紙の本
サマースクールで過ごす1週間
2023/05/30 15:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
カルトまでは行きませんが、宗教団体に教育された子供たちが主人公です。子供の立場からの目線、親や教育者のエゴ等、様々な問題が含まれていて、面白いです。
紙の本
【あの夏に私達が取り零した記憶の扉が開かれる】
2023/03/25 21:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
カルト的な教育施設に夏の間、親から切り離された少年少女の琥珀のような真実が炙り出される物語。
理想と高尚さを掲げて子供の考察力を鍛える環境を整えたというミライの学校。
聖なる泉やのどかな自然の中で、子供達を外界から隔てて、のびやかに育てるという。
それに感銘を受けた親が自らの子供を預ける。
美辞麗句で語られるだけで見えなかった窮屈さを子供は実際に入ってから知る。
子供の為を思えばの教育、離れて暮らす選択。
大人は理想を語るが、子供達の未来を奪っている事を忘れてはならない。
紙の本
閉じ込めた過去と閉じ込められた未来
2022/03/21 23:47
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さつまいも - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもたちの未来のためにという名目で作られた学校。弁護士である主人公はその施設で起きた事件の弁護士を務めるように頼まれます。主人公自身も関わったことがあるその施設で起こっていたこととは……。
主人公が琥珀のように閉じ込めて忘れられようとしていた過去とそこに囚われて前へ進めない人、そして未来が閉じ込められてしまった子ども。記憶と今が入り混じり1つの事件へ向かい合う主人公たちが描かれます。子どもの未来を大人の手で閉じ込めておくことはできない。期待を裏切るどころか何倍にも楽しませてくれる作品です。
紙の本
一気読み
2021/09/23 08:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めると、先が気になって、一気に読んでしまいました。子ども時代の少女たちの複雑な関係、心境みたいなものが、手に取るように伝わってきて、どこか懐かしいような、痛いような気持ちに…。どうなることかと思いましたが、希望のあるラストの展開で良かった。
紙の本
琥珀に子供を閉じ込める
2021/08/16 07:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
辻村深月さんの作品は期待を裏切らない。
どれも読むと一気に読み続けたくなる。
おもしろいだけではなく、人の痛みに寄り添う優しさ、私たちが直面している辛いものに立ち向かう勇気、そしてミステリー的な面白さ満載。
本作は、子供達の理想の教育を目指す「ミライの学校」が舞台。小学校の夏休みの合宿に参加したノリコは誘われた学校の友達とも一緒にいられず不安な時間を過ごす。
そんなノリコに未来の学校に暮らすミカとシゲルが声をかけて二人の友情が育まれた。
そんなミライの学校の事も忘れていた頃、学校の敷地から子どもの白骨が発見される。
弁護士になっていた法子のもとに白骨で発見された子供は自分の孫ではないか調べて欲しいと依頼がある。
その後は一気読み。
投稿元:
レビューを見る
これは良かった。
過去の話、現在の話のどちらの話にも引き込まれて一気に読んでしまつた。
ミカの未来の姿にも驚いたし、「ミライの学校」の理念に、
恐ろしくなった。一瞬、素敵な素晴らしい理念に感じるのだけど
本当の子供たちの未来のことは考えてなかったのだなと怖くなる。
「その世界でしか生きられないミライ」になんの意味があるのだろうか。
法子やミカの心の葛藤の描写もすばらしく、さすが辻村さんという感じ。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。
ミステリー的な要素はもちろん、自分が小学生だった頃の女の子特有の人間関係を思い出しました。
子供にとって、良い教育とは何だろうか。
