紙の本
手紙を隠すのは、ない
2021/07/24 07:06
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投稿者:あぐら - この投稿者のレビュー一覧を見る
うーん。高評価が多いところに書くのは勇気がいるのですが、本書を読んだ感想は「大いなる違和感」に尽きました。
それは、主人公を取りまく人々がファンタジーすぎること、そして実の父親からの手紙を優子に見せていなかったこと、この二点によると思います。
とくに後者は、それさえなければ後のゴタゴタはなかっただろ、というツッコミが入ってしまい、あとは読んでいても感情が一歩引いてしまいました。
ネタバレは避けたいので明記しないように書きますが、ラストについてもああいう人生の一大イベントがゴールなのでしょうか?
家庭持ちの方ならおわかりでしょうが、それからも苦難の連続となります。様々な人々の間をたらい回された経験をどう生かすかが、より多くの読者の共感を呼び寄せられる真の見所になったかもしれませんが、なんというか7合目までで登山を終わらせたような感じがします。主人公の身におきるイベントが追従記載されていくだけで、主人公の主体性の無さに苛立ちを覚えてしまったのは自分だけでしょうか。一人称視点なのに、受け身すぎです。そのあたりが、他の感想でも述べられているクールさであり、ある意味本書の特徴なのかもしれませんが。
紙の本
優しい話
2021/02/17 04:10
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投稿者:K.ザムザ - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きな人はとても好きな話だろうなと思います。主人公の感情描写がわりと淡白で主人公自身もさっぱりした性格なので感情移入できる部分は少ないかもしれませんが、その分最後の森宮さん視点の場面は感動的だと思います。
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2019年の本屋大賞作品.
うーん,もし自分が水戸さんの立場ならどう感じたかなー,結局,みんな梨花さんに振り回されているんだよね(梨花さんには悪気はないし,優子ちゃんのことを考えてのことだけど).一番割を食ったのは,水戸さんじゃないかな.日本に帰ったときに,別の選択はなかったのだろうか.それで,優子ちゃんが幸せになったかどうかはわからないけど.
森宮さんが.優子ちゃんの結婚に反対していたのは,最初は,またピント外れの父親はかくあるべきとの思い込みと思っていたのだけれども,本当に優子ちゃんの将来を心配してのことだったんだよね.きちんと水戸さんにも連絡しているし,よ,森宮さん男前.
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瀬尾さんの作品はずっと読み続けていたけど、本作は本屋大賞取ってからかえって構えてしまって、ようやく読むことができました…
読み始めたら一気に読んでしまった。
徐々に明かされていく、家族の変遷。
途中、人間関係で雲行きが怪しい時もあったけど、作品を通じて、優しい世界線で生きてるなぁと感じられる。
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めっちゃ好きな話。
出てくる大人がみんな好き。
お父さんとお母さんがころころ変わる少女、というあらすじだったから、荒んだ毎日だったらどうしようとか思ったけど、
全員に満遍なく、各々違う形でも愛情を与えられた少女は、いいところを全て吸収して、
角が取れたきれいな丸一形のような性格の女の子になった。
ずっと愛おしさに溢れていて、最初から泣きそうになりながら読んだ。
家族の暖かさを改めて認識。
素敵な話だった。
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家族って完成されたものだと中学生くらいまでは思っていた。父がいて母がいて兄弟姉妹がいて、1つ屋根の下で毎日暮らしていく。少しのすれ違いや喧嘩があっても壊れたり離れたりしないものだと思っていた。でもそうじゃなかった。家族って人間関係の中で何より親密な関係だと疑わない人が多いけれど、人と人とが関わる中でそんなに完璧な関係性が成立するわけなかった。でもそのことに気づいて絶望したわけじゃない。それを知って少し楽になった気がする。家族だから上手くいってなきゃダメだとか、仲良く円満でなければいけないとか、そんなことがどこかの段階で無意識に押し付けられていたのだと思う。歪みもある。秘密もある。親子の相性が悪い家だってある。血が繋がっていたって他人だから、気に入らないことだって山ほどある。それでいいんだ。それで当たり前なんだから。両親がいてもいなくても子どもがいてもいなくても初婚だろうと再婚だろうと、どんな家族もみんな不完全。だから幸せの形だって違っていい。理想の家族というものに縛られない幸せのあり方を教えてくれる1冊。
