紙の本
かつての教養主義出版物の趣
2021/04/08 06:12
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投稿者:takuya - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて十代の頃でしたか、音楽之友社から出発されておりました、『大音楽家/人と作品』シリーズを想起させる御内容でした。この所、クラシック音楽関係の出版物も、時流に染まった軽妙なタッチの感じが目につきますが、久々に読み応え満点の書物が、honto様から届いたな‥と、嬉しく存じます。作品の内容とは乖離したこの楽聖の性格・人間性については、既に石井宏さんの著作等で知っておりました為、中野氏が述べられて居る点に、特に目新しさは感じられませんでしたが、その他の伝記本的な詳述されております部分は、読み応え満点。コロナ禍で、暫く聞き返して居なかったLP&CDとの再接触、書棚の本の読み直しに臨んで居りますが、この本とも暫く親密なお付き合いが、続きそうです!
紙の本
ベートーヴェンの伝記&巻末にオススメ演奏DVD一覧
2020/12/13 20:34
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り、ベートーヴェンの伝記です。
私はベートーヴェンについてあまり知らなかったので、こうして新書でベートーヴェンを学ぶ事ができ、良かったと思っています。ベートーヴェンって、こんなにたくさんの曲を作っていたの?と、読み進めて驚きの連続でした。
文春新書らしく、文字が大きく読みやすいです。
なお、巻末には著者が推薦する、実際に世界の楽団がベートーヴェンの曲を演奏している選りすぐりのDVDが多数、紹介されています。年末年始に映画のDVDを観る感覚で、こういった楽団のDVDを借りて家でゆっくり観るのも、いいかもしれません。
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【不世出の巨匠の人生と作品の凄みとは】生誕250周年――他の音楽家の創作意欲を失わせるほど、すべてのジャンルにおいて史上最高の傑作を作り上げた、その偉業を振り返る
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ベートーヴェン生誕250年となりいろんな本が出版され、いくつか読んでいるが、この本は同じことを繰り返して書いており、わかりやすかった。またベートーヴェンの死因について詳しく書いてあり、当時の社会の模様を感じさせられた。今も変わらない気はする。
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2020年はベートーヴェン生誕250年でした。
彼が生まれた1770年には、モーツアルトも
ウィーンで活躍し始めているらしく、まさし
くクラッシック音楽の揺籃期と言えるのでし
ょう。
さらにフランス革命も発生しており、その後
に登場したナポレオンを顕彰して作られたと
いう交響曲第3番変ホ長調「英雄」などもあ
り、世界史と切っても切れない関係にありま
す(現在ではナポレオンと「英雄」の関係は
否定されているらしいです)
そんな不世出の作曲家ベートーヴェンの生涯
を綴る一冊です。
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ベートーヴェンの生涯と作品の数々についてだが、特に強調しているのがベートーヴェンが音楽を消費の対象から芸術へと昇華させたこと、そしてクラシック音楽のあらゆるジャンルで後世の作曲家に立ちはだかる至上の傑作を創り出していること。
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ベートーヴェンの入門書。 2020年は、ベートーヴェン生誕250年ということで、様々な行事が行われる予定だったが、コロナの影響で多くがキャンセルされた。 ファンにとっては残念な一年になってしまった。 この本は、ベートーヴェンの生涯と代表的な曲について考察したものであり、ざっくりと知りたい人には良い入門書だと思う。 自分もベートーベンの生涯については 、ロマンロランの本で読んだことはあるが、その後の研究で随分人物像が変わってきたらしい。 バッハやモーツァルトの時代と違って、より自分が作りたい音楽、大衆受けする音楽が求められ、その期待に応えたのがベートーヴェンだった。 この本には、自分が知らなかった事実や考察が簡潔にまとめられていて面白く読めた。 本文中で紹介されている曲は、ぜひ聞いてみたいと思う。
ちなみに初めて聞いたクラシックの生演奏は、ベートーベンの交響曲第3番だった。 九州大学管弦楽団の演奏で、その時のことはよく覚えている。本物の音をワクワクしながら聞いた。 弦楽器で弦が動いて音が出るのを初めて見てとても感動した。
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ベートーヴェンの生涯と作品について、簡潔に書かれた新書。しかし、あまりに簡潔に書かれすぎていて、情報に乏しい。特に作曲の経緯や背景などの情報が弱い。ベートーヴェンを全く知らない人が読めば、そのことには気づかないかもしれないが、ベートーヴェンの生涯を描いた本を何冊か読んだことのある人は、物足りなさを感じることだろう。
本書を読んで、一番驚いたのは、不滅の恋人の正体を”近年、ヨゼフィーネ・ダイム夫人が有力視されている“と書いてあったことだ。
確かに、一時期は不滅の恋人=ヨゼフィーネ説も提唱されたようだが、それは20世紀後半の話で、近年では、アントニーエ・ブレンターノが最有力候補である。今世紀に入って書かれた書物の中では、不滅の恋人=アントニーエ以外は目にしたことがなかったが、2020年の出版物でまさか、ヨゼフィーネ説が出てくるとは思わなかった。著者に何かこだわりがあり、ヨゼフィーネ説を書いたのだとしたら、併せてアントニーエ説も書くべきであった。
ちなみに、不滅の恋人=アントニーエ説は、不滅の恋人研究をライフワークとしていた、青木やよひ氏の著作、「ベートーヴェン・不滅の恋人」などに詳しい。
中野氏の著作は何冊も読んでおり、親しみを感じてはいるが、残念ながら、本書はベートーヴェン入門書としては、ちょっとお勧めしにくい。新たな情報があるわけでもなく、著者独自の視点から新たな見方を提示しているわけでもないので、中級者以上には全くお勧めできない。
89歳という高齢で、これだけの文章を書かれたのは、尊敬に値するが、純粋に本の内容だけを評価した場合は評価が低くなってしまう。