紙の本
【ネタバレあり】あーーーーーそっち選んじゃったかーーーーー
2023/09/01 15:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆな - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ数年、どの作品も面白い千早茜さん。
前作の「赤い月の香り」に続き、こちらもすごく面白かった。
主人公は40歳女性、まりえ。
クソみたいな前夫(まじでクソ。この本を読む全女性がこいつに怒りを感じると思う)と離婚し、友人に背中を押される形で結婚相談所に登録する。
個人的に、まりえはそこで出会った「本田」と結婚するものだと思っていた。彼は女性慣れしていない不器用な男性だが、正直だ。彼の言葉には嘘がない。自分を良く見せようとも、相手に多くを求めたりもしない。
詳しくは書かれていないが、いざというとき(大変なとき。聖書で言う「病めるとき」)に頼りになるのは本田だと思った。
ただ、まりえは本田に性的魅力を感じず、知人を介して出会った由井(ゆい。まりえの7歳下、長身、細身、お洒落、さらさらの銀髪、ほどほどに筋肉がついた男性)に性的魅力を感じ、「私は身体で選ぶ人間なんだ」と自覚する。
お待ちなさいって。
性的魅力で言ったら、100人中97人ぐらいは由井を選ぶでしょうよ。
顔が良い、身体もいい、素直な性質(仔犬系)の歳下男子は魅力的に決まっている。
ただし、誠実な本田を捨て、仔犬系歳下男子にうつつを抜かすのはどうかと思った(個人の感想です)。
だってモテるに決まっている。
何度も言うが、若く(33歳)、顔が良く、背が高く、程よく筋肉がついていて、素直な性質で、仕事も持っている。しかも名前は由井。かっこよすぎんか。
太ったりハゲたりしなければ、少なくともあと20年は恋愛し放題だろう。
そういう人間との恋愛(まりえは由井との結婚を見据えた発言もあった)や結婚、疲れませんか。
自らもキラキラした25歳女子なら話は全く別だが、こちらは40歳だ。見た目の老化、体調不良などの不具合がこれからどんどん起こる。
そんな時に横にいるのは若いイケメン。
無理やろ。
カラダは〜単純(シンプル)なのね〜で選んではいけないと思う。
不器用だけど誠実な本田と「そろそろカルビは胃に重いね」なんて言いながら生きていく方が楽しくないですか。違いますか。そうですか。
千早さんがまりえに共感しながらこのお話を書いたのか、そうでないのかは分からない。
ただ、この話に出てくるほとんどの人物が「身の丈に合わない恋愛、結婚」を望んでいるように思えた。
そんなもん疲れるだけだと思うのだが。
人によって感じ方が異なる本だと思う。
いずれにしても、続きが気になってあっという間に読み終えてしまうのは間違いないでしょう。
紙の本
恋愛と結婚と女の生き方
2024/02/03 19:27
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公まりえの離婚からお話はスタート。離婚の理由が旦那側にあるんだけど、これが「はぁ?」って感じなんだけど、この理由が実はテーマだったりする。
恋愛の先に結婚があるのか、恋愛相手と結婚相手に求める条件はちがうのか、男が求める結婚観と、女が持つ結婚観の違いとか、女の生き辛さが浮き彫りになる。
価値観の違いはもちろん女同士の間ににもあり、読者は誰かに共感でき、誰にでも共感できる。そんな中、男どもの身勝手さに腹が立ってくるのです(笑)
紙の本
女性へのエール
2023