紙の本
19世紀のイタリアの作家アレッサンドロ・マンゾーニによって著されたイタリア国民文学とも言われる名著です!
2020/05/20 12:22
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1827年に刊行されたイタリアの作家アレッサンドロ・マンゾーニの長編小説の日本語版です。河出文庫では、上中下3巻シリーズで刊行されており、同書はその上巻です。内容は、コーモ湖畔に住む若者レンツォは、いいなづけルチーアと結婚式を挙げようとするのですが、村の司祭が突然、式の立ち会いを拒みます。臆病な司祭は、美しいルチーアに横恋慕した領主に、式を挙げれば命はないとおどされたののです。二人は密かに村を脱出します。この二人の恋人たちの苦難に満ちた逃避行の行く末は一体、どうなるのでしょうか。続きは、ぜひ、同書をお読みください。
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投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナ禍で話題になっていた書で、尊敬する平川先生の訳ということで読み始めたが、これがとても面白く、読み始めたら止まらない。物語にぐいぐい引き込まれてしまう。
大衆の熱狂の愚かしさというの今も昔も変わらないというか、進歩していないんだなあと思うような描写もある。
平川先生の翻訳は本当に読みやすく、原文のニュアンスを損なうことなく、自然な日本語になっていて、お見事。
まだ上巻しか読んでいないのだが、丸谷才一の解説に、これ以降の展開のネタバレが書いてあって、しかもそれが物語の肝の部分だったので、解説なんか読まなきゃ良かったと思った。編集者もその辺は配慮してほしかった。
作品については文句なしで星五つ。
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長い割に店舗の良さとわかりすい描写
2020/09/05 16:38
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投稿者:えぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
流行に乗って読み始めましたが、訳文がとても読みやすくてすぐ読めました。各人物の話を、メインストーリーの途中ではさまれるのですが、それが不自然でなく、より人物への共感なり、興味なりを引き出されるので面白かったです。
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レッコの生んだイタリア最大の小説家アレッサンドロ・マンゾーニの大恋愛冒険小説。小市民的なワルが多数登場し、1ヶ月かけて楽しく読ませていただきました。
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昨夜からマンゾーニの「いいなづけ」を読み始めた。結婚したい若い2人と、娘に横恋慕する領主。幾多の困難を乗り越え果たして2人は無事結婚式を挙げることができるのか…というのが大筋。まあ、結局は結婚できてハッピーエンドらしいので、後の教養小説のように時間とともに成長する登場人物…ということは、あまりない。そういった小説生成前の平明な(わかりやすい、とか、価値判断の問題は、ここではない)小説の具体例、といえる。
そういう小説、そして、国民国家成立後の歴史小説としては、スコットをその祖として、弟子?にこのマンゾーニ、そして先々月読んだプーシキン、そしてバルザックなどが挙げられるのだろう。 (2009 04/03)
昨日読んだマンゾーニの「いいなづけ」の第8章。小説前半の山場といった感じで、オペラだったら第1幕終了。最後の部分は故郷の村を後にして泣いているヒロインのルチーアの心理描写から、いつのまにか作者マンゾーニの感慨が入ってきている。自分の考えでは、この時代になって自発的であれ仕方なしにであれ、故郷の村を後にする人々が増えた、その人々が自分の村を初めて外側から見た…という近代への移行の瞬間を捕らえた場面ではないかと思う。それが、この上巻の丸谷才一氏の解説では「ナショナリズム」の現れとされているのではないか…と、思う。
直接の関係はないが、一行がコモ湖を渡るこの場面の船頭から、佐倉惣五郎が直訴すると知っていて、それでも渡した船頭のことを思い出す。 (2009 04/08)
さっきまで、「いいなづけ」の第11・12章を読んでいた。これで上巻もあと少し…
今日読んだところは、場所をミラーノに変えてパン屋に対しての民衆の暴動の場面。日本で言えば米騒動。この話の2世紀後(ということになっている)マンゾーニの語りは、かなり冷やか。少なくとも「民衆を愛情込めて描いている」感じではない。ちょっと前にある鼠の生態描写と似た感じ。
そんな中、あの村から逃げてきたレンツォがたどり着くわけだが、一方に故郷のギザギザした山々の形、それと対にミラーノの大聖堂(ドゥォーモ)。この立ち位置にレンツォがすっぽりはまって、また忘れられない場面に。こういうオペラッチックな見通しのよさもイタリア流、といったところか。 (2009 04/15)
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原書名:I promessi sposi
第42回読売文学賞研究・翻訳賞、第26回日本翻訳出版文化賞、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞
著者:アレッサンドロ・マンゾーニ(Manzoni, Alessandro, 1785-1873、イタリア・ミラノ、詩人)
訳者:平川祐弘(1931-、北区、比較文学)
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コロナ禍の今、あまりの話題についに購入。読み始めました。
