紙の本
生活に身近なお酒
2021/10/07 14:05
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本酒だけでなく、ビール、ウイスキー、焼酎、サワーの歴史と現状などお酒の全体像を描く。これまであまり論じられてこなかった各酒類メーカーや蔵元の戦略やイノベーションの実態を、経済学と経営学の視点をふまえて明らかにする。具体的事例をふんだんに盛り込み、文章は読みやすい。
紙の本
お酒を経済学の視点から読み解いた面白い一冊です。
2021/03/04 10:19
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、労働経済学、労使関係論、人的資源論などを専門に研究され、『生産システムの革新と進化―日本企業におけるセル生産方式の浸透』、『デジタル化時代の組織革新』、『労使関係のノンユニオン化 : ミクロ的・制度的分析』、『選択と集中 : 日本の電機・情報関連企業における実態分析』、『日本企業の人事改』、『世界の工場から世界の開発拠点へ』などの興味深い経済関係の著作を発表されている都留康氏の作品です。同書は、これまでの筆者の作品とは毛色の違う一冊で、「お酒」について書かれています。同書の中で筆者は、「日本のお酒をめぐる環境が激変している。日本酒からビール、焼酎と主役が入れ替わりつつ一貫して消費が伸びてきたが、1990年代半ばをピークに減少に転じた。その後はデフレ下で新ジャンルやサワーが躍進する一方、クラフトビールや純米大吟醸なども人気を集める。また、日本酒やウイスキーは海外から高く評価され、輸出が急増している」と説明しています。そして、「日本の酒類が抱える課題とは一体何なのか?」、「可能性にはどのようなことが考えられるのか?」と自問自答され、その回答を経済学と経営学の最新の研究成果を踏まえて紹介されています。お酒をご専門の経済学の視点から見た面白い一冊です!
電子書籍
お酒に
2021/04/26 07:12
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
こだわる人、いますよね。そういう人には、お酒の歴史から色々書かれているのですごく、興味深い内容です。白ワインと日本酒が、親戚なんてね……。それと、近年の、お酒の流行の種類、第3のビールについても書かれています。飲むけど、製造過程はよく知らなかったので……
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お酒の経済学。大学で経済系を専攻し、そしてお酒が好きな自分にとっては、なんとも気になるタイトルである。
内容については、予想していたよりも平易。経済学と言いつつも、大部分は日本のお酒についての解説。国内の酒事情について、その辿ってきた歴史と現状、そして未来と海外展開について述べられる。
「規模の経済」や「代替財と消費財」など、いくつかの経済学的なワードが出てくるものの、きちんと解説があるので初学者でも問題なく読めると思う。
「日本酒、ビール、ウィスキー、焼酎、RTD」と大きなカテゴリで分けて解説されるので、全体像が把握しやすい。(RTDとはサワーやチューハイのこと)
何よりも、筆者のお酒愛が伝わってくるようで、読んでいて気分が良かった。
総括としては、お酒について体系的に扱った貴重な1冊。酒好きの読書家の必読書と言えるかもしれない。
(書評ブログの方も宜しくお願いします)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E9%85%92%E5%A5%BD%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E5%AE%B6%E3%81%AE%E5%BF%85%E8%AA%AD%E6%9B%B8_%E3%81%8A%E9%85%92%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6_%E9%83%BD%E7%95%99_%E5%BA%B7
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日本のお酒市場を経済学、経営学の視点から分析した本。
経済系の知識に乏しいことと、酒の銘柄とか全く分からないのが重なって、全然ピンとこない箇所もあったが、企業戦略や成長過程、差別化などは興味深かった。最近は全然お酒飲まないけど、、
本書に言及されていた通り、若者の飲酒率が下がりつつあるとのことなので、今後の企業戦略に注目したらもっと面白いのかもしれない。
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5章までは各酒の歴史が説明されています。
6章で各酒の現状と課題が説明されます。
ある程度知識があるなら6章から読めばコスパがよくなります。
日本酒は白ワインの亜種。
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国内消費が減少する日本の酒類。日本酒やウイスキーの輸出が急増するなど明るい兆しもある。その課題と可能性を経済学的に読み解く。
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国内需要は低迷しているが、どんどん輸出が伸びているのがお酒。
一章と最後の章しか読んでないが、酒類ごとの歴史と現状がまとまっていて興味がある人には良い勉強になりそう。
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日本酒、ビール、ウイスキー、焼酎それぞれの歴史と未来の話。
ワインが無かったけど……。
ええ勉強になります
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ビール、日本酒、ウイスキー、焼酎の売上の推移やその背景について細かく説明がある。倍半分ところではない増減があるが、それらは理論的に説明できうる(「製品ライフサイクル」)というのが驚いた。
