紙の本
面白かったです
2021/11/19 11:29
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投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
アパレル洋品店で契約社員として働くアラサーの女性と、中卒で無職の男性との恋の物語、この500ページ近くある短からぬ物語では、女性の人生はあっちに行ったりこっちに行ったりとなかなか定まりません。まさにタイトル通りの物語でした。そんな彼女の人生が二転三転した挙句辿り着いた境地が、「少しぐらい不幸な方が良い」なのが面白かったです。
紙の本
2021年本屋大賞ノミネート
2021/02/25 05:50
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上京し32歳まで突っ走ってきた主人公が、親の病気を機に実家に帰り、紆余曲折を経て価値観を見直していく長編。恋愛、友情、仕事、病気、日本人の将来の不安が詰まりに詰まったフルコース
に自己を俯瞰する良い機会になる作品に思えた。恋愛、友情、仕事、病気、日本人の将来の不安が詰まりに詰まったフルコース
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久しぶりに山本文緒さんの作品が読めて嬉しい。
都、貫一、ニャンくん、
読んでて心がざわざわしたり共感したり
都がちゃんと貫一と話をする場面はすごいなーと思った。構成はうーん、連載時はどうだったんだろう。
良い終わりで良かった。
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途中ちょこちょこイライラしてしまうけど
それは主人公に対してなのか
同じような面をもつ自分に対してなのか。
過去の自分とかぶる部分もあったりして
なんとも複雑な気持ち。
自転しながら公転してるのは間違いないと思う。
ほんとに。
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都はまんま私だな、と思いました。
自立力はないとわかっていながら努力せず他人に求めて寄りかかる。
気を遣えていると思い込んでいるけれどできていない。
空回り1000%。
友達の「不安の根源って経済力ですよね?」って言葉にハッとしました。
どんな状況でもお金でほとんど解決できる(もちろん全部じゃない)。
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自転しながら公転する
著作者:山本文緒
発行者:新潮社
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
7年ぶりの長篇小説
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山本文緒さんは好きな作家さんだけど これは…。都の性格が好きになれなかった。愛だけじゃ生活出来ないのは わかるけどね。
ボランティアも結婚式も唐突な感じでした。
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ラジオ番組で知った作品で、初読み作家さん。
ネタバレにならないように気を付けて感想を(笑)
プロローグから始まり、本編へ。
この人じゃないよね?あれあれ、こっちの人⁈
そして、エピローグへ。
頭が混乱して、必死に理解しようとゆっくりゆっくり確認しながら読了。
ある出来事が、娘からの視点と母親からの視点で描かれているところで、考え方の違いがとてもリアルで、特に私は母親に共感が持てた。
再読しても十分に楽しめそう♪
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単なる恋愛小説かなと思ったら、人生の不思議さとか、引き継がれていく縁とか考え方とかにも思いを馳せられる良い作品でした。
タイトルが良い!
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揺れ動く都の気持ちにすごく共感した。人間、ついその人の価値をお金や学歴などで考えてしまう。最後の都の言葉、「そんなに幸せになろうとしなくていい、幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる」、ドキっとした。
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久々の山本文緒さんの新作。よかった!派手な展開じゃないのに魅了された小説だった。
あらすじ的には恋愛話だけど、エピローグに出てくるセリフの中の「恋愛じゃない(セリフうろ覚え)」の部分で、ハッとさせられた。そういえば都も貫一も好きだ愛してる的なセリフがない。。でもこの二人には目が離せないし。。言葉が思い浮かばないけどよい作品でした。次回作も楽しみ!
