紙の本
私のバイブル的な本になりそうです。
2021/03/19 08:35
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投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある部分で「本をつくる」仕事に関わっている私です。
しかし、自分の担当のこと以外は、いえ、自分の仕事でも今日に至るまでの先人のご苦労に思いをやることのないまま20年余り経っていました。
ここに書かれたことだけが全てではないのもわかっていますが、一つの歴史としては間違いないことだと思います。
皆さんのご努力あっての私の仕事…そう思うと仕事の一つひとつをおろそかにはできないと改めて痛感しました。
「へぇ~っ」と読んでしまう本も多いなかで、仕事と深く関わり、読みやすい素敵な本に出合えたことを、嬉しく思っています。
紙の本
本に携わる人たちの物語
2022/10/07 21:57
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投稿者:シルビア - この投稿者のレビュー一覧を見る
本に携わる人たちは、とてもやりがいを持って、読み手に伝えていっている。読み手にじかに読みやすく温もりのある文字、読み手に印象付けお気に入りの一冊にする装丁など、本に携わる人たちがめぐる物語が綴られていて、改めて本の奥ゆかしさを知ることができた。
ぜひ、「本」について改めて考えてもらえるような一冊として読んでもらいたい。
紙の本
本のことが、もっと好きになった。
2020/11/30 12:11
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋さんで、図書館で何気なく手に取っている本たちは、実にたくさんの工程、たくさんのプロの仕事を経て完成したものなのですね。
これまで以上に大切に読もうと思います。
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ブクログで文庫版が発売されることを知り、店頭でパラパラ読み始め稲泉さんの文章が読みやすく購入に至った。
私は、この中に出てくるひとつの業務に携わっている。
でもあまりフューチャーはされないので、どんな風に書かれるのか?と期待があった。
でも、その期待以上のものをこの本からは得ることができました。
自分が若輩者ながら関わった分野以外の話もどれも興味深く、そして紹介されるその道の方がプロフェッショナルな方ばかり。
出版業界はデジタル化に伴い苦境に立たされつつあると昨今良く聞いていたが今に始まったことじゃなく、今までも時流によって影響を受けながらもその道の人たちが繋いできてくれたのかなと思った。
矜持を感じました。
P52 6行目からの言葉は胸が熱くなり、こみ上げるものがありました。
自分の仕事は一般的には軽視されてそうと思う。
SNSが普及し、一般人が各々発信をするようになって悪い面として思うのが誤情報が広まる様になったこと。
精査されることなくバズりやすい文面の情報が無責任に広げられる。その光景にもどかしくもなる。
意見ではなく、情報として。専門家でない人のネットのキャッチーな文面と、専門的に多くの人が目を通して書かれた書籍と、どちらが信頼できるのか。
書籍の価値が見直されて、ネットの情報に人々が振り回されないようになってほしいと考えている。
ネットも良い面はたくさんあると思うけれど。
次に読み始めた本に「タトル・モリ」の文字を見つけて嬉しかった。
この本を読んで初めて知った会社。
本を読んだことで新たな知識を得て、新しく見える世界が広がった。
そんな風に作用して、出会いを広げてくれる本が好きです。
届けてくれてありがとう。
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本と一口にいってもそれができるまでに色んな人たちが関わり工夫を凝らしていることが分かった。当たり前のように読んでいる本を改めて深く読み、感じたいと思う。
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本好き、特に「もの」としての「本」好きにとっては、本書各章に取り上げられている本に関わる仕事に、またそれに携わる人たちに、感謝や崇敬の念を覚えるのではないだろうか。
本書では、一冊の本ができるまでに、その舞台裏を支えている活字書体、製本、活版印刷、校閲、紙製造、装幀、エージェントといった仕事を各章で紹介し、その仕事に従事している人たちの思いを丁寧に紹介していく。
私たちが当たり前のように本を読んでいるのには、これらの仕事と、それに従事する人々のプロフェショナルの矜持があってこそと、思いを新たにした。
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こういう、地味かつ地道な仕事をきちんとこなしていく人生はいいな。
でもそれらが、職業として成り立たなくなっていく現実。
電子書籍だけの問題じゃなく、紙の本は残っても、消えていくものがあるんだな。
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生涯80年だとして、年間100冊読んでも8,000冊しか読めない。厳選された8,000冊、全てに書体・装丁・製本などの工程がある。
この本を読むと1冊1冊の重みを感じる。読み心地、ページを捲る感覚、ジャケット。どれも拘り抜いたプロフェッショナルの塊。それを無意識的に感じ取り、本屋で手に取っているんだなと改めて思った。そう思うと、過去に読んだ本も全部見返したくなる。どんな気持ちで、どんな思いを込めて、この本が仕上がったんだろう。
