紙の本
知のトップランナーは、地に足のついた現場の人だ。 良い意味で人間くさい天才の言葉と行動が、明日への希望となって心と体に染み入ってくる。 知恵は現場にあり。 対話こそすべてを切り開く武器だ。
2021/07/11 18:33
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界中が新型コロナウィルスの脅威に覆われた2020年。
いち早く対策を立て続けに講じて、被害を最小限にとどめてきた台湾。
その中心人物の一人が、唐鳳(タン・フォン、オードリー・タン)。
2016年、35歳にしてIT大臣に就任。
IQは180だが、中卒。
ハッカーのDNAをもち、いつでもプログラムが書ける達人。
Appleで顧問としてSiriの開発に携わる。
トランスジェンダーであることも表明している。
「私は政府のためにではなく、政府と共に働いているのです。人々のためではなく、人々と共に働いているのです」
「すべての物事は変化し、変化するということだけが不変です」
「自分で勉強することのメリットは、他の人には見つけられないものを見つけられる、ということです。これはとても重要で、そうでなければ付和雷同するだけになります。誰かが言ったことに同調するだけでは、自分がありません。でも、誰かとシェアできることも重要です」
「大事なことは、情報のダウンロードとアップロードのバランスなのです。ネットコミュニティからのダウンロードに対し、アップロードが多ければ多い歩と、自分がインターネット上の『市民』であると感じられます」
知のトップランナーは、地に足のついた現場の人だ。
良い意味で人間くさい天才の言葉と行動が、明日への希望となって心と体に染み入ってくる。
知恵は現場にあり。
対話こそすべてを切り開く武器だ。
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新しいリーダー
2020/12/30 05:44
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
オードリー・タンという時の人を、その生い立ちから現在に至る生き方を描く。確かに特異な人であり、その優秀さは目立つ。しかし彼女(彼?)の語ることは、至極当然の内容である。透明性という言葉の持つ意味が、国家が国民に対して、いかに誠実に、情報を公開し続けるか、ということだろうか。日本には、なかなか広まらない政治規範であろう。
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【「共有の時代」を切り開く若き天才誕生秘話】マスクアプリ開発で世界に名を馳せた台湾IT担当大臣。IQ180以上の中学校中退者は学歴も性別も越えた。その個性の全てに迫る。
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2020/11/24 オードリー・タン
台湾の天才デジタル担当大臣
コロナ対策でマスクマップアプリを提供
自由と多様性を許容する台湾社会の未来を明るく照らす
日本では起こりえないのか?
1.オープンガバメント
過激な透明性radical transparency
Dataの透明性を確保し、一般の人々の参与を促し、政策をトレース可能とし、各人を対話に導く
オンライン確定申告の改革 民間利用者 デザイン思考
2.チームの力 権力の力ではなく cfドイツの教育体験
いかなる議論の場でも、我々は王も大統領も投票も認めない。
我々が信じるのは、①ざっくりした合意rough consensus②動いているコード
権威を拒絶 投票で安易に結論を出さず、専門性を持って問題を解決
3.若者の政治参加 ひまわり運動20140318
政治参加を拒否=自分より劣る者の統治下に置かれる(プラトン)
民主主義社会の正当性は情報可視化の下で成り立ち、それが市民の自主性を高める
デジタルの運用←背後に哲学や価値観がある
台湾は、自由で、国民の決定能力は高く、社会は健全
それに対して中国のデジタル社会は健全か?
4.問題解決solutionの時代 お金より情報・Data・知恵
政治は「人々の問題の処理」 マスクのソフト
5.人材育成 教育
①デザイン思考 さまざまな考えを、共同のシステム開発イメージにまとめる
②プログラミング 願望を実践して提供できるようにする
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最高に面白かった。
iq180と言われるタン氏。
中卒でハッカー。
それだけでは語り尽くせない天才ならではの苦悩の人生遍歴。どのようにタン氏のような人物が形成されたのか。そしてタン氏自身の発想の新しさや面白さ。
個人的には非常に刺激を受けて、
二度読みしてしまった。
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台湾のIT大臣についての本。
話に出ていた人なので読んでみたが、情報の透明性の確保・OSS文化・ハッカーの文化への理解と貢献などの背景がわかる本。
情報の透明化がもたらす重要な側面について、コロナでの政策を実例として踏まえて理解できる本。
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彼女の友人が、EQ(心の知能指数)が異常なくらい高いと答えていたことが印象に残った。天才ゆえに悩み苦しむことも多かったと思うが、自分の力で考え、答えを見つけ、自分の進むべき道を切り開いてきた彼女の人生をの一部を覗くことができた。今後の彼女にも興味がある。(中国語を勉強して、彼女の発信をダイレクトに受けられるようになりたい!実は彼女の存在は私の中国語学習のモチベーションにもなっている。)
コロナ対策の活躍ぶりで、彼女の存在が日本で知られるようになったかと思うが、早くもこのような書籍で彼女を知ることができて嬉しい。このスピード感も台湾ならではなのかしら?
