紙の本
さいはて
2023/08/23 01:23
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方にある一軒の平屋。
なぜか何かから逃げてきた人がたどり着く家。
「はねつき」
「ゆすらうめ」
「ひかり」
「ままごと」
「かざあな」
全5編収録。
とくに4話目のままごとが印象に残った。
この話は女性作家ならではの視座だなーと感じたのだけれど、
5話目のかざあなは視点が男性側にあってそれも臨場感があったので
少し感動。
紙の本
逃げることは間違っているのだろうか。
2023/02/19 18:20
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表には裏があるのが当然ではないか。同じように教育を受ける権利があるのに、こんなにも違う人間がたくさん育つ。うまく言葉にできない人もいる。できないばかりでは辛いから、辛い先にはほんの少しの和みの空間があって、それを許してくれる世の中になっていきたい。誰もが、ふと流してしまう、目を逸らしてしまう出来事を、彩瀬さんがまた、私の前にどんと見せつけてくる。
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
この家に(結果的には)逃げてきた人たちが、少しでも安らげる場所であったのなら。
ままならないものを抱えていた人々の、その後はほとんど明記されない、けれど彼ら彼女らはきっと何かをあの家に残して、来たときよりは明るい気持ちで去っていったと思いたい。そんな内容でした。
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ひとつの家を舞台にした、少しホラー強めの短編集。なかでも、はねつきは暴力性とホラーと美しさとが同居していて、のめり込んだ。
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綺麗な装丁からは想像ができない程
重くて切ない短編集でした。
一つ一つが深くて読み応えがありました。
「ままごと」が比較的読みやすく、共感できた。
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これはこれで いやいややっぱり好きでは無いな、やがて海へと続くを読んでから追い求めていたから尚更だった。明と暗の暗しかないから、再生もなかった筈だよ、ラストの当たり前に会社を敬い当たり前に会社人間で世の中1番大事な奥さん子供に2か月会わず嫌だけど仕方ない週2回の飲み会に参加するとか 考えられない 大家が逃げてよかったと言うけどあの家こそ逃げないとダメだって事 ほぼ犯罪でとりわけ宗教が嫌だよ、身近にあるから尚更嫌だよ、何であんなのが存在するの
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「ぼんやりとしていた頃よりも『あ、こういうことだ』とわかった後の方が、嬉しいとか悲しいとかが強くなり、感情が大げさになる。それがいいのか悪いのかはわからない。」p19
「扇風機の三枚羽根が、質量のある真夏の空気をかき混ぜている。」p169
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何となくやだ、何となく違和感、何となく…説明出来ない、言葉に出来ない感情を心に届く言葉で表現してくれる作家さんです。様々な理由から行き着く「さいはての家」そこにあるのは希望?絶望?未来?
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何かに行き詰まった人が流れ着いてくるある家が舞台の連作短編集。
終わりの空気感を描くのが本当にうまい作家さんだなぁ。誰もが持つ自分の内側の暗い部分が丁寧に描かれてざわざわした。
あと、たびたび出てくる場面の庭からの光が入ってきたときの描写がすごい。頭に映像として浮かぶのは文章力がすごいからなんだろうな。
時系列に並んでると思ったらそうじゃなかった。
「ままごと」が一番すき。
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綾瀨まる先生らしい,雰囲気のある5編からなる短編集.すべてハッピーエンドとはならないモヤっとした終わり方だけど,そこがいい.
はねつき:結局.ずるい男だったというお話.
ゆすらうめ:後日談を想像してしまう.清吾はどう感じたのだろう.
ひかり:そんな便利な能力があればいいのだろうけど,すべては老女の勘違い・思い込みだったのだろうか.
ままごと:朔ちゃんはまだ大学生なのだから,悲観することはない.これからだんだん見分けられるようになっていくよ.
かざあな:「背中で~泣いてる~,お~とこの~美~学」なんてものを勘違いしていると病気になるという話(ちょっとちがうか?).
「ゆすらうめ」と「かざあな」が好きかな.
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初読み作家。5話連作短篇集。
古い借家には、安住の地を求め、ワケありの人たちが移り住んでくる。
家庭がある年上の常連客と駆け落ちした女。新興宗教の元教祖など。
話始めは明るい兆しを感じるが、読み進めると胸がざわつき、落ち着かなくなってくる。
その家には、今までフタをして直視してこなかった本来の自分を、浮き彫りにする魔物が住んでいるのかも⁈
大家さんや、隣の高齢者ホーム、不動産屋の真っ当さと明朗さとの対比がおもしろい。南向きの明るい庭が、逃げてきた現実と向き合う光となっているように感じた。『ままごと』が1番好み♡
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人生が谷間に落ちた人達がたまたま出会うのがこの家で、山まで這い蹲るきっかけを与えてくれるのもこの家なんだな
私も逃げたくなった時の居場所が欲しい
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色々な事に行き詰まった人達が何故か住み着く古い借家。理由があり逃げてここに来るのだ。不思議な少し暗い連作の短編集。それぞれ違う内容だが、何かから逃げている。この借家にひと時を過ごし又、去って行く。不思議なストーリー。
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全て同じ老人ホームに隣接した家の話で、さらにそれぞれ何かから逃げてきた住人の話。
最初の話は哲学的な導入であったのだが、そのまま進んでいくのかと思いきや徐々に不穏な空気でフェイドアウトしていく。そしてその不穏な空気感がどこか癖になってしまう、彩瀬まるワールドとも言うべき世界観。その後の話も、どこか不穏な空気をはらみつつ、最終的には住人の色々な感情、狂気・悲哀・絶望・ほんのわずかな希望をその家に置いて、住人たちは去っていく。
実に不思議な世界観であったが、あっという間に読み終わっていた。
これを読んでいる最中は、ずっとショパンの「雨だれ」が頭の中に流れていた。穏やかな日常に、時々訪れる不穏な空気や恐怖がリンクしていてBGMとしては大変よかった。
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さいはての家ってもうこの先行くところがないってことなのかな。そのくらい、追い詰められた人たちがやって来る。不倫も逃亡も、何かから逃げてきた人たちは、肩身が狭い。
確かに共感できる人たちではなかったけどこういう人、寂しい人苦しい人たちがいるんだなと思った。
ここに逃げてきた人たちは“次“はどこに行き、どうなったんだろうと気になった。幸せになったのか、それとも・・・。