イタリアの古典と聞いて恐る恐るだったけど、今のところ訳文は比較的読みやすい。
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『ペストの蔓延などで荒廃を極める17世紀ミラーノ
17世紀イタリアの風俗、社会、人間を生き生きとよみがえらせ、小説を読む醍醐味を満喫させてくれる大河ロマン
世界文学の最高傑作』
海外ミステリやSFはちょくちょくつまんでいるものの、文学はからきしの自分が上中下巻ある、イタリア文学に手を出したのは、帯の言葉に煽られて。コロナ禍だし、ペストだし下巻の裏の内容紹介も、なんだか面白そうだし……
村の司祭のアッボンディオは、レンツォとルチーアという二人の若者の結婚式に立ち会うなと脅しを受ける。それは土地を牛耳る領主のロドリーゴが、ルチーアを見初めたためだった。
脅しの翌日、アッボンディオの元にレンツォが訪ねてくるが、アッボンディオは何かと理由をつけ、式を先延ばしにしようとする。不審に思ったレンツォは、アッボンディオの女中であるペルペトゥーアにカマをかけてみるが……
上巻ということで、まだペストや世の中の荒廃といったことは見えてこず。海外作品特有の言い回しであったり、作中の文化が掴みにくかったりとあったので、展開は遅めの印象なのだけど、登場人物のキャラクターの書き方であったり、17世紀のイタリアの風俗や自然の描き方は、たしかに詳細かつ生き生きと描かれているように感じます。
自然の描写では、冒頭のレッコという村の周りの山々や川の様子の描写は雄大で、またレンツォたちがロドリーゴから逃げるため、船に乗り川を往くシーンも美しい。
ここは描写の美しさに加えて、理不尽にも故郷を去らなければいけない、ルチーアの心情表現も相まってより美しくも切なく描かれていたと思います。
文化的な面では飲み屋の描写だったり、パンに値上げに対する暴動が町で起こったりと、そうした人の営みの描写がこちらも秀逸。帯にあった、風俗、社会、人間を生き生きと描いたの言葉は確かに偽りなし。
時に血の気が盛んだったり、正義心を発揮するレンツォも良いキャラのなのだけど、それ以上に印象的な登場人物は聖職者の二人。
アッボンディオに式の立ち会いを断られたレンツォが頼るクリストフォロー神父。このクリストフォロー神父は、ここまでで出てきた登場人物の中でもとくにいい人で、レンツォに代わり、巨大な権力とたくさんの手下を持つロドリーゴに対して、脅しを止めるよう交渉に行ったり、レンツォたちの道筋を示してくれたりしてくれます。
なぜクリストフォロー神父はこんなに人のために尽くすか、ということが作中でも語られるのだけど、ここら辺は海外文学っぽいなあ、と。
普段読まないジャンルの話だから、クリストフォロー神父がなぜ神の道に進んだかの話は、今まで読んだことない文化、風俗にも触れられて面白かった。
そしてもう一人が、修道女のジェルトーデ。ルチーアとその母が逃げた先の修道院にいる彼女の来歴もなかなかに複雑。家の意向で流されるままに修道女になってしまったジェルトーデ。
ずるずると自分の思いを述べるのを先延ばしにし、父親に反抗するのは恐れる彼女は、甘えを感じる反面、不幸を全て周りのせいにしてしまう姿が、自分と通じて���まう部分もあって、何だか嫌いになりきれない、妙に気にかけてしまうキャラでした。
読んでみると、レンツォたちよりも聖職者の二人の方が、過去をしっかりと語られているのだけど、その聖職者の二人も必ずしも聖者というわけでなく、クリストフォロー神父は過去の傷が、ジェルトーデは現在進行形での後悔や不満が描かれていたのが印象的。
こうした聖職者の対比であったり、聖職者の様々な側面を描きつつ、物語に組み込むのもこの時代の文学なのかしら、などと思いつつのんびり中巻へ入ります。
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ちょっとビックリするぐらい翻訳が良い。
セリフの言葉使いまで役者ごとに変えたりして雰囲気が掴めやすい。
ミラノに行く前にマンゾーニを少しばかり調べた。
マンゾーニ家の人々まで読んだ。
同宗教では当たり前になってる事
17世紀のミラノでは当たり前になってる様な事
そういう事を、当たり前ではなく、
知らない人は、分からないだろうが、こういうのは良くある事で……的な感じで、とても細かく楽しく説明が入ってたり。
著者が何処かの古い本を引っ張り出して、それを現代文として説明してる状態なのだが、それがまた面白い。マンゾーニがこう書けよ!という気持ちが伝わる。
タイトルは[いいなずけ]だが、
恋愛ものではなく、17世紀の一般市民、聖職者、マフィア、その手先、それぞれの生活、性質みたいのがとても、リアルに書かれている。
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解説で丸谷氏が論じてた通り、風景描写と登場人物(特に脇役)のバックグラウンドが事細かに描かれているのがすごい。
ストーリーも悪役がしっかり分かりきってるし手の内も分かって、こんな分かりやすい話ないのになんか面白くって読むの止まらなかった
現代版に解釈したらどうなるんだろうなって妄想を膨らませながら読んだ
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480pもの上巻。まだ中・下が残っているので星評価は避ける。話の1/4位までは描写の細かさがまるで何層もある迷路の様で入り難かったが、中盤あたりでそれこそがこの作品の味だと理解したと共にページを捲る手も進んだ。
宗教が中心の世界で貧乏で知識のないことが暗に美徳とされている様はなんだか不快だが当時(17世紀)はこんなものだったのだろうか。
レンツォの良い姿が今の所見られない、というか金で解決できると思っている節があるので寧ろ悪い。明らかにいい女ルチーアに見合うだけの男なのか、今後に期待したい。