異なる人」「異質な人」の存在を認めさせないというのがオキシトシンの働きの大きな部分
・家族の中でこの仕組みが働くとき妻が夫を束縛したくなり、夫は妻を支配したくなり、親が子どもをコントロールしたくなるという現象が起こる。「子供に逸脱を許さない」「子供が好き勝ってやることを認めない」はオキシトシンがそうさせる
・客観的な視点では醜悪な行為でも当人からすれば極めて正当な行動を正当な理由に基づいて行っているとしか認知されていない。正当な理由──それは家庭生活を守る、私たちの社会を維持する、共同体のルールに従うという理由
・当人には社会正義を執行しているなどある種の強い正義感がみられる
・愛情と絆を強めようとする働きが排外性と弱者への攻撃を同時に強めてしまう
■反社会的行動を促進する形質や幸福度を高める形質は「正確遺伝子」と一括りに呼ぶことのできる脳内に分泌される神経伝達物質の動態を決める遺伝的資質によってかなりの部分が決まっている。
・反社会的行動であればモノアミン酸化酵素(MAO)の活性の違いによって説明できることが示された(ブックホルツとマイヤー)
・活性が低いタイプのモノアミン酸化酵素の遺伝子を持っている人ほど放火やレイプなど衝動をコントロールする力が欠如していると考えられる性質を持っている
・幸福度の高さはセロトニンの動態と深く関係している
■セロトニンの動態に関してはセロトニントランスポーターが少ないという日本人はやや特異的な性質を持った集団と言える。
・真面目で慎重、幸福度が低い、悲観的になりやすい
■長寿には共通する「性格」がある。良心的で慎重で注意深く調子に乗らない性格を持っていることが長寿との相関が高い。
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科学的エビデンスに基づいて日本人の脳の「癖」を読み解く一冊。
日本人には「セロトニントランスポーター」という脳内に安心感をもたらすセロトニンの量の調節するタンパク質が極めて少ない。それゆえ、自分が利益を失ってでも、「不正をした相手に制裁を加えたい」という気持ちが世界一強い民族であるという。
冷静で合理的な選択よりも、熱い気持ちで美しさを賛美したいのです。