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高校生の優子には3人の父親と、2人の母親がいて、今は3人目の父親である「森宮さん」と2人ぐらしをしています。ここまで読むと「家庭環境がむずかしい子なんだな」とか「暗そうだな」と思うかもしれません。ですが、作中で優子は周りの大人たちに「何か困っていることはない?」と尋ねられると「こう尋ねられたときに困っていないことに困ってしまう」と語っているように日々は淡々と進んでいきます。「父親」や「母親」と「子ども」からなる「家族」というカタチ。これらの言葉はわたしたちを切れない縁で縛り付けますが、その縁がわたしたちに居場所を与えてくれているのかもしれません。
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母親2人、父親3人の特殊な環境で育ってきた優子の物語。
家族の複雑な話になるかと思いきや、軽やかで、意外と学校生活がメインなのかと思った矢先にぐっと家族の話になってきて、感動のラストにつながる。
すごい、純粋に面白かった、さすが本屋大賞受賞。
瀬尾まいこさんはデビュー作から注目している作家さんだけれど、これだけ長い間クオリティの高い作品を出し続けることに感服する。そのなかでも、本作はお薦めできる作品だった。
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10年ぐらい前なら確実に優子目線で物語を見てたと思うんだけど結婚して母になった今、親たちに感情移入しながら読んでた。実のお父さんの手紙のとこ泣ける。
森宮さん(お父さん)のつっこみ?反論が面白すぎて何回もくすくす笑って読んだ。
とりあえず森宮さんのキャラが最高やった!!
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色んなところで取り上げられたり賞取ったりしてて露出が多かったので、ちょっと期待しすぎたかも。面白かったし、感動もしたけどなんか、文庫にしといて良かったと思っちゃった。他にはないストーリーだけど、なんでそうなるん?って腑に落ちない点が多いのも気になってしまい。
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他の方のレビューにも書かれている通り、読後感が良く透明感のあるお話だった。
森宮さんには最初イライラさせられたけど、覚悟を決め、筋を通して優子ちゃんに寄り添う姿には感動した。2人の何とも言えないやりとりが面白い。
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二人の母と三人の父を持つ優子の、幼少期から大人になるまでを綴った物語。登場する父と母は皆娘を愛しているけれど、その愛し方は個性的だったり少しズレていたり。その愛情を戸惑いながらも受け止める、優子の優しさとしなやかさと強さが、この物語全体を貫いていると思います。
そして、最後の最後で唐突に変わる一人称の視点。これによって、「そして、バトンは渡された」というタイトルに作者が込めた想いと作品の主題が鮮明に伝わってきました。少しずつ人々が繋がり、主人公を祝福するラストもじんわりと心を温かくしてくれます。
本当に大切なことを、劇的に表現したり、読者に押し付けるように書いたりせず、どこまでも優しい筆致で伝える瀬尾さんの文章。改めて素晴らしいなと思いました。
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父親が3人、母親が2人いる主人公。
親が何回もかわるという不遇な環境でどうして悩みがないのだろうと思ったが、全ての親がそれぞれに主人公を思い、愛情を注いでいて実際は恵まれていたからだろうと思った。
現実世界で考えると流石に無理があるだろうという設定もあってあまりいい評価ではない人もいましたが私はとても感動しました。
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とにかく読みやすい。
どんどん読めて、平日なのに2日で読んでしまった。
親が離婚して「親」がたくさんいる主人公。
でも主人公は悩んでいない。
凛として、悲しさに惑わされず生きている。
読みやすいけど、内容は悪くもなく、意味を考えさせられることも無く。
普通に楽しめる1冊。
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傍から見ると優子ちゃんは辛い経験を重ねてきた子だけど、全ての親から愛情を色々な形で受けていてほっこりしました。題名と内容と噛み合ってて好きです