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何とも言えない読後感。ここっ?というところで物語が終わる。全ての女性の名前が出てくる一方で、全ての男性の名前が出てこない。それを違和感なく読ませる作家の凄さ。
日本は変わってきたとは思うけれど、まだまだ変われていない部分も大きい。自分の心の中も含めて。
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この物語は文学的に筆致を凝らしたものでもなければ、大きな山場やスカッとする結末があるものでもない。かと言ってノンフィクションでもない。それでも私たち女性の感情を揺さぶり、リアルな物語として受け入れられるのは、私たちが日々埃のように微かな差別を経験し続けていたからではないか。妊娠・出産・子育てという「産む性」だからこそぶつかる壁、無言で押し付けられる「こうあるべき」という女性像。もちろん、女性だからこそ男性より優遇される場合もある(と言っても映画のレディースデイしか思いつかないが。個人的にはレディースデイの男性版もあって良いものだと思う)しかし、この日本において「女に産まれてよかった」と心から言える人は何割ほどだろう? この物語の舞台である韓国は徴兵制や儒教文化の強い国という点が日本と異なり、よりこの問題を複雑にしている。しかし、どんな社会であれ男性と女性がそれぞれ対立し、分断されることはあってはならない。私たちはそんなことなど望んでいない。男女も、またLGBTQといういわるゆる性的マイノリティと呼ばれる方々も、互いの立場を考え、最善を尽くすしかないのだ。この本が多くの読者に読まれることで、それぞれの意識を変えるきっかけとなることを願ってやまない。
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キム・ジヨンは、25歳の私が、私たちの一部が恐れている未来だ。綺麗事ですませてはいけない。母親には母親の人生がある。
オ・ミスクは、たくさんの私たちの母親の姿だ。
彼女たちが能力を存分に発揮できた世の中なら、世界はもっと良くなっていただろうに。
男に属性しか与えない強烈なミラーリング。違和感を感じたなら声を上げていこう。
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尖ったフェミニズム文学かと思ったけど、一つ一つは誇張なんかなくよくある女性の出来事なんだよね。「1982年生まれ、藤沢茜」とか、同時代の架空の女性で各国で小説を作って欲しい。
「彼女の犠牲は、熟慮を重ねて覚悟を決めて、自分で選んだものではなかった。そのような犠牲への後悔と恨みは深く、長く、結局そのわだかまりが親戚づきあいを壊してしまった。」
「母性愛は宗教なんだろうか。天国は母性愛を信じる者のそばにあるのか。」
「加害者が小さなものを一つでも失うことを恐れて戦々恐々としている間に、被害者はすべてを失う覚悟をしなくてはならないのだ。」
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韓国の女性の立場の厳しさを知ることができた。
日本だって昔よりは改善されてきたとは思うけれど、共感できるところがいっぱいあった。
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う、うわさに違わぬ、というより、うわさ以上の共感度合いと、ひどい!という感情が湧き起こってくる本でした……。
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女性の一生の生きづらさがキムジヨンの一人の人物に詰まっている。こんな思いをしたなと思ったこともあれば、韓国の方が差がひどいなと驚いたこともある。
今はいろいろ性差の差別に対する配慮はされるが、男女の期待のされ方の差に驚くことがある。そんなことは思っても言えないから、こうした本があることが慰めにもなる。
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82年生まれではないし、結婚していないし子供もいない。しかしキム・ジヨン氏が「壊れる」までに至る人生で彼女が経験してきたことは、自分にも身に覚えのあるものが多少あった。幼少期に男子にいじめられたのも自分のせいだと思い込んでいたが、それは思い込まされてきたと気づくし「女のくせに」と言われてきたことが決して自分が悪いことではないと思い直せる。フェミニズムについて誤解してきたと思うなら、この本がいいテキストになる。身近な男性にも読んでもらいたいけど、さてさて。
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もっと衝撃的な内容かと思ったら、割と淡々と話は進む。その分リアリティがある。華やかなエンタメの印象が強い韓国だが、女性を取り巻く環境はかなり前世代的で驚いた。
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以前から気になっていた一冊
文庫になったので読みました。
韓国映画のように作り込まれたエンタメ系かなと想像していたけれど、淡々と進む話しなのに、やめられず、一気読みでした。
82年生まれのキム、ジヨン氏の産みの母親
オ、ミスク氏は年代としては2〜30年しか離れていないのに、絶対男の子を産まねばと、何の疑問も持たずに思い込み、ひとりで子育て、家事、アルバイト…と精を出す。
父は公務員。
どこの家でも女の子は必要とされず、男の子ばかり望まれた結果、90年代初頭(韓国の男の子達はあぶれて結婚出来なくなる)と言われた。
フェミニズムの小説である。
そしてミソジニー(女性嫌悪)と云うらしいけれど、
徴兵制義務付けの為、「女は軍隊にも行かない、デート費用も出さない…」
被害者意識からなのか?
