紙の本
不安を抱くのは普通のこと
2022/10/14 05:10
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも快感情を持ち続けることや幸福感を維持することが出来ないことは非現実的であることは理解できた。不安というのは、人類の進化を考えれば、脳内アラームであり、それを無くすことは、無防備なることにつながる。安心というのが不安を軽減することであれば、身にかかる世の中のリスクをあえて見ないことにするということだ。また、鬱という心の状態は、防御メカニズムであるから、特殊な病気と考えずに、生活環境を変えながら、時に医療の手を借りればいい。日常的にいろいろなことに不安を覚え、時に気分がふさぎ込むことは、必要なことだ。
紙の本
なるほどと納得出来た
2023/11/05 01:03
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投稿者:A - この投稿者のレビュー一覧を見る
精神疾患に興味があり、以前スマホ脳を読んでタメになったので、ストレス脳も購入しました。人間の進化の過程とスマホの普及が関わるストレスについて、分かりやすく説明されており、納得しました。
アドバイスを実践してみようと思いました。
紙の本
特にメンタルヘルス不調の人は読むことをお勧めしたい
2023/09/11 20:48
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投稿者:あお - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストレスやうつ、不安障害といった精神的不調を表す言葉は今や現代社会ですっかり市民権を得た感があるが、本書では「スマホ脳」同様、人間の脳の進化の過程の見地から精神症状(ここではうつと不安に限定)の起こる仕組み、孤独の危険性、運動の効能などについて考察されている。
重要な点は、「人間は生き延びるよう進化したのであって、恒常的に幸せを感じるようにはそもそもできていないらしい」ということだ。
いつだって幸せを感じていられるということは、欲求というものがなくなってしまうのと同じことで、それを狩猟採集時代に当てはめれば「食糧を探しに行く気をなくす」ことであり、死に直結する。
また、狩猟採集時代から近代までは感染症や飢餓、殺人などで死亡する可能性が圧倒的に高かった。危険に満ち溢れた世界を生き延びて子孫を残すべく、脳は行動を起こさせるために様々な「感情」を作り出す。危険≪かもしれない≫ものに対しても超敏感に察知できるよう「不安」を感じさせ、身体の中で炎症が起こったというシグナルを受け取れば感染防御のために免疫系を賦活化させ、ひいては「抑うつ状態」にさせて引きこもらせるという、行動ベースの免疫をも発動させる。そして「炎症」とは、現代でいうとストレスと肥満、ということになるらしい。
炎症説は抑うつ状態を引き起こす重大な要因の一つであり、それだけとは限らないとはされているが、「スマホ脳」でも同様の内容を読んだ時、「人体とは何と精巧にできていることか」と強い印象を受けた。
必ずしも強いものだけでなく、言ってみれば「逃げるが勝ち」のような精神(?)で生き延びてきた遺伝子もいるわけだ。
そう考えると、過度に不安を感じさせられるのも、記憶に縛られるのも、抑うつ状態で動けないのも、実は「生きよう」とする本能と言えるだろうか。著者も、このように生物学的に考えれば不安やうつはむしろ正常な反応であると述べている。とは言え、日常生活に支障をきたすレベルのうつや不安障害はかなりきつい。特に、不安障害の当事者としては読みながら何度も頷いてしまう場面があった。
でも人間、そうそう簡単にアポトーシスするようにはできていない。
「神経が弱いわけではない、やることをやっている強い脳を持っているのだ」という著者の言葉によって、そんな思いが強くなった。
ここでは幸いというべきか、記憶は脳から取り出される度に変容していくという。よって安全と感じられる環境で言語化し、時間をかけて記憶を変容させていくことで脅威を減らしていける可能性がある。不安時に呼吸を意識することはすでに実践していたので、より自信に繋がった。
そしてうつや不安のリスクとなるのが、孤独。人類は長いこと「協力し合って」生き延びてきたため、現代人の脳でも「集団から追い出される=死」という図式が成立し、長期的なストレスにさらされてしまう。社交欲求を満たすにはバーチャルでなく対面での交流で連帯感の生まれることが重要と述べられている。必ずしもバーチャル自体がダメというわけではないのだろうが、やはり現状ではイン・リアル・ライフには敵わないようだ。
脳は生きるために様々なシステムを兼ね備えたが、残念ながら急速な変化を遂げた現代社会にはついてきていない。途方もないタイムラグの中でバグを起こしながら、今でも我々の身体を動かしてくれている。
最後に、我々は事象を客観的に分析するのではなく、期待と経験を比較するという。
よって実現不可能な「恒常的な幸福」に期待すると現実とのギャップに苦しむ羽目になる。著者は言う、だからこそ逆に、幸せは追求しないこと、と。
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スマホ脳→最強脳からの本書。
不安やうつは、自分たちが生物だという見地から考えると自己防衛のための当たり前のシステム。ということをわかりやすく解説されてます。
そして運動がそのリスクを下げる、心の健康を守る、というのは彼の本で何度も言われてきている事。読むたび走ろう!スマホやめよう!と思います。
あと、幸せとは自分が生きる意義を持っていられる状態、というのがストンとお腹に落ちました。人が孤独に耐えられない理由も、サバンナ時代を思えば至極まっとう。今いろいろ人が抱える不安や悩みの理由を脳という観点からみると明らかになることがたくさんあります。そっかー!そして、運動しよう!しよう!
