『桜風堂夢ものがたり』
2022/01/19 20:36
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山間にある桜野町の小さな本屋 桜風堂書店につながる人たちに起きた不思議な物語
桜風堂店主の孫 透(とおる)が友だちと森の“幽霊屋敷”を探検にいくと
──「秋の階段」
風早の街の銀河堂書店に勤める渚砂(なぎさ)が桜野町に向かう山道を歩いていると
──「子狐の手紙」
など四話収録
その峠では不思議な奇跡が起きるという
会いたかったものに会えるという
2017本屋大賞5位『桜風堂ものがたり』(2016)、完結編『星をつなぐ手』(2018)の番外編として書かれたファンタジー
本と本屋を愛するすべての人に
せつなく くるおしく いとおしい物語
あなたの心の本棚に そっとしまっておきたい一冊
〈世界に平穏な日々が訪れますように。
ただ幸せに、のんびりと、本のページをめくり、物語の世界で心を遊ばせることができる、そんな日々が戻ってきますように。〉──「あとがき」
月刊『文蔵』2020年12月号〜2021年11月号の連載に加筆修正、2022年1月刊
小さな奇跡が織り成す、美しくて、優しくて、力強い物語。 本を愛する全ての人に、読んでもらいたい物語。 そして、その感想を語り尽くし会いたい物語。
2022/02/20 08:05
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
釈迦は法華経。
キリストは聖書。
ムハンマドはコーランを残した。
人々を救うために紡がれた優れた教えも、優れた物語にした弟子達が活字に残すことによって、未来に受け継がれてきた。
学生時代の恩師が教えてくれた。
「大学で一番偉いのは誰か? 教授でも、学長でも、総長でも、創立者でもない。管理人さんだよ」
「例えば、新聞ならどうか。記者でも、カメラマンでも、社長でもない。配達の方々だよ」
この小説は、現場で身体と智慧をフルに毎日使い切る書店員さんたちの物語。
現場で汗を流し、知恵を絞り、本への愛情を注ぎ込んでくれることで、活字文化は継承されてきた。
「宝探しの月原」の異名を持つ、銀河堂書店の月原一整は、ある不幸な事件に巻き込まれ、天職とも言える書店員の職を辞してしまう。
心も身体も病みかけた一整は、ブログでのやり取りを続けていた桜風堂書店への小旅行に出かける。
小さな奇跡が織り成す、美しくて、優しくて、力強い物語。
本を愛する全ての人に、読んでもらいたい物語。
そして、その感想を語り尽くし会いたい物語。
優しいファンタジー
2022/05/01 16:52
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投稿者:よし美由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語の舞台「桜風堂書店」がある桜野町の人々は、移住者を拒まず優しく迎える。傷ついた人たちは町の優しさに癒され、他人にも思いやりをもって接する。
そんな桜野町のちょっと不思議なおとぎ話。
疲れた時に読むと、ホッと癒されます。
「桜風堂ものがたり」の番外編!
2022/02/27 19:40
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
一度は完結した「桜風堂ものがたり」の番外編!主人公(月原一整)のまわりの魅力的なメンバーにスポットが当たる嬉しい一冊です。本編よりもファンタジー色が強いので、リラックスして楽しめますね。寒い冬に呼んで、心がほっこりしました。
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『桜風堂ものがたり』の続編かと思っていたんですが、4篇からなる番外編でした。
桜風堂書店のある桜野町へと続く山道…そこは昔から不思議が起きると、会いたいけれど会えないはずの誰かに会えたりする、と言われていた。
4篇あるそれぞれの主人公は、
桜風堂店主の孫の透、
桜風堂店長・月原一整の元勤め先である銀河堂書店店長の柳田、
一整の元同僚で銀河堂書店店員の渚砂、
そして…
桜風堂ものがたり自体はリアルな書店員のお話なんですが、こちらは「夢ものがたり」とあるように、ほぼほぼファンタジーというか、ちょっと不思議なお話でした。さらに第四話めはSF?も入ってきて、さすがに想定外な話で一回読む手が止まってしまいました。
でもどのものがたりもすべて根底にあるのは村山さんの本と書店に対する愛情で、やさしくあたたかいお話たち。第一話の透が主人公の「秋の怪談」が好きでした。
***
「本を読むとは他人の人生を生きるということだ。(中略)ひとは、一冊本を読むごとに、きっと、その本の分だけ、優しくなれるんだとおじいちゃんは信じている。ひとは本がなければ、ひとりぶんの人生しか生きられず、自分の目だけでしか、世界をとらえることができない。けれど、一冊の本があれば、違う世界を見る眼差しを、違う人生を生きる魂を得ることができる。もし、みんながたくさんの本を手にし、みんなが他の誰かの人生を生き、自分とは違う誰かの目で世界を見ることができたら。ひとは、もっと他の誰かに優しくなれないだろうか。」(20頁)
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桜風堂シリーズの番外編。
ファンタジー要素が強めの短編が4話。
どれも懐かしい気持ちにさせてくれるような温かい作品。
月原さんの登場が少ないのが残念。
まだ物語は続きそうなので、次はたくさん出てきて欲しい。
