紙の本
のようなもの
2023/08/17 22:28
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1~3章(70ページほど)は書き下ろし、4章(200ページ位)は雑誌サライ連載の「巷の日本語」より収録。
前者は新型コロナの前後を踏まえたエッセイ、後者が本のタイトルどおりの日本語考察です。
青天の霹靂、快刀乱麻と驚く!とまではいかなかったという印象でした。
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新しい言葉に対し「そんな使い方はNG!」的な主張の本なら興味ないが、「使っていく価値があるか検証!」という考えのようなので読んでみたい
#あなたの日本語だいじょうぶ?: SNS時代の言葉力
#金田一秀穂
23/7/12出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3XMaS7d
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コンテンツのファスト消費、コロナ禍で広がったリモート(オンライン)会議(=離れているが繋がっている会議)、チャットGPTなど文章を生成するAIの出現などなどが要因となり、言葉をとりまく環境が著しく変化している。
新しい時代になれば言葉のルールも変わりますよね。あなたの気持ちはしっかり相手に届いてますか?
と問いかけてくる本書。
著者の金田一秀穂先生は、日本の言語学者で杏林大学外国語学部名誉教授、政策研究大学院大学客員教授をされている方。山梨県立図書館館長でいくつかテレビにも出られている。
コロナ禍時代とその前後の日本語はどんなふうなのか?書き下ろしと雑誌連載をまとめた本。エッセイです。
立ち位置がニュートラルな感じで、ゆる〜く唯我独尊的で信頼できる。日本語に興味があればおもしろく読めます。
ー 本は優しい。つまらないと思ったら止めたらいい。途中で放り出しても、本は怒らない。じっと待っていて、また開いてくれたら、同じことを飽きずに繰り返してくれる。それでわかればめっけものだ。世界が広くなる。
読書好きにとってものすごく素敵な言葉でしょ。
さすが図書館長!
以下は、第4章「不思議な巷の日本語」からの備忘。
・「回らない寿司屋へ行こう」
←僕にとっては寿司屋って特別な感じがあるけど、回転寿司屋が多くなって「寿司を奢ってやるよ」といっても若い人は有り難がらなくなった。だからわざわざ「回らない寿司屋に行こう」って言わねばならなくなった笑。
・「うれしみ」
←最近の言葉ですよね。語感が素敵だな、と。先生は「うれしい状態を楽しんでいるのだ」という。なるほど、だから微笑ましい気持ちになるんですね。
・「きもい」
←なぜ「きもちいい」の短い形でないのか?
「気持ちがよかった」は「気持ちかった」になる笑。
でも、これ言われると少しイラっとする。
・若い人の「無理」
←例えば、「来週までに戦時のレポートをまとめてくるように」と教授に申し渡された学生が言う「無理ーっ」。
物理的、能力的に不可能であると言うのではなく、心理的に不可能であると言う意味。だったら、最初から「いやだ」って言えばいいのに、それでは自分のわがままに聞こえてしまう。「無理」と言えば、相手が不可能なことを要求していることになり、自分は悪くない笑
なるほど、若い奴らって本当にずるい。
・「真逆」と「正反対」
←同じような意味だけど若干違う。性格が「正反対」の夫婦はどうやってもうまくいかなそうだけど、性格が「真逆」の夫婦は、案外うまくいってしまうかもしれない…って、ほうほう。
・「不要不急」
←「基準を設けろ」って声ありましたね。でも、先生はそれに対して、「いつから日本人はこんなに愚かになってしまったのだろう」と嘆く。
「不要不急は、当然、人によって異なる」
「不要不急の定義を他人に決めてもらおうと言うのは、人間であることの放棄である」
そっか。そうだよね。禿同。
・「スピード感」
←「スピード感を持って解��したい」っていう人は「速く見えるように解決したい」と言っていて、本当に速いかどうかは置いておく。見ている人がどう思っているかを気にしてますって告白してる。
それは本当に困る笑
・「理解ください」
←クレーム処理なんかでよく使われる。しかし、失礼な言葉。理解しているから認められないのだ。理解と承認は異なることをご理解ください。
♪流 - RYU - / 流 feat. BOSS THE MC(1999
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新しく誕生した言葉や、従来とは違った意味が与えられた言葉は、
きちんと理解しておかないと、間違った意味に捉えてしまうことがあるので時々気にしている。
新語や新解釈に着目した本だと思って読んだが、金田一秀穂さんが最近気になった言葉を考察したものだった。
知らなかった言葉は次の2つ。
・「ブースター」:バスケットボールのファンのことらしい。
・「パリピ」:パーティーピープルの縮約語。だがパーティーピープル自体を知らない。
そういう意味もあったのかと気づいたのは次の4つ。
・「そだねー」:あなたの意見に賛成した、という表明ではない。単に聴いたよ、というあいづち。
・「罪悪感」:世間に申し訳ないという気持ちだけでなく、自分で決めた規律に反している時の気持ちにも使う。
・「真逆」:「正反対」とイコールではなく、方向性が違っているという感覚でも使う。
・「ワンチーム」:多様性を許容して強く結束することだったが、組織の上司が言い始めて同調圧力の意味が強まった。
第4章だけでも成り立つ本だが、コロナ禍の前後での日本語の変化に着目して3章を書き下ろしている。
翻訳機やチャットGPTが作り出す文章についても考察していた。
俳句や短歌でもAIが作った作品が大量に投稿されているようで、良し悪しを評価する選者は大変らしい。
コロナ禍で使われるようになった言葉も幾つか取り上げていた。
例えば「不要不急」。これは人によって定義が異なる、政治家にとっては使い勝手のいい言葉だ。
「2回目」、今はもう通じないが、ある時期だけワクチン接種のことだった。
「有観客ライブ」「対面授業」など、「回らない寿司屋」みたいな言葉もできた。
私もおかしいと感じていた言葉、「生前」「負けず嫌い」が載っていた。
「死後」は分かるが「生前」って生まれる前のことじゃないの?
