紙の本
いろんな人が固有の思いをつづっている
2021/03/19 19:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒグラシカナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の良いところが詰まっている。会えない人の声が聞こえるような印象。
いろいろな不調を持つ人が誰かと会話をするには、調子の巡りあわせなどもあり難しいこともある。本にまとめることはきっと奇跡のような巡り合わせもあると思う。
でも、書く人は自身の調子に合わせて書き、修正も可能。(それでも簡単なことではないが)読む側は、わからないことがあれば何度も読みなおしたり、文章に触れたいときに触れることが出来る。
この本があるおかげで、知ることが出来たことがある。これからも、何度も読み返す本。
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12人の筆者による12通りの人生。
彼ら彼女らの病気や障害のこと。
そして本との関わりを彼ら自身で綴る。
本に助けられた、という経験は、本好きの方なら多くの方が持っているだろうと思う。
本は生涯の友人になりえる存在だ。
私達がどんなに孤独でも、黙って、あるいは喧しく、すぐそばにいてくれる。
人間が煩わしいときでも、人間が恋しいときにでも。
この本に寄稿している方たちはさまざまな病や障害を抱えていたり、障害を抱えた家族を持ってる方々だ。
さまざまな「当事者」の方々がいる。
その一端を知ることができて良かった。
病気や障害なんて数限りなくあって、身近でないものは全く知らないことが多い。
世界は健康な人たちだけで出来ているのではない。
遠いと思っていた他者が近くに感じるのも本のマジックだと思う。
読みたい本もできてお得だった。
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優れて読書論でもあり、書評でもあり……。書き手のライフストーリーでもあり。読まされるように読んでしまいました。
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障害や病は、自分にもいつでも舞い込んでくるテーマで、これからの自分の人生にとって、とても参考になる捉え方と歩みが力強い。12人の寄稿の其々に頷きながら読み終え、また本をなぜ読むのか。原点に立ち返る。
執筆者の選書も是非手に取りたい。
2021年のスタートに輝かしい一冊でした。
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みんな、意外と病んでいる。
いや、長く生きていたら、当たり前だ。それでもみんな、生きているし、何かを考えて、探求し、本を書いたり、仕事をしたり、それぞれの生業を立てている。
その傍らに、本がある。
本は、病の痛みを和らげたり、仕事を片付けたりはしてくれないけれど、長く人を生きさせる力を持っている気がする。病や障害で心が折れそうになった時、折れた時、間違った方向に走ろうとしたとき、傍らに本があることが救いになることがある。
そのそれぞれの本を、また手に取ってみたい。
誰かを救ってくれた本は、きっと良本だから。
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考えさせられてしまいました。
それも 深く
「ただ生きている」
そのことが嬉しいと思わせられる
人たちの傍らにある
それぞれの「一冊」が
語られる
「病」「障害」
それも「死」と隣り合わせにある
「生」を営む人たちを
支えている「一冊」が
語られる
その「本」が
どんな状況の時に
どんな風に
読まれているのか
「生」と「死」の
ぎりぎりのところで
読まれている
「本」が持っている力を
考えさせられました
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私が少しの間体験した体の不調のおかげで、というかこのタイミングで読めたことが本当に偶然ではない気がするし、とても心に染みた。
生きていたら誰もが避けられない病と障害。
その時にそっと寄り添ってくれる本の存在の大きさを改めて知った。
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人と本。付き合い方、向き合い方、読み方は様々。
時に人に寄り添う本という存在。
病や障害と生きる人にとっては、その存在もひときわ大きなものになる。
大切に付き合っていきたい。
素晴らしい本を伝えていきたい。
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病や障害を持った、12名の本にまつわるエッセイ。
当たり前かもしれないけど、それぞれの本との出会いや付き合い方があった。本というキーワードをとっかかりとして、それぞれの生き方についてのエッセイと言ってもいいかもしれない。
私自身、一時期本を読めなくなり苦しんだ過去がある。その頃を思い出しながら読んだ章もあった。
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自身が、もしくは自身の周囲が「そうなってしまった時」、何ができるだろう。この一冊は、希望に満ち過ぎているような感じがした。
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還暦を迎えたが、人生100年時代というからあと少なくとも20~30年は生きることになるだろう。飛蚊症や白内障の症状がでたり、遠視メガネが合わなくなったりと、私自身、加齢の影響は否応なしにやってくる。この本はさまざまな困難を抱える人が本とどう向き合っているのかを教えてくれる。どん底から救ってくれた本、困りごとを抱えたからスイスイ読めた本などなど。そうか、私もこれからいろいろあるだろうが、そのときに応じた本がきっとある、本に頼って生きていけばいいや、と思えた。図書館や本屋には私が一生かかっても読めないだけの本があり、本がなくて困ることはなさそうだ。
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ふんわりと、しみじみと、よい本だった。
書くことはひとりではできない。読むことも、書き手から受け取ろうとか、受け取ったものを周囲にも渡そうとかする気持ちがあるから。という説明がとても好きだ。
新しい本で、コロナ禍でなにがどう変わったかについても触れられている。いまのうちに読めて良かったと感じる。
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とてもいい本だった・・・。病の当事者10人と、介護者2人のエッセイ。
幸い今のところ大病にも障害にもなっていない私は、病気を抱える人の気持ちを想像するのが難しい――と、ことあるごとに痛感している。寄り添いたい、と思っても、どうしても心からの言葉や行動にならない気がする。それはカゼをひいた人が相手でも同じことで、いたわりの気持ちが欠けているなぁ、と自分についてよく思う。
闘病記はたくさん世に出ているけれど、これはアンソロジーの形で、本というテーマがついているのが特徴的。難聴、うつ病、膠原病、脳梗塞・・・どんな症状があり、そこで「本」はどんな役割を果たしてくれたのか。
エッセイ、詩、写真など著者はみな表現者としての仕事をしている人なので、文章は整理され読みやすい。ある人は客観的に淡々と、ある人は物語のように――それぞれ違った味わいがある。絶望や辛さも書いていながら、過度に悲劇的ではなく、読み手を怖がらせることがない。
私にとっては"趣味"で、ときに"エンターテインメント"である読書が、病と向き合うよすがであったり、回復するための手段であったり、気持ちを整える薬であったり・・・。自分が本好きであるためにいっそう、その無限の可能性に驚かされ、感銘を受けた。また、本という道具を介したことで病を抱える人の気持ちを、いくらか想像しやすくなったような気がする。
カゼをひいた人がそばにいたら、怖がらずに寄り添えるようになりたい。まずはそこから。
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今年の7月に亡くなられた装丁家の桂川潤さんが、3月にラジオで印象に残っている本として本書をあげられていた。ご自身も双極性障害をお持ちだったということだが、本書でも多くの同じ病気の方が書かれている。病気の種類や症状、向き合い方はそれぞれ違っていても文章を読むことが日々をなんとか乗り越えていく力になっている。同じ思いの私も親しい友人の話を聞くように読ませてもらった。
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烏兎の庭 第六部 8.29.21
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/bo.html