紙の本
隣の国を思う
2023/10/13 11:02
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きな詩人によるエッセイは、隣国の言葉ハングルを学び、韓の国を訪ね、日本が以前に犯したあらゆる意味の簒奪を振り返り、そして少しでも人として知ろうという意欲に溢れている。韓の国の言葉が古くに日本に入り定着した言葉が多いことに驚き、それを自分が普通に耳にしていたと気づく。しかし、ハングルの発音の中にある激音は、私の耳にはきつく感じられ、やはり馴染めないと思う。1980年代に書かれたこの詩人の文章から、するりと隣国の人々と交流を深めたい希望が、さわやかに伝わる。
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韓国人の友達がいて、韓国に何度も遊びに行って、韓国が好きな自分が、韓国語を話せないことが急に情けなくなった。これから、少しずつ勉強して、韓国語で友達と話したい、とこの本を読んで改めて思った。
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近年稀にみるハイライトつけまくり大賞(笑)
詩人の方だから当然ながら、読みやすくて。軽快で。言葉を大切にしてて。
ハングルではないけど、同じように大人になってから語学を習う身としては共感の嵐だし。ちょっと韓国上げ過ぎるかなぁなんて思う個所もあるけど、語学はまぁ愛なので(笑)それもわかる。
そもそも、この本が出版された頃はほとんど学習者のいなかった言葉が、今や大人気言語に。今の本屋のハングルコーナーを茨木さんが見たらさぞ驚くだろうな〜。そもそも、この本だって、30年の時を経てこうして、電子書籍化されたこともきっとK-popブーム韓国ドラマブームからの韓国学習者の増加に伴うものだろうし。特にハングルへの思いがなくても、この本を読んでると、謎に胸が熱くなってしまう。
何より一昔前の韓国の様子を知れるのもとってもよくて。日韓の歴史に心を痛めたり。尹 東柱の詩には不覚にも涙が出そうになった。
個人的には韓国語に興味がある人には是非オススメしたいし、ハングルアレルギーさえなければ語学やアジアに興味がある人にもおすすめ。
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「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」
著書のこの言葉通り、韓国語の森に自分の力で深部まで分け入った彼女の、語学について綴ったエッセイ。
「その美術を愛しながら、同時にそれらの人々が、作者たる民族に対して冷淡なのに驚かされる。」
柳宗悦の言葉にもハッとさせられた。
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茨木のり子さんは、有名な詩人ですが、散文も優れていると思っています。この本は、夫と死別後に習い始めたハングルへの旅、ハングルとの旅を綴るもの。紀行文にもなっていて、茨木のり子さんは、とても魅力的で、興味深い人だったのだろうとしみじみ思える名著ですね。言葉は学ぶに値する、人生は、言葉をつかって生きるに値するということを実感できる。