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この本を読んだことで、「うつや不安は仕方がない」ということが理論的にわかり、心が軽くなった。
仕方がない上でどのようにしたら良いのかまで、素人にもわかりやすく書かれているのが良かった。
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人間の進化の過程の考察から、うつや不安を予防するには運動と孤独にならないことが大事ということが説明されていた。
本書の中で特に興味深かったのは『幸せになるためには幸せを無視することだと思う』と書かれていたこと。幸せになりたいとつい思ってしまうが、常に最高の気分でいるなんてありえないと書かれてありすごく心が楽になった。
幸せはゴールに到達した時ではなく、ゴール(人生で重要なもの)に向かって一歩一歩近づいている時ということにも納得した。
また隣の人と比較した時に幸せかどうかを感じてしまうとも書かれてあり、SNSを見て他人の情報に触れることは他人と比較することにつながり、それは常に幸せを考えてしまう思考に繋がっているのだと思った。
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★幸せになるために最大限の努力をしたいなら、いちばん重要なのは「幸せを無視すること」だと思う★
ストレスや孤独を感じるのは、それぞれの個人によって分野や時期、限界などの要素によって異なるが、人間というくくりでみたときにどうストレスが影響するのかを述べている。
狩猟や農耕時代からつい最近まで、人間は生き延びることが最重要目標であったため、不安やパニックは必要不可欠であった。人間の脳は何世紀という長い時間をかけて時代に適応し変化するため、現代に脳が適応出来ていない状況。不安を感じるのは人間としての反応。
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前著の「スマホ脳」がとてもよかったので、読んでみた。
現代社会は物質的に恵まれ、ほとんど生命の危機にもさらされていないのに、なぜ精神状態が悪い人、うつの人が増えているのか、その状況から脱するにはどうすればいいのか、という内容。
人間の本能は命を守るということなので、身体の反応はすべて自分の生命を守るための脳の反応で、正常に機能しているということ。
人間は協力し合ってきたから生き残れたので、「孤独」がリスクということだが、人と関わることの方が肉体的な意味でも精神的意味でもリスクとも言えるのではないだろうか?
