若い頃に出会いたかった
2023/12/13 16:35
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずは、この『教養としての歴史小説』の著者今村翔吾さんについて書いておきます。
今村さんは2022年に『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞した歴史小説家です。
受賞の際にも話題になりましたが、
今村さんは書店も経営されていて、
その志は全国で「町の書店」が減っていく現状をなんとか変えたいというもので、
2023年11月には佐賀でも書店を出店しています。
歴史小説・時代小説の魅力を語ったこの本でも、
自身の子供の頃の本屋さんとのふれあいがしばしば描かれています。
確かに今村さんは歴史小説に魅入られた子供でしたが、
そのきっかけに大いに寄与したのは「町の書店」の存在だったと思われます。
この本には「教養としての」という冠がついていますが、
今村さんの歴史小説・時代小説への熱量はただものではなく、
「人としての生き方や振る舞い方、人情の機微などは、ほとんど歴史小説から学んだ」、
そう綴る今村さんにとって、
歴史小説は「教養」というレベルを超えているように感じます。
そして、この本はそんな歴史小説の面白さを存分に伝えてくれます。
章立てで見ていくと、
「ビジネスに役立つ」であったり「教養が深まる」であったり「創作の舞台裏」など
多面的に歴史小説を読み解いていきますが、
これから歴史小説を読んでみようという読者への「歴史小説ガイド」が役に立ちます。
こういう本に若い頃出会いたかったな。
歴史小説は大好き
2023/09/13 20:04
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史小説は大好きだ。様々な歴史上の出来事や人物を、物語として知ることができる。また、知っていることでも、違う視点を楽しみ、新しい発見を得ることもある。歴史を知るということは、それがすぐに役立つかどうかではなく、知ることそのものに意味がある。そして歴史小説は現代に通じるテーマを意識して書かれているのだろうから、そこにも注目した。
歴史小説好きなら
2024/05/31 14:01
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史小説が好き。
そんな人なら読んで損無しの一冊。
読んだ作品が今村翔吾氏という人物の血肉なり、氏の作品の根幹になっているのがわかる。
いつか今村翔吾原作の大河ドラマが見たいものだ。
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歴史・時代小説はこんなに、こんな所が面白いんだよ!という魅力を分かりやすく、興味を持って貰えるようにと書かれた歴史小説入門書。
時代小説ジャンル推しの私も、読みたいなと思える作品が沢山紹介されていました。
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まず、大前提として
自分はプロフィールに記載の通り、
「今村」推しです
なので
評価が甘くなっているのはご勘弁
そして、この本は
「教養としての歴史小説」なんて
大層なタイトルがついていますが
エッセイくらいの感覚で読んだ方がいいです
歴史小説ちょっと読んだくらいで
教養なんか身につきませんから
そこは勘違いしてはいけません
読んだらわかると思いますけど
著者の読書量が圧倒的
中学生の頃に
「このペースでいくと読む本が
無くなってしまうかも」と思ったり、
同業者と話していて、
「あの本読んでないの」と驚く
エピソードがスゴい
このレベルまでいかないと教養まで
昇華されません
著者は恰幅のいい方だったので、
ダンスインストラクターだったのは驚き
教え子からの「先生だって夢諦めてるくせに」
の一言で文壇デビューしたのはスゴいの一言
他に作中の
井伊直孝の「油断大敵」のエピソードが
好きだった
まさに自分がこの本を高評価している理由
も同じかもしれない
「言葉は誰が言うかが大切なのですよ」
ここまでがワンセットの教訓
他にも触れたい話題はありますが
あまりネタバレすると本が売れなくなって
しまうので、あとは買って読んでください
以上
図書館で借りて読んだ
推し活伝道師でした
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〇教養を高める最も有力な手段は、歴史に学ぶこと→歴史小説
〇「歴史小説」と「時代小説」の違い
→大河ドラマのようなものが歴史小説で、『水戸黄門』のようなものが時代小説
〇最低でも読んでおきたい歴史小説10冊
1『国盗り物語』(司馬遼太郎著)
2『徳川家康』(山岡荘八著)
3『翔ぶが如く』(司馬遼太郎著)
4『沈黙』(遠藤周作著)
5『炎環』(永井路子著)
6『平将門』(海音寺潮五郎著)
7『白村江』(荒山徹著)
8『聖徳太子』(黒岩重吾著)
9『大義の末』(城山三郎著)
10『樅ノ木は残った』(山本周五郎著)
図書館で借りた本なので、一番重要と思うところをメモしました。
私としては著者の今村翔吾さんの本が一番読みたい気がします。
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歴史小説の楽しみかたを教えてくれる一冊。
同時に、今村翔吾さんがどのような作家から影響を受けて自身の作品を創作しているのかも知ることができます。
今村翔吾さんの作品「寒王の盾」をきっかけに歴史小説にハマった私。これまで手に取ったことがない多くの作家、作品が紹介されており、まだまだ楽しみがあることに気付かされました。
「教養」というと堅苦しい、肩肘を張った表現ですが、あとがきに書かれている「心を耕すこと」と捉えると、もっと気軽に自分の生活に歴史小説を読むことを取り入れることできると思います。
さ、次はどの作品を読もうかな。
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歴史小説の魅力やおすすめの歴史小説家をわかりやすく説明しており、とても読みやすく歴史小説を読むモチベーションが上がります。
また、ご自身の小説家の経験談も散りばめられており、小説家を志す人にもおすすめなのかなと思った。
今村さんの作品は読んだことがなかったが、この本をきっかけに読んでみようと思った。
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歴史小説と時代小説のそれぞれの定義、皆さん分かりますか?
