紙の本
ファンタジーすぎて
2023/08/07 12:10
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
妖が見える絵師、土佐光信。面白そうだったのですが、ちょっとファンタジーすぎて途中で飽きてしまいました。絵師と友人との男の友情は良かったです。応仁の乱の話なのでややこしいというのもありました。
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妖天/慟天/炎天
絵師 土佐光信
彼は目標に向かって怒涛のように突き進む のではない
目指すものはありそうだけれど それほど粘り強くもない
ように見える
ほぼ冷静に淡々と歩んでいる 気がする
さて………
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最近の三好作品は異界で怪しい(妖しい)ものばかりで、個人的に趣味にあわない。文章は変わらず良いのだが、食指が動かないのも事実。「縁見屋の娘」の頃は良かったなあ。
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「幽玄の絵師」の続編。続編が出てくれて嬉しい。
今回は主人公の土佐光信よりも友人の箕面忠時と彼が恋した針の妖・つづれとの関係の行方が気になって仕方なかった。
忠時は元々農家の出だったが戦災孤児となり武家の養子となった。そのため武道を学んだが本来は庭づくりが好きな心優しい人間という設定。
対するつづれは縫い子としての腕を妬まれた女性が追い込まれて自害した際に彼女の針の妖として生まれた。そして御所で生まれた彼女は御所から出られない。
応仁の乱に巻き込まれた忠時は過酷な運命から逃れるために御所を出るが、つづれと共に生きることは出来るのか。
そしてもう一つ、「幽玄の絵師」にも登場した真汐と兵馬、二人の意外な、そして悲しい関係が明らかになった。前作で亡くなった沙衣が二人を繋いでいた。
前作から好きだっ大瓶の妖物・唐朱瓶がここでもいい味出している。酒好きなじいさんだがここぞというところで助けてくれたり、光信にヒントをくれたり。また自分の身と引き換えに助けてくれようともする。
ここでお別れなんて…と思っていたが、その結末はさて。
応仁の乱が、足利義政に取り憑いている妖物・妖童子の仕業というのは面白い設定だが、その妖童子もまた義政の心の闇に中てられてしまうという、必ずしも妖物が人間よりも強いというわけではないところが興味深い。
寧ろ義政の方が邪悪ということか。
もう一つのキーとなるのは千万衆。光信や忠時を助けてくれる。
彼らの千万踊りの唄『みだれみだれて世は地獄。まよいまようて、鬼となる』がこの作品世界を表現している。
それでも光信は人を信じ、妖を信じている。
『乱世を起こすのは、人。終わらせるのも、また、人である』