今後の発展のための低減にもページが割かれている。酒税や免許が複雑すぎて、業界の発展の妨げになっている面が大きいのではないかというのは頷ける。ただ、それを解消した場合に淘汰も進むだろうことは、検討が必要だと思う。発展を目指す小規模酒蔵の設備的な補助など。
本書を読んで、しらなかったことが結構あった。
「酒税法は、モルト原酒やグレーン原酒の原産地表示を義務づけていない。だから日本で貯蔵しブレンドすれば、それは「日本製品」になる」とか、「米国でサントリーが成功した理由」「日本酒と焼酎に新規参入は事実上不可能」など。
それぞれの酒の製法も復習になった。何度か他書で読んでいるものの、覚えきれない。
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各種お酒の世界を経済的な側面から切り取った一冊。経済学者らしく歴史を振り返りつつ、現状を分析し、未来への提言を行う。
本書に「国による酒類への政策的介入の2つの柱は、酒税法と免許制度である」とあるが、発泡酒や新ジャンルの隆盛、日本酒や焼酎の新規参入がないことなどを考えれば、政治や政策が酒のありようを変えてきたこともうかがえる。
そういえば、明治においては酒税は日本の基幹税ともいえる税金だった。酒蔵は地域の名家だし、逃げないから徴収しやすかったのだろう。
「新規参入組の政策は『よいものを安く』ではなく、『ユニークなものをより高く』」。昨今、ビールやウイスキーで、非常に個性の強い製品やバラエティに富んだ製造業者が出るようになってきたのは、ある意味“放置”されているからかもしれない。おかげでいろんな味や香りが楽しめるようになった。
このところウイスキーの蒸留所がずいぶん増えたと思っていたが、本書に紹介されている製造免許の取得状況のリストを見ると、まだまだ増えそうである。「熟成」というビジネス上のリスクの高い工程を経るため、「ウイスキーは小規模事業者には難しい」と思っていたのだが、正直驚いた。大手も新規参入組も含めて、製品価格が心配だ 笑。
可能性を感じたのは、焼酎の世界。独自の蒸留技術を持っていたり、原料の多様性があったり。熟成にもチャンスがあるかもしれない(一定以上の色がついてはダメという酒税法の改正が必要になるだろうが…)。ジンのようにハーブを加えれば、味や香りの組み合わせは無限に広がるし。
日本酒については、普段から少しマニアックな方向に行き過ぎているのが気がかり。やる気のある若手の台頭で下げ止まってはいるとは言われるものの、生産量が「1871年(明治4年)を下回るとは衝撃的ではないか」。
国内では事実上、新規参入が認められていないため、海外で清酒の醸造所の立ち上げという形で新規参入が行われているとか。
世界で29の“sake醸造所”が操業中で、開業予定の醸造所も11あるという。獺祭など、世界を意識した動きをとっている酒造メーカーは別にしても、海外から安価で高品質な清酒が流入してくれば、窮地に立たされるところも出てきそうだ。他業界の老舗と同じように事業承継問題も抱えているだろうし……。
うまいまずいとか、○○が好きとか、△△秘伝の□□とかではない“酒本”のアプローチは、ビジネスマンには腹落ちすること間違いなし。
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日本酒、焼酎、ビール、ウィスキーの日本における経済的歴史がコンパクトにまとめられている。アルコールあたりの課税額はまだ乖離があり、ビールは高くなっている。輸出は、ウィスキイート日本酒が増えているが、フレッシュさを売りにするビールは現地生産がメインとなり、輸出は近隣諸国にしかされていない。焼酎は、輸出額は限定的で、世界的にも稀な食中に飲む蒸留酒というのを訴求できていない。日本酒、焼酎の規制緩和は進んでいないが、政策当局はクラフトビールの勃興を見て必要性は感じているとしている。
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『日本酒や本格焼酎に関しては...新規参入を目指すものは、廃業を考えている蔵元を買収するか、既存蔵元へ製造委託するしか方法がない』
『上川大雪酒造は、製造を休止していた三重県の蔵を承継し、製造場の移転申請が許可されて2017年に醸造を開始した...』
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/pr/220244
一橋大学の名誉教授である著者。身近なお酒を話題に各酒類における現状の分析から、将来における著者の予測について。
経済の専門用語が平易な表現に変えて有り、文章も読みやすく非常に分かりやすい。
また、各酒類の詳しい製法が図にまとめられており、著者の酒好きが目に浮かぶ。
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日本における酒類の概説書。この手の話は意外と法制度が面白い。日本の酒税は品目制のため同じアルコール度数でもビールが明らかに高いことは知っていたが、日本酒と焼酎については新規参入が消費量が減っている段階では認可されないというルールがあるらしく、これが新しい蔵が参入するのを避けているようだった。社会階層との関連も興味深く、焼酎は昔は所得の低階層の人が飲む傾向にあったが、徐々に高級酒化してきたらしい。
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様々なお酒の現代史やとりまく状況と、今後の方向性の一つがよくわかる本。大変勉強になりました。
今後の日本の内需を考えると輸出に向かうのは必然である中、「國酒」とも言える日本酒と焼酎に新規免許が下ろされない状況には改めて強烈な違和感と問題意識を持った。
そして輸出の柱として並ぶウイスキーの表示がここまでザルとは知らず、かなりの衝撃。いいのかコレで本当に。規制業種、どうしてもスピード感にかけるけど、これではより一層世界に取り残されてしまうのではと心配になってしまった。