「負けず嫌い」って負けないことが嫌いってことじゃないの?
ほかには、以下のような話題を「なるほどね」と思って読んた。
・粉ではなくなって久しいのに、いつまでたってもハミガキ「粉」。
・「高級食パン」。もともとが安っぽい食用パンだったのに、高級駄菓子みたいな言い方。
・セクハラ、パワハラ、○○ハラという言葉の増殖。在宅で仕事をしているとネコハラに遭う?
・「スピード感」は速いわけじゃない。「緊張感」は緊張しているわけではない。どちらも見た目。
・意味することがよく分からない「昭和○○」。昭和歌謡、昭和家電、昭和の親父など。
・「挫折する」時には仲間がいたように思うが、「心が折れる」時には孤立しているように見える。
・偉い人の「理解する」は「賛成する」こと?「批判する」のは「理解していない」から?
・「卒業」は、ステップアップするための節目。準備期間の○○は卒業して、より高みを目指す。
・競走馬はパドックに「出て」くるのか「入って」くるのか。馬目線なら「出る」客目線なら「入る」。
小中学生の読書感想文について、「利口な子は、ほんとうに自分が感じたことは書かない。求められている感想を予測して書く。」
と言っていた。その通りだと思う。
その点、ブクログのレビューは自由だ。嘘をついたり恰好つけたりする必要はなく、つまらなかったらボロクソの感想でもいい。
400字詰め原稿用紙2枚でという字数の制約もないから、沢山書いてもいいし2行でもいい。特に何も書かなくてもいい。
議論の話題も出てきた。
議論の中から新しい観点が見えてきたりするのだが、論破したか否かで勝敗を決めるような風潮を生産的でないとあきれている。
確かにテレビなどで意見の違う論客がいると自論の押し付け合戦になって、議論にならないことが多い。
議論するって、難しい。(だから安易に戦争しちゃうのかね?)
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「曖昧言葉」の生み出す社会
日本は「曖昧社会」を多く生み出し始めたと思う、特に政治家等が使う言葉には信憑性、現実性が欠けるが言葉の持つ表現力に伝わるようにしていることだ。その一例が「スピード感を持って〜」「緊張感を持って〜」「出口戦略」など一般的な言葉を素直にストレートに言わない言葉である。多分それは「社会に対して良い加減に生かされて居る」社会が通じると感じているからだろうか。
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スピード感の説明には大いに納得し、笑えた。その通りです。
大器晩成の異なる意味には「へえ」ボタンを押したくなった(古い)。国語学者の斬り込みはウィットもきいているし、読みやすい。
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とても嬉しく感じる一冊だった。
なぜって、普段、腑に落ちないが「きっと考えすぎなのだろう」「言ったら厄介者扱いされるぞ」と思い、グッと飲み込むような内容が綴られていたからだ。
ただ、一つだけ訂正したい。
先生、「うp」はもう10年以上使われているネットスラングであって、ここ最近の若者言葉ではないです。
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文法的な難しい話ではなく、金田一先生が感じた言葉の疑問のエッセイ。読み物として面白いし言葉の勉強にもなる。
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言語学者、金田一秀穂が現在、日本で使われている「ことば」を取り上げ、解説する。とは言っても堅苦しいものではなく、エッセイと言えるものである。
言葉というものは、時代と共に変化していくものである。しかし、SNSが日常的に使われ、短い周期で日本語は変化してきていると感じる。若者が使う現代の日本語や、我々大人(?)たちが使う言葉も変化している。そのような言葉に焦点を向け、私たちが気づかない、その言葉を使う人の真意、心理を著していて面白い。
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コロナ禍時期を含む近年に普及した新しい日本語(流行り言葉?)を題材にしたエッセー。どれも耳にしたことがあって用法もなんとなくわかるので、世の中についていけてる感があってちょっと安心。それらについて、言語学者的視点だとそうなのか~、という論評がとても面白いし、興味深い。
知らなかった言葉は
・ダム汁
・ブースター
・まじまんじ
・て
・ネコハラ
といったところか。
「二刀流」とか「みだりに」とか「”そだねー”」とかは大いに納得。
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言語学者として現代の言葉遣いに辛辣な評価が列挙されるような読み物かと思いきや金田一氏はかなり寛容な人なんだということがわかった。とくに若者が作り出す言葉には若者への賞賛もしている。ちょっと物足りないと思いながら読んでいたが、コロナ禍での「不要不急」について、不要不急の定義を決めろなと多くのコメンテーターがコメントしていたことについて「日本人はいつのまにかこんなに愚かになったのか?不要不急の用かどうかなど自分で決めれば良い」と書いてあり、全く同感。当時TVにこのセリフをぶつけていたことを思い出し、金田一氏と同じ意見であることが嬉しかった。
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ちょっと難しい内容だったし、日本語って難しいなって思いましたが、読み終わった後「なるほど!」と納得するような内容でした。
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自分が普段の生活でよく使っている単語や言い回しが本に沢山出てきて面白かったです。
単語の意味や成り立ち、単語に対する違和感などを考えながら話して来なかったので、この本を読んで「たしかに、言われてみればそうだよなぁ…」と思うことが多くて楽しかったです。