上品なミステリ短編集
2023/09/17 06:43
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投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
5編からなる短編集。いずれも上質で読後感も良い。「ナナフシの夜」が特に好み。
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投稿者:みるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
虫のことについて学べますが、虫よりミステリ要素の方が濃い目。読みやすいし、主人公のキャラが抜けてて好き。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
プロットも謎解きも主人公も、悪くはない。
でも、あと少し。
インパクトに欠けるのかなあ。
おもしろみに欠けるのかなあ。
次に期待。
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サーチライトと誘蛾灯★★★★
ホバリング・バタフライ★★
ナナフシの夜★★★
火事と標本★★★★
アドベントの繭★★
帯や後書きにも泡坂妻夫作品との比較がされていましたが、確かに文体や雰囲気、話の展開などは似ていると思いました。
ただし亜愛一郎作品で好きだった「DL2号機事件」「藁の猫」「ホロボの神」などに比べるとクライマックスに至るインパクトが弱く、また探偵役も、もう少しキャラが濃くても良かったかな、
と感じたので、それらを含めて今後に期待です。
トータルでは面白かったです。
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事件の影に、なぜか昆虫オタクの青年有り。
ホームレスを追いだした公園で、開発事業が頓挫しかかっている高原で、街はずれのバーで……彼こそが昆虫のように、いつの間にか事件のそばに現れて、なにげなく真相を言い当てていく。
日常の謎を解く雰囲気のお話ですが、扱われている事件は全部殺人事件です。とぼけた会話の応酬で突き止めていく事件の真相は、それぞれ人の多面的な側面をあらわにしていきます。愛憎、親愛、嫉妬に欺瞞、浮き上がってくるそれらは悲しく重さを伴うものですが、エリサワ青年の飄々とした佇まいに助けられ、読み心地は悪くありません。
また、私には、文章の細やかさがとても好みでした。「ホバリング・バタフライ」の最終盤のやり取り、「火事と標本」での溺れた様子の描写、「アドベントの繭」での祈る彼の姿。抒情的で丁寧な筆致が、物語の余韻を深く静かに残してくれるように思いました。
ふわふわしたエリサワ君がどんな青年なのかがこの本だけではわかりませんので、続刊があることを期待して待ちたいと思いました。
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事件の現場付近でちょろちょろする謎の虫好き男性、エリサワ。
挙動は怪しいが話していくうちに解き明かされていく事件たち。
ホームレスを撤去させた公園の死体
アマクナイ高原の管理団体への疑惑
バーナナフシの常連に起きた悲劇
旅館の亭主の小学生時代の悲しい思い出
牧師の死
なんかこれ、亜愛一郎だなあ、と読んでいたら、あとがきで意識して書いたとのこと。
エリサワはすっとぼけているけれど、どのお話も皮肉で切ない。
分厚い雲の下を歩いているようなそんな余韻。
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昆虫オタクの青年が奇妙な謎を解き明かす短編集。
表題作はアンソロジーで読んだばかり。
亜愛一郎っぽいとぼけたキャラクタがいい。事件の内容は重く辛いものが多いが、主人公のキャラクタで救われている。
続編が出たらしいのでそちらも読んでみたい。
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めちゃくちゃ面白かった。
魞沢のキャラ良すぎです。
読みながら声出して笑ってしまったわ。
とぼけた感じ、短編、軽く読めるけど、全体的に哀愁漂う小説。
私は好きです。
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不思議な雰囲気の小説。
初めて読んだ作者だったけど、読みやすいし
穏やかな雰囲気の探偵役にほっこり。
あとがきも面白くて好きだった。
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泉くん登場の回。
虫は全般に苦手なので、ごめんねという気分に。笑。
これがデビュー作か・・・すごいな・・・
見事な連作でした。
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昆虫オタクの青年魞沢泉(えりさわせん)。
昆虫だけでなく不可思議な事件に遭遇すると、その推理力を発揮し、事件を解決に導きます。
ブラウン神父や亜愛一郎ばりの、とぼけた名探偵の活躍です。
中には切ない作品もあり、楽しめる作品集です。
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連作短編集。個人的には表題作の「サーチライトと誘蛾灯」がお気に入り。探偵役(?)のえりさわさんに好感が持てます。こういうキャラはいいですね。次作も楽しみです。
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この作品好きだなあ。
ブラウン神父が好きな人は気に入るはず。
令和の“とぼけた切れ者”名探偵こと魞沢泉。
第三者目線で語られる彼のキャラクターはとても微笑ましい。
だけど、遭遇する事件の真相は思いのほか悲哀に満ちている。
コミカルで少し切ないミステリー短編集。
火事と標本が印象的。
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"なぜか事件に遭遇しちゃう人"が探偵役をする物語は一つの類型として今までにも色々あると思うけど、蝶やナナフシ、繭などの生き物がモチーフとして使われているのがおもしろい。
収録5編とも人が亡くなり、その経緯や事情に悲しくなるけれども、青年の飄々とした態度、口調が衝撃を薄めて、いくぶん読みやすくなっている。
『ホバリング・バタフライ』と『火事と標本』が、読後ながく悲しい気持ちが尾を引く、印象に残る話だった。
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昆虫目当てで出掛けた先に事件が待っている魞沢。その様子はそれぞれの語り部から見ると怪しい人間に見える。最初はコミカルで話の通じない感じ。火事と標本からはもっとシリアスで重い雰囲気。ホバリングバタフライとナナフシの夜が特に印象的で好き。続編の「蝉かえる」も近々読もうと思う。