活字が好きだから電子書籍も読むけれど、やっぱり本が好き。そんな人にぜひ読んでほしい。
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「わたしの名前は「本」」と同じくらい、大事な本になりそう。
「古くてあたらしい仕事」もそうだけど、自分の中の根底にある「モノ」や「カタチ」としての本を大切にしていきたい、という思いは一層強くなるばかり。
「美しくなければ本ではない」その言葉にどれだけ救われるか。
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現代の本作りについて、8人の職人・プロへのインタビューを軸にまとめられたノンフィクション。
技術の変遷や取り巻く情勢の変化、各分野の過渡期を振り返り現在の仕事にスポットを当てる。
手に取る本への思い入れが強くなる一冊。
活字、製本、印刷、校閲、製紙、装幀、翻訳作品のエージェント、絵本作家、という構成順が良かった。「本」と聞いてイメージするものとは逆の順番な気がする。
時折、文中で「その本は~」などと語られると、急に意識が自分の手の中の「物体としての本」へ飛ぶ。この感覚は楽しい。
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製紙、印刷、装丁、活字…一冊の本を作るのに、こんなにも多くの人がかかわり、そしてそのひとりひとりの情熱やこだわりが交差しているのだと実感させられ、目の前にある本が今まで以上に尊いものだと感じられた。すべての章が興味深く、今すぐにでも本屋に行って一冊一冊本を手に取って眺めてみたいと思った。紙の本が永遠にこの世界にあり続けることを願う。
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どのインタビューもよかったのですが、新潮社の校閲の話がとてもおもしろかったです。「校閲は出版社の価値であり良心であるーー」という言葉にぐっときました。
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どこかの書評から。武田さんが解説書いてるし。本が好きだし。ってことで読み始めたは良いけど、作成過程にはあまり興味がわかず。本好きの風上にも置けないかもしらんけど、ダメなものは仕方なし。外観が素晴らしい本は、確かに存在しますが。
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「本を作る」と聞いて、著者や編集者、出版社ぐらいはすぐに思い浮かびますが、実際に”紙の本”が一つの商品として完成するには、多くのプロセスと、その作業に長じた専門家の存在があります。本書はそういう本づくりの裏方さんにスポットを当てたノンフィクションです。
本書は各章1工程ずつ、活字、製本、活版印刷、校閲、製紙、装幀、翻訳、最後に絵本、という内容に分かれています。いくつか、印象的だった部分を抜粋します。
活版印刷
鉛の活字を組んで活版を作って印刷していた時代、活字を拾う作業ではベテラン職人は原稿を「読まずに拾う」→詳しくは本書を読んでみてください。
校閲
校正と校閲の違い(本書によると、校正=ゲラ刷りが原稿通りかどうかのチェック、校閲=内容の事実確認や正誤・全体の矛盾などの洗い出し)、そしてこの作業こそが本が伝える情報の正確さを支えている、という事を再認識。ネット記事と本との情報の”重さ”、”正確さ”の差はここに宿っているんだ!と思いました。
製紙
ごく最近まで、印刷に適した書籍用の紙は酸性紙だったため、数十年で紙がボロボロになり、本の寿命を短くしていました。紙の寿命を延ばす中性紙の開発に携わった技術者の証言が描かれています。
こういう拘りの積み重ねの結果として、”紙の本”が出来るのだと分かると、読み終わった本も改めて眺めてみたくなります。
ちなみに活字については
「奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体 開発物語」
製紙に関しては
「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」
という本が、それぞれの分野について、より詳しく扱っています。興味がある方は、これらの本も是非読んでみてください。
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本書は「もの」としての本を作るための技術と、本の内容に関するソフト面の作業が半々くらいの割合で書かれている。
本を読むとき「書体」によって読みやすさの違いを感じることがある。
「紙」自体は、色・厚さ・手触り・光の反射など本の善し悪しを決める重要な要素だ。
活版印刷が前提の時代は、紙による印刷時のインクの滲みを考慮してフォントの太さを決めていたりしたそうだ。
紙作りも増版時に初版と同じ紙質と色を再現するのが当たり前のように行われている。
背の丸み具合にこだわったり、本は職人の匠の技で作られていたんだなぁ、ということがわかる。
三菱製紙中川工場のことが書かれていて、場所を調べてみたら跡地が東京理科大学葛飾キャンパスになっていた。
ソフト面では、校正・校閲の仕事の重要さが良く伝わって来た。
あと印象に残ったのは、日本でも売れそうな翻訳本の選び方、子供が夢中になる絵本の作り方。
絵本では子供が描くような絵の描き方を練習していたり、子供の本を大人が作ることの難しさが少し分かった。
1冊の本が自分の手元あるということは、実に多くの人達が仕事をしてくれたおかげだ。
「本」に限ったことじゃないけど、それぞれの仕事に携わった人々に感謝だな。