紙の本
この作品で加藤シゲアキさんを知ることができて良かった
2023/08/23 19:59
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
(いつもと違う環境に身を置く的な意味での)旅をテーマにしたエッセイ集。逆張りオタク的思考であえて避けてきた加藤シゲアキさんの著作だったんだけど、謙虚さと誠実さがよく表れてる良いエッセイだった。朝吹真理子さんのも解説でその点に注目してる。物書きの思考だと旅の中で起きた面白いことを軸にして書きたくなるものだけど、著者はその章で取り扱う場所・他者・引用する言葉に敬意を払ってるからこそ、"自分"を軸に置くことをせず、一歩引いた書きぶりがブレない。それでいてそっけなくない温かい文章が書けるのはある意味、独特な才能だと思う。
あと、合間に収録されてる南京錠を題材にした4編のショートストーリーも程良いボリュームで、かつ短編小説として面白い。最終章の「未定」はエッセイと思わせておいて創作に切り替わるシームレスな作品で、このエッセイ集を締めくくる文章としてこれ以上のプロットはないのではと思わせる美しさだった。
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ジャニーズだからと敬遠せずに読んで欲しい。お洒落すぎる言い回しもあるけれど、知識の広さや伏線回収がすごい。
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旅を主軸としたエッセイ集。「Trip 12 無心」が最も印象的だった。周囲の評価に囚われず、己の内のみに焦点をあて、やがて己からも離れて無心になるという、「境地」を目指す話。なんとなく『走れメロス』を思い出す。ここでいう「境地」に近い感覚は、学生時代に何度か経験した気がする。時間が比較的ゆっくりあったから、今より思考が深くて、精神が成熟していたのかも。
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加藤さんの小説を読んで面白かったのでエッセイも読んでみたいと思い手に取りました。
読んでいると、旅をしている気分になりました♪
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時間も場所も旅できるエッセイとショートストーリー。
旅のお供にしたいと思える1冊。
ジャニーズ好きでなくても、オススメです!
旅先がキューバから始まり、場所は大阪・岡山・ニューヨーク・スリランカにパリ。
間で学生時代の思い出や趣味である釣りの事、亡くなったお祖父様やジャニーさんとの思い出。
著者の体験を基に、場所も時空も旅できました。
ショートストーリーは心が温かくなるような話で、ちょうど良い。
なかなか気軽に旅行しにくくなってしまったので、旅行気分が味わえました。
少々、頭でっかちな著者が相棒になりますが(笑)
いつか旅行に行く時は、一緒に連れて行こうと思います。
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震災の時、悲しい映像の中ふと流れた楽曲に目を見張って、それ以来某事務所ウォッチャーの私。
NEWSは仕事がキツかった頃にハマって(励まし系の曲が本当に染みる)、最近は若手に浮気していましたが、友人から回ってきた新譜の、なんとも大人の色気が滲み出たシゲの歌声に驚いていたところでした。
あの事務所の子たちは(どの芸能人もそうなんでしょうが)表の華やかな顔ばかり存分に見せて裏の努力はちっとも見せない。
そんな中、事後とはいえ文章で少なからずその時の葛藤を吐露できるシゲの存在は貴重だと思います。
しかも10年磨いてきたテクニックと語彙と構成力がどんどん増してて(自我はほどけてきた感じ)、旅エッセイとしても、読み物としても面白い。
著作全部読んでるけど、一作出るたびに読み応えが増している気がします。
表紙の表紙も本人が撮ったものだとか。
真ん中の写真、なんとなく岡山な気がする。
事務所の中ではかなりクセツヨ枠の彼。
なんだかんだ言っても、ずーっとチェックしちゃうんだろうな。
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『ピンクとグレー』を読んで加藤シゲアキさんに興味を持ち、このエッセイを手に取った。
繊細な感性を持った方だなと感じた。
あと、どこか俯瞰して自分を見ているというか…。
メキシコやスリランカへの旅、ジャーニーさんやおじいさんのこと。加藤さんの人との距離感、不器用だけれどどこか美しい文章に好感が持てた。
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まず読みながら思ったのは、芸能人っていうのはやっぱり雲の上の存在なんだな、ってこと。