キム・ジヨン 33歳で精神科を訪れるとこるから
始まる。
かなり衝撃的で今までの自分の事、しばらく考えてしまった。
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国は違えど、共感できる箇所が多数ある。
先日、病に倒れた祖父の見舞いへ駆けつけたところ「なんだ、お前か」とぼやいた。そして、しきりに私の弟に会いたいと言う。やるせ無い気持ちになった。
明々後日、私の弟へ、この本をプレゼントするつもりだ。何気ない言動が刃になっていないか。考える良い機会だと思う。
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本書は、女性への差別や不平等を解消し、男女同権・女性解放を主張する、いわゆるフェミニズムがテーマになっています。
韓国が抱える社会の女性差別問題がよくわかったと言うよりは、実際に日本でも多くの同様の事実があった、いや今もあることを思い起こし、対岸の火事ではないと、その重大さを突き付けられます。
キム・ジヨン氏(韓国で82年生まれの最も多い女性名)、33歳。彼女が精神を病んだ描写から物語は始まります。そこから時計が巻き戻され、彼女の誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児までの半生が克明に回顧されますが、社会の中に当たり前のように潜む女性の困難や差別が淡々と描かれます。
こうした社会構造・抑圧が、韓国の自国女性のみならず、日本も含め今を生きる多くの女性たちの共感を生み、当事者意識をもたせたのでしょう。男性こそ読むべき一冊と言えるでしょう。
ありふれた名前、表紙イラストの顔のない女性、普通の家庭環境など、ごく普通の女性を主人公に設定したことも女性の支持を集め、社会の潮目が変わるきっかけのひとつになったのでは、と思えます。
直近に読んだ『ゴリラ裁判の日』で「人権」について考えさせられ、本書では「女性の権利」を見つめ直す契機となりました。
当たり前がまかり通っている社会構造・通念の危うさをクローズアップし、多くの人が声を上げる機会が増え、真っ当に議論が進んでいく社会になることを、ささやかに痛切に祈念しました。
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女性であるキム・ジョン氏が受けた差別が淡々と描かれています。キム氏の考えは至極真っ当で
しっかりしているから精神を病んでしまったのかな。幸せになってほしいです。
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本当に久々の読書。結構前から話題になってたのは知っていたので手に取った。
韓国と日本では背景に違いはあれど、読んでいて「わかる」となることばかり。自分とは世代も違うのに、根本での社会の進化ってほとんど感じられないなと残念には思いつつ、淡々とした文体でどんどん読み進められるので暗い気持ちにはならない絶妙なフェミニズム文学。会社のおじさんに配って歩きたい。最後の一文に「この医者なんもわかってねーな!!!?」って投げ出したくなるのもまた一興という感じで個人的にはわりと好きな終わり方でした。
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ジヨンさんはジヨンさん。でも彼女は私の一部だし、自分の性質を理由に窮屈な思いをしている他の人たちの一部でもある。
韓国という違う国の話だけど、日本でも同じように感じる。きっと他の国でも同じかも。時代が違うだけで。