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懸命に生きる者たちへのエール
2021/10/13 00:12
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
千石船造りに命を懸けた船大工親子を中心に、彼らとともに夢を追いかける船大工たち、その家族、そして千石船造りを持ち掛けた河村七兵衛(瑞賢)、それぞれの生き方が熱く、清々しく、読んでいて心地よいし、とにかく面白い。
初めて造る船の大きさに失敗や挫折を重ねたり、時代の変化に付いていくことへの葛藤など、様々なことを乗り越え、千石船を造る姿は、現代にも通ずる懸命に生きる者たちへのエールと感じた。
自分も、明日から頑張ろう、と思える作品に出会えて良かったと思った。
今年読んだ本で一番面白かったかもしれない!
2021/08/26 14:59
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投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
千石船を造る船大工の話。ただ造るだけでなく、佐渡海峡を克服することで話が大変になる。何にしても一番大変なのは最初に成し遂げた人達。色々な葛藤があり、苦悩があり、前例の無いことに臆病にもなる。
読んでいて、無情な切ないところや男気溢れる箇所に涙が潤むことが幾度と無くあった。
河村瑞賢がとてもよい味を出していて、その先見性と公平性に心が温かくなった。
男臭い小説ながら、清々しく爽やかで、温かいものが残り、読後感もよい。
アッと言う間に読んでしまい、今年読んだ本で一番面白かったかもしれない!
徳川幕府の海禁政策
2023/07/02 11:19
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
解説で山本一力が書いているように、後継者問題をテーマとした企業経営ものだけではない。人情ものとしての要素や、「和船」をテーマとした文物もの としても読める。各種要素を持つエンタメ小説としてとても面白いが、逆にどの切り口から見ても今ひとつ踏み込み不足の感もある。徳川幕府の海禁政策のため、基本的に脆弱な構造を持つ和船を作り続け、使い続けなければいけなかった江戸時代の船大工と船乗りの悲哀を感じてしまった。
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