フレンドリーで庶民派に見せてるような人でも(加藤氏がそうだというわけではない)上流階級の人なんだなぁ、って。
でもその生活の余裕から生み出されたもので私は楽しませてもらっているのだから、文句や愚痴を言う気は全くない。ただ、そりゃそうだよな、という気持ちなだけ。
電車賃200円を節約して2駅歩いて移動した日に読んだこの本は、なんかしみた。
スリランカに行ってみたくなった。
とても読みやすいエッセイだった。
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旅と読書と、歩いていく道。
憧れの地への旅、たどってきた地への思い、人生の師の言葉。記されたその時の気持ちは、芸能人と作家の二足の草鞋を履く著者の等身大の像を描いている。生前に知ることがなかった祖父や芸能界に導いた社長に思いを馳せる章が印象的。
旅は空間を超え、読書は時間を超える。コロナ禍で移動を控えていたけれど、また旅に出られるようになった。読書だけでなく、旅に出よう。自分の感受性を磨くために。
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加藤シゲアキが作家業もしているとしったのは、たしか又吉が芥川賞をとった時に作家兼業タレントの対談だったか鼎談だったかでテレビ番組をみた時だったと思う。
それは記憶に残っていたのだが、最近まで作品はまったく見ていなかった。
図書館を愛用するようになって、読もうと思ったがいきなり長編の作品を読むのはハズレだったらいやだなと思いネットでの評価もそれなりに良く、読みやすそうな本作にした。が、市立図書館になかったのでリクエストで入れて頂いた。
印象に残ったのは他の方もよく書かれているが、おじいさんの話とジャニーさんの話だ。もうひとつ自分としては渋谷の話が印象的かつ良い話だったと思う。筆者は自分に近しい何か(または誰か)に対する思いが、文章に出てると感じた。その他の旅先の話は悪くは無いのだが印象に薄い。
まあ本作を読んで、他の作品を読んで見てもいいなと感じる。
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私が読んだのは単行本の方なので、単行本の感想を。
旅行した国や都市での体験や見聞だけではなく、学校へ行く意味を考えた「小学校」や、趣味の釣りから得た学びが綴られている「釣行」「無心」など、人生を旅になぞらえたようなテーマもあり、加藤さんの人生哲学を読んでいるよう。そのせいか本書をよんでも、あまり「旅をしたい」という気にはならなかった。
エッセイの合間には3つの短編小説が掲載されているが、私は「がまし」が一番好きだった。
物語の終盤に、老夫婦がパリにある愛の聖地で、日本語のメッセージ入り南京錠が外れかかっているのを見つける。それを見た二人が南京錠に、すごくおちゃめで粋なことをしちゃうんだけど、読んでいるとこちらまであたたかく優しい気持ちになれる。
加藤さんの小説っていいなーと改めて実感した。
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チームNEWS歴17年.
共に歩んできたからこそシゲ、いやシゲアキ先生の心の内を文字としてわかって嬉しかった。
いつも俯瞰的にNEWSを見てる、どこかでネジ落としてお茶目なシゲだけど、どっか距離を感じてて……好きだけど大好きなんだけど、言葉で言えない距離間というか見えない壁がある。少しでも理解できればなー〜なんて思ってた(ファン心)、ちょっと近づけたかな。UR not alone
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加藤シゲアキ君のエッセイ。
釣りが好きなことを知りました。
大野君との24時間釣り旅が面白かったです。
『がまし』のエピソードはとても素敵でした。
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加藤シゲアキの初のエッセイで旅先での感じたことなどを書いている。個人的には不登校の小学生に対して感じた自身の見解を綴った「小学校」、自身の所属する社長の最期について触れた「浄土」が印象に残っている。昨今、小中高での不登校の数が増加しているとのニュースを目にするが加藤氏はいじめなどで心身に危機が及ぶ場合には無理して通う必要はないが学び方を学ぶために行った方がいいとしている。学校などの集団生活では授業では得ることのできない大きな学びや不条理な経験があり、それらを経験しておくとその後の人生がいくらかたくましくなると述べている。その中で「人生はいつだって何回だってスタートできる。けれど、自分より前に多くの人がスタートしている。そしてその多くの人と並んだり、追い越したりするためにはら生半可な勉強では追いつけないことだけは覚悟しておくべきだ」と表記しており若い頃から学業と芸能の世界を両立して生半可ではない努力をしてきた加藤氏の言葉には説得力があった。