今村さんの解説でストンと肚に落ちました。
お笑いと同じように歴史小説家にも第〇〇世代があるんですね。ちなみに著者は第7世代。
日本の歴史を知るための小説も紹介されていて歴史好きには役立つ一冊なのは間違いない。さっそく"国盗り物語"を購入し読み進めてます。
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今村氏の読書量すごい。私は40代を過ぎてから歴史小説の面白さにハマったのですが、小学生で真田太平記のおもしろさにハマる今村氏はタダモノではないですね…多数の歴史小説が紹介されており、いろいろ読みたくなりました。
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歴史小説への愛が伝わってくる本だった。読みたい本がまた増えた。自著のPRも欠かさないところがクスッとしてしまう。第7章の作家さん達へ熱い想いが心を打たれる。年末年始は司馬遼太郎を読もう。藤沢周平の文章のうまさについては同じ感覚だったので嬉しかった。
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今まで、言わばこれぞ歴史小説!という作品を避けて読んできた。みんな(読んどけ」と語るだけあってどれもハマるのだろうけどいかんせん長い。。
が、今回紹介された本から遅ればせながら読んでみたくなった(図書館にあったのをとりあえず予約した)。
小学5年生で真田太平記を読み漁るとは、将来歴史小説を書くために生きてきたような、今まで書いたどの作品も熱いことに納得。
300冊目読了。
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歴史小説、時代小説は好きだけど、小説で歴史を理解するのはどうなのか、と思っていたけど、『史実の見方を提示するのが歴史小説家』とあり、なるほど、と腑に落ちた。
圧倒的な読書量であらゆる歴史小説家を冷静に分析している著者はさすが。
これまで何となくイメージで敬遠していた作家も、この本の紹介で手に取ってみようかと思えたのはまんまと著者の策略にハマったのか?!
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歴史小説ってこんなにおもしろいんですよ!という、歴史小説の魅力紹介書なのだが、小学5年の時にたまたま古本屋でみつけた池波正太郎の「真田太平記」全16巻セットを親に頼んで買ってもらい、それが氏と歴史小説との出会い。爾来、現在まで歴史小説とともに歩んだともいえる氏の半生の書ともなっている。歴史小説と氏との関わり具合、それがおもしろい。
大学卒業後、家業であるダンススクールのインストラクターをやっていたとは。また最近コメンテイターとしてもテレビでよく見かけるが、それは、違う世界を見てみたい、体験できることは何でもやってみよう、ということからだそうだ。エネルギッシュなんですね。最終目標は大河ドラマの原作として選ばれる小説を書くことだそう。
歴史小説とは? 「歴史的な事件や人物をテーマにして、史実をもとに書かれた小説」
時代小説は? 古い時代の事件や人物を素材にした小説
・・「真田太平記」は歴史小説、「鬼平犯科帳」や「剣客商売」は時代小説
氏の選ぶ歴史小説10選
「国盗り物語」司馬遼太郎、「徳川家康」山岡荘八、「翔ぶがごとく」司馬遼太郎、「沈黙」遠藤周作、「炎環」永井路子、「平将門」海音寺潮五郎、「白村江」荒山徹、「聖徳太子」黒岩重吾、「大儀の末」城山三郎、「樅ノ木は残った」
時代別歴史小説作家
・第1世代:岡本綺堂、野村胡堂、中里介山、直木三十五、子母澤寛、大佛次郎
・第2世代:長谷川伸、吉川英治、中山義秀、海音寺潮五郎、山本周五郎、山岡荘八、新田次郎
・第3世代:柴田錬三郎、山田風太郎、隆慶一郎、池波正太郎、遠藤周作、司馬遼太郎、陳舜臣、永井路子、藤沢周平、津本陽、笹沢左保、平岩弓枝
・第4世代:宮城谷昌光、高橋克彦、北方謙三、浅田次郎、松井今日子
・第5世代:佐伯泰英、葉室鱗、織田玲子、山本兼一、火坂雅志、高田郁
・第6世代:朝井まかて、伊東潤、木下昌樹、澤田瞳子、天野純希
・第7世代:砂原浩太朗、永井紗耶子、川越宗一、今村翔吾、蝉谷めぐみ
2023.8.29第1刷 図書館
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今村翔吾ファンとして、これまでエッセイや講演会で見聞きしたことが綴られてはいるものの、切り口が教養となるとまた違ったテイストで受けとめることができて新鮮な気持ちになります。
すでに歴史小説(時代小説)が好きな人には実践出来ていることが書かれているんですが、この本の面白いところは歴史小説のカタログ的に活用できるところ。
自分の好みに片寄ったチョイスをしがちになる読書に新たな風を吹き込んでくれます。
定期的に読み返したい一冊です。