オードリー・タンに興味があって読んだが、台湾のひまわり運動、コロナ対策についても知ることができ、とても満足の一冊。
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よくある人物評伝のテンプレートに、オードリー・タンのやってきたことを放り込んで、アメリカのジャーナリストっぽい言い回しでまとめた感じ。まぁそれでこちらの知りたいことはわかるのだから、過不足ないと言えば過不足ない。オードリー・タンってやっぱすごいんだな、と思いつつも、読書体験としてはやや退屈だった。
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翻訳本ではなく、日本国内向けに作られた本とのことで、読みやすいです。
天才とはどういうものか、施政とはどうあるべきか、台湾の無血革命はどのようになされたのか。
後半4分の1くらいはタンの伝記ではなく台湾のコロナ対策の経過を記してある。発生当初どのような方法でコロナを封じ込めたのかがよくわかる。
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天才と言われる、台湾のIT大臣がどのように育ち、何を目指しているかを書かれた本。
後半のインタビューが特に面白かったです。
自分の役割、オードリー・タンが考えるより良い社会、感情との向き合い方など理論整然としながら、人間らしさも垣間見えました。
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参考にならない彼女の読書法→寝る前に目を通す→400頁なら9時間寝たら理解できている。
ん?どゆこと?
天才が故の苦悩とそれを受け入れられた台湾の多様性、彼女が実現しているopen governmentとITの可能性が印象的。“クリエイティブになれ”
巻末の台湾感染症対策には脱帽。
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選挙の為のプラットフォームアプリとか、審議中の法律や政策制定過程が良く分かるホームページとか、作ろうと考える日本人、どれだけいるだろうか。
でも、読んでると楽天的になれる。きっと年上の人たちはSDG'sやESGをマネーゲームだと思っているだろうけど、年下の人たちは特に気負わず普通のことだと考えている。
・・・
未来はどちらへ進むべきかは若者が大人に伝えるもの、1時間以内にユーモアを交えて本当の情報を発信し反撃する
協働は形式も大切だが、さまざまな人の異なる意見を進んで理解する者がいることのほうが、もしかするとより大切かもしれない。異なる考えの相手に対してすべきことは、説得ではなく、相手の立場をより深く知り、その立場から別の人と口論ができるくらいまで全面的にその考えを理解することだ
仲間に受け入れられること、知識の探索、無限の想像、思いやりにすっぽり包まれること
いかなる議論の場でも、我々は王も大統領も投票も認めない。我々が信じるのは、ざっくりとした合意と、動いているコードだけ
昨日何をしたか、今日何をするか、今どんなトラブルに遭遇しているか
大勢の人のために行うことは、大勢の人の助けを借りる
transparency
情報公開すればするほど、デマが生まれる機会は失われる。どんな結果になろうと、少なくともすべての人々に真実を見せる
ネット中継を通して、彼らがこれまで政治に無関心であったが為に、政府はやりたい放題になったのであり、責任は全国民にあることを自覚させた
リモートが効果を上げるには、まず時間をかけて「共にその場にいる」という感覚を作り出す必要がある
テクノロジーをどのように今ある人間の習慣に役立てることができるか。未来の創造に参加するだけで、すべてが予測不能ではなくなる。
全ての物事は変化し、変化することだけが不変
問題に打ち負かされることと、打ち負かされないことの違いは、急いで解決しなければならないという時間的プレッシャーの中でのみ生じます。長時間付き合うことができれば、問題に打ち負かされることはありません。問題と共生する方法を探し出すことができるからです。
二次投票法(99ポイント、複数、票数二乗)
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本人が書いている本じゃないからか、オードリータンという人の深い部分が見えてこなかったのがちょっと物足りない気持ち。
最後の台湾のコロナウイルス対策のところで、著者の人の褒め方が誰に対しても同じような感じだということはよくわかった。
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うらやましい。オードリー・タンのような人を、活かす度量のある台湾という国が。
彼女は思考も発想も行動も明瞭で、そしてその才を人々のために活かすことができる人。その彼女と共に考え動こうとしている人たちがいるのも頼もしい。彼女の考えていることをもっと知りたい。
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コロナウイルスの第一波において恐らく先進国中で最も優れた封じ込めに成功した台湾。その成功の背景にはクイックなITツールの提供があったのは記憶に新しい。
その成功の立役者である若きIT担当大臣、オードリー・タンの半生をルポライターがまとめあげた評伝。幼少期から天才児としての片鱗を見せつつも、公教育との相性が合わずに両親の支えによって独学でその天才性を開花させた教育エピソードや、オープンソース・ソフトウェアのコミュニティとの出会いなど、どのようにしてオードリー・タンという人間が形成されていったかを丁寧に追うことができる。
巻末にはオードリー・タン自身がセレクトした”自身に影響を与えた20冊のブックリスト”が掲載されているが、ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』・『哲学探求』、ジェイムス・ジョイスの『フェネガンズ・ウェイク』などと並んで、柄谷行人の『世界史の構造』までもが選出されているのに驚かされた。