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読み終わって、やっぱり優しい気持ちになりました。こんな時代でささくれ立った心のトゲが、少しずつ抜けていくような。桜風堂は、本当に心を温めてくれる作品でした。
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ネットギャリーから読ませていただきました。
大好きな桜風堂ものがたりの最新作。
続編ではなく、番外編の立ち位置だそうです。
「夢」がついている通り、桜風堂ものがたりのファンタジーの一面を覗くことができる作品。
ファンタジーといってもね、
村山早紀さんはね、
夢と現実が曖昧になった感じを描くのが本当に本当に素敵なので、ぜひ体験してもらいたい。
コンビニたそがれ堂シリーズも、魔女たちは眠りを守る。も、「本当に、こんな奇跡があるんじゃないだろうか」と、思わせてくれるんです。
ひっそりと渚砂ちゃんの大ファンだったので、彼女視点の一話がとても嬉しくて、大事に、泣きながら読みました。
どこかで、あるかもしれない奇跡を願いながら。
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桜風堂ものがたりが大好きなので、楽しみに読み始めたが、私にとってはファンタジー要素がかなり強く、話についていくのがしんどくて、最後の方は流し読みになった。
ファンタジーが好きな人には好評なのかな。
一整の出番が少なくて残念だった。
脇役の登場人物も好きなので、ファンタジーではなく.仕事に向き合う姿とか読んでみたいな。
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作者も言うように「桜風堂ものがたり」の登場人物のスピンオフであり、ファンタジーである。この本を読む前に「桜風堂」を復習しておくと、より楽しめる。会いたい人に会える、不思議な峠。
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桜風堂ものがたりの、心優しき人たちに起こる不思議なスピンオフ。
それぞれの人にはそれぞれの心の中にそれぞれに小さな物語がある。
誰かに伝えたいけれどもう伝えられない思いもある。そんな小さな思いをそっとくみ上げるような、心にしみる優しい一冊。
注目は柳田六朗太店長迷子になるの章…その姿が目に浮かび、ぼやく声が聞こえるようだ(ニヤニヤ
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山間の町にある小さな書店「桜風堂書店」。店長の月原は、書店を再生しようと奔走している。今回はスピンオフ。月原の関係者が体験した不思議な物語4編を収録している。元桜風堂店主の孫、銀河堂書店店長、銀河堂書店で働く月原の元同僚、桜風堂書店の猫が体験したちょっとホラーでファンタジーな物語。
不思議な物語で、幽霊や生霊といったものが登場するのですが、恐怖感はなく、ファンタジー小説として楽しめました。
作者の村山さんは児童文学分野でのファンタジー小説を多く執筆しているので、得意分野かと思います。
童話を読んでいるような感覚もあったので、そういった要素も含めて、どっちかというと児童向け寄りの小説かなと思いました。
かといって、大人としても全然楽しめました。
ただし、この作品は「桜風堂ものがたり」シリーズのスピンオフなので、何も知らない方にとっては、人物の関係性がなかなか掴めなく、魅力としては半減するかもしれません。
ぜひ、本編の「桜風堂ものがたり」と「星を繋ぐ手」と合わせて読まれた方がグッと楽しめるかと思います。
全4話で、どのエピソードも心が温かくなりましたし、「本」に対する愛情が感じられました。
特に第1話の書店店主が発する言葉が顕著でした。
「本を読むとは他人の人生を生きる」
「一冊本を読むごとに、その本の分だけ優しくなれる」
など心に残るフレーズが多くあって心が穏やかになりました。大人からみたら、偽善っぽい印象も頭の片隅で思ってしまいましたが、童心に帰るような気持ちにもさせてくれるので、癒されました。
誰しも、幼い頃に心に残った本があるかと思います。長い年月が経っているのに今でも残っているのは、冷静に考えると不思議なことです。この作品を通じて、もう一度見てみようかなと思いました。
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第一話 秋の怪談 第二話 夏の迷子 第三話 子狐の手紙
第四話 灯台守 あとがき
桜風堂の見た夢か……桜風堂がある桜野町の見た夢か……
桜野町に住む人たちの見た夢か……
懐かしく温かい夢を垣間見させてもらいました。本当に目にしたのだと思っています。
ありがとう
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桜風堂物語シリーズのスピンオフ的な立ち位置の作品。
もう二度と会えなくなってしまった、会えなくなりそうな大切な人や宝物に出会う物語。山間にある桜野町へいく峠が関係しているのか。
不思議な連作短篇集。
でも今の辛く苦しい世の中で、本当にこんなことがあったら…と思うと、読後、時間が過ぎればすぎるほど、胸がじんわりとしています。
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桜風堂の外伝というか、スピンオフ。
おなじみの登場人物たちが出会う、SF(少し・不思議)風のエピソード。
その現象のカギを握る老人の正体と身の上にはちょっとびっくり。
そこまでガッツリとそういう話を組み込んでくるとは思わなかったので。
賛否両論あるかと思いますが、個人的には好きです。
あとがきにあった、今回はかけなかった物語たちが気になります