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エピローグでの都と貫一が、それなりに幸せそうでほっとした。そう、それなりに。
都は娘に『外面がいい』だの『今どき流行らないマキシマリスト』『不合理で保守的』なんて散々言われているけれど、そうは言いつつも、娘は、外で働いて家庭を守った母を理解し、ここぞと言う時には母を頼ってくれるのだ。
貫一は、結局、高級な寿司店で務めたり、自分の店を持つことはなかったようだが、主夫をしたり、出張寿司職人をしたりしながら、やはり家庭を守ってきたのだ。
恋愛・結婚・出産・仕事・病気・介護・・・
人生はいろいろなことがある。それも、なぜか悩んでいる時、大変な時と言うのは、同時多発的にいろいろなことが起こるものだ。本当に【自転しながら公転する】まさにそんな状態だ。
「パパが癌になって、ママだっていつどうなるかわからない。自分だって、貫一だっていつ病気になるかわからない。働けなくなったら生活はどうなるの?年金もどうなるかわからないような世の中で、簡単に生活保護がおりるなんて思えない。ふたりとも貯金ができる生活じゃない。どのくらい貯金しておけば安心なの?不安なの!」
都のこの言葉って、多くの人が共感するのじゃないかな。まして、今年2020年は、コロナと言う未曽有の事態が起きて、これまでは、自分が健康な心身さえ持っていれば何とかなるんじゃないかと思っていた人にとっても、自分だけではどうにもならない事態が起き、生き方を見つ直す人も多かったと思う。
他にも、、
『自分は拘りすぎだろうか。- 前にそよかから、お洒落な人は狭量だと言われた ~略~ そういえば前の恋人は物凄いグルメで、だから狭量だった。入った店で味のよくない料理を出されると別人のように口汚く罵った。何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失くしていく。』
と自問自答に疲れていく都。とてもよく分かる気がする。多分、拘りなんて無い方が生きやすい。おおらかな人って、自分も周りの人も幸せそうに見えるし。だけど、本当にそうなんだろうか?何も拘りが無い人なんているんだろうか?それぞれポイントが違うだけで、誰しも拘りがあるんじゃなだろうか?恋人・結婚相手に求めることだって、何一つ拘っていない人なんでいないんじゃないだろうか?皆、自分さえ気づいていないかもしれないけれど、拘りはあるはず。だけど、じゃあ、うまく行っている人と行っていない人の違いはなんだろう?拘りの数なのかな?バランスなのかな?だけど、バランスをとれるかどうかって、本人だけの問題なのかな?例えば、都のように30そこそこで、母親が体調を崩して、実家に戻って欲しいと言われてしまう人、両親が高齢になってもぴんぴんしている人は、同じではないよな?
あー、都ばりに、自問自答でめまいがしてきた(苦笑)
でも、だからこそ、中卒で経済的には頼りにならない貫一と結婚して、途中、自分も失業したり、父親が病に倒れて介護が必要になっても(そのころには母親は体調が戻り介護をしてくれていたようだが)、娘がアレルギーや喘息でも(あー、これも私自身がそうだったな。親や兄には本当に面倒をかけたのだ)、
それなりにやってこられて、娘が無事嫁ぎ、猫ちゃんと平和に暮らせている都に安心したのだ。
帯には【すぐ周りの幸せを見てしまう私のような女性に読んで欲しい!(横澤夏子さん)】【めまいがする程ぐるぐる思考を巡らせた先に、一筋の希望を見せてもらいました(南沢奈央さん)】とあったけれど、本当に、読後はそんな気持ち。私は、結局、これからも自転しながら公転し続けるのだろうけれど、都の幸せに安心した今は、少しの希望を持っているのだ。
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「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ。」
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うまいタイトルだなぁ、と読み終わってからしみじみと。
自転しながら公転する、しかも螺旋を描いているから同じ軌道には二度と戻らない。あぁ、そうだよなそうだよな、もうそうとしか表現のできない30代の女性の日常。
34歳、母親の体調不良のため地元に帰ってきて就職。恋も仕事もうまくいっているようでいっていないようで。
特に大きな不満もなく、それでも結婚や順調な恋愛をしている友だちと自分を比べて焦りも感じる。
あぁ、そうか。34歳って、そういう年ごろなのか。早ければすでに子どもが二人位いたりする。あるいは親が少しずつ年老いて病気になったり不安定になったりする。そんななかで今ここにいる自分ってなに?この先どうしていったらいい?といろんな問いがぐるぐるぐるぐる。
都会でバリバリ働いている女性なら、こんなことは考えないのか。あるいは、もっと田舎であればこんな風に年は重ねないのか。いろんな意味で中途半端な状況で、中途半端な未来を探し続ける。
最悪の状況で知り合った貫一との恋愛に、自分の未来をゆだねる決意もできず、これまたぐるぐるぐるぐる。
ぐるぐるしている34歳の、ぐるぐるな毎日を、多分読者は自分と重ねたり切り離したりしながら読むのだろう。私も同じだ、と、私は違う、と。わかるわかる、と、なんでそんなことになる?と。
それでもこの二人の恋愛の行方に、そして親の明日に、全力で引き寄せられていく。
プロローグの話をすっかり忘れたまま、エピローグで、おおそういえば、と思い出した。
本文だけの、おみやと貫一の物語だけでよかった気もする。30代の二人をそのまま抱きしめて終わりたかった、と。
でも、これがあってこそ、の、二人の人生なのかも。
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読み応えがあった。ほんと、人生は「自転しながら公転」してますね。価値観は人それぞれ。人生に正解も不正解もない!