「運動」もうつのリスクを下げるとのことだが、精神的な面だけでなく、身体的な面でも「運動」が大事なのはそれはそうだが、「運動」がストレスになる人もいると思う。
「幸せになろうと考えてはいけない。幸せとは意義を感じられることに没頭したときに得られる副産物なのだ。」
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鬱などの症状は体の機能が正確に動かなくなった結果だと考えていた。
ただそうではなく体の機能が正常に動きすぎているが故の症状なのだと分かった。
脳は2万年前から大きく変化をしておらず、脳の第一優先は生存し子孫を残すこと。
そのため充実して幸福感を味わって生きることではないと言うことが一番衝撃的だった。
ここ近年の自分探しや、やりたいこと探しもこの脳と思考のギャップにモヤモヤしている人が多いからこそなのではないかと思った。
その部分を理解できると危機的な状況になったときに、脳が本能的に感じる事を思考として客観的に理解ができるため自分の行動を最適が出来るように感じる。
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ジャンル:自己啓発・マインド サイエンス 健康・フィットネス
出版社:新潮社
定価:1,100円(税込)
出版日:2022年07月20日
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アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)
1974年スウェーデン生まれ、精神科医、経営学修士
現在は病院勤務の傍らメディア活動を続け、『スマホ脳』が世界的ベストセラーに
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flier要約
https://www.flierinc.com/summary/3079
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鬱という症状が出るのはごく当たり前だということ、
また鬱になるのは大きなストレスをかかえている時もあれば、ストレスを抱えながらも事を終えてから発症するということもあることを知った。
読みやすかったので再読したい。
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スマホ脳に続き、興味深く読むことができた。
脳科学の知見から、鬱やストレス、孤独、幸せについて理解を深めることができた。
納得できることが多々あるので、一読をお勧めする。
----以下、読書メモ----
人間(脳)は、1万年変わっていない。
「運動」と「仲間と過ごすこと」が重要。
p.36 脳の任務は、生き延びて遺伝子を残すこと。
p.38 人間のように群れで生きる動物は、それぞれ違う必要がある。
p.109 感情とは行動を制御するために存在する。
p.122 孤独感は主観。孤独だと感じるなら孤独。
p.127 脳は他人が自分に対して否定的である兆候に非常に敏感。
p.138 健康に歳を重ねるには、人間関係。何かあった時に誰かがいてくれるという認識が大事。
p.176 最終的に気分の落ち込みから守ってくれるのは歩数(運動)。
p.216 人間は精神的に元気に生きられるようには進化しなかった。
p.230 人生の一時期に大きな不安を感じたからといって、一生そうではない。
p.235 自分の期待と経験を比較するようになっている。これが幸せのもと。だから幸せを追い求めない方がいい。他人と比較した結果でもある。
p.240 幸せとは独立したゴールではなく、状況の一部。
p.241 地球上で最も優勢な動物になったのは、強かったのではなく、賢かったのではなく、協力するのが得意だから。そのため、孤独にも苦しむ。
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感想
先祖に必要だった機能と現代人に必要な機能は異なる。ストレスは必要悪だと言われるが、過重なストレスは回避したい。脳の負担を軽減する方法論。
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人の脳は幸せを継続できるようにはできていない。
うつなどになるのは、脳の正常な反応。
生活様式が著しく変化した時代に脳は追いついていない。
とにかく動く、体を動かす、それに尽きると思った。
バスや車ばかりに乗っていないで、歩いて自転車に乗って、そんな生活を少し心がけたい。
それが抑うつ剤よりも効果があるとわかった。
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人が不安になったり、うつ状態になるのは、進化の観点から見れば当然であり、正常なことである。「自分と他人を比べてしまう」のも、「あればあるだけ食べてしまう」のも、「できるかぎり動きたくない」のも、同様に正常。
問題は、こうした脳と身体の特性が、現代の生活スタイルに適合していないことである。では、どうすべきか?
現代人のメンタルの問題ついて、世界の調査研究や著者自身の精神科医としての経験をもとに、進化という観点でまとめ上げ、新たなとらえ方、立ち向かい方を提示してくれる。
個人的には、もともと人間「一生物として見る」というアプローチが好きなので、どのトピックも面白く読み、付箋だらけになってしまった。あとがきに要点がまとめてあり、将来的に復習するときに使えそう。
「ストレス脳」という書名には商業的な胡散臭さを感じないでもないが、中身は誠実に書かれているように思う(紹介されている個々の研究の出典を明示されていないのが残念ではあるが)。他の著作(「スマホ脳」「最強脳」「運動脳」)も読んでみたい。
また、本書が気に入った方には、少し古くはなるが、レイティ&マニング著「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」(NHK出版)もお薦めしたい。
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スマホ脳、最強脳に続き今度はストレス脳。ストレスや不安が多く悩んでいる人はぜひ読んでほしい一冊。うつや引きこもりになるのは狩猟採集時代からの人間の防御メカニズムで正常なことだと理解できると少し気持ちが楽になるかもしれないと思いました。
ストレス脳や最強脳でもとにかく訴えていたのは、「運動」すること。それは昔からの言われているのでほとんどの人が分かってはいるはず。だけど我が子を例に挙げると、体育嫌い、文化部、スマホ使いすぎ…。若い子にいくら「運動は大事!」と言っても運動好きな子じゃないとやらないよね〜。
と色々考えながら読んだけれど、とにかく今我々が生きているのは祖先様が死なずに生き延びてきたからなので、私たちもストレス社会と上手く付き合って生き延びよう!