ミライの学校の理念は確かに素晴らしいかもしれないが、そこは社会から閉ざされた場所であることには変わりなくて、外の社会にも適応しなくてはいけない。
そこには純粋なものだけじゃなくて、汚いものも醜いものもたくさんある。だけどその中で私たちは生きていくしかない。その現実を子どもにどのように受け止めさせていくのか、難しいけれど私たち大人がちゃんと向き合って考えなければいけないことだと思う。理想を語って子どもたちから隠すのではなく。
投稿元:
レビューを見る
小学生の頃にとある場所で夏休みを過ごしていたノリコ。そこは学校の様なそうではない様な不思議な場所だった。
年月が過ぎ、法子は弁護士としてとある依頼を受ける。それはカルト集団の敷地から子供の白骨が見つかった場所で…
子供が親元から離され集団で過ごす「ミライの学校」は短期の「麓」の子と、そこで生活する内部の子との温度差があり、カルト集団でしか生活した事がないミカと麓のノリコではその後の進路も全く異なり、カルト集団で生活させる親の在り方が浮き彫りになった気がします。
子供故の純粋さが仇となり、それが事件に繋がったのが何とも言えない気分でした。ミカが悪いのではなく、それをさせた大人の所為とは言え、それがカルト集団の怖さなのかと。
美夏と滋は初恋同士で結ばれたけれど、別離の道を歩まざるを得なく残念でしたが、これから少しずつ再構築して欲しいです。
投稿元:
レビューを見る
なかなか重いテーマだったけど、辻村深月は読みやすい。自分の持ってる偏見とか決めつけみたいなのを思い知らされてるようで凹むけど、面白いと感じてしまう。
投稿元:
レビューを見る
もーーーう。
読み終わって、自分が何を思っているのか、バラバラでまとまっていないのが正直なところ。
大人の、歪んだ理想や教育を子どもに押し付けると、後々成長した子どもに多大な影響を与える、ということはまとまった感想といえる。
この作品ではその他にも、育児中の母親の気持ちのリアルなところだったり、家族の形の在り方だったり、様々な要素が入れこまれていて、辻村深月の「繊細な心を汲む器用さ」、それを小説に落とし込む技術の高さが窺える。
著者の作品は殆どをデビュー当時からリアルタイムで読んできたが、初期は青春濃度の高いミステリで子ども達の心の機微を描いてきた印象があるが、『朝が来る』あたりから親と子の関係性、そこで生まれる心のやりとりにシフトして行ったのだと思う。
今作はモチーフが宗教(のようなもの)だったので読む側の心にも重かったが、「大人が子どもに一方的に与えることの影響」という点では相応しい題材だったのではないだろうか。
投稿元:
レビューを見る
子供の頃の色んな気持ちを思い出しました。
ページ数は多いけど、その分色んな事が丁寧に描かれていました。
綺麗事を言う大人…そう思われないようにしないとなと思いました。
みかちゃんとのりこちゃんがこれから良いお友達になれたら良いですね。
投稿元:
レビューを見る
今までよりも少し幼い年代の女の子が中心のお話。
誰、から、どうして、に焦点が変わっていくなかで、家族、とか、大人、とか、世間とか、宗教とか、おそらく親になった立場だから描きたくなったのかな、と。
投稿元:
レビューを見る
よっぽどでなければ子供は自分の親を否定せず、言われた通りにするしかない。宗教のような閉鎖的な環境しか知らない子供の苦しみ、ミライの学校へ合宿として短期参加したノリコが、大人になり弁護士となった時、ミライの学校跡地で女の子の白骨遺体が見つかった事で過去の自分とそこにいた子供達の事を思い出し…。ミステリーとしても心の葛藤の物語としてもとても読み応えがある。出てくる子供がみんなリアルで、大人がいかにこどもという存在を操れる、軽いものだと思っているかを感じてしまう。
投稿元:
レビューを見る
信仰宗教、スクールカースト、女子特有の人間関係、待機児童、育児、男女の働き方、児童養護施設…etc.
いろんなテーマを盛り込みすぎて、空中分解。登場人物にもより添えないし、主人公独自の正義感にさらされて、不完全燃焼。
絞られた物語をストレートに読みたかった。
投稿元:
レビューを見る
小学生の頃の忘れていた思い出が一気によみがえるような作品。
ゾワっとするくらいに、自分の抱いていた感情を思い出した。
前半ゆっくり丁寧に進んだ分、後半は爽快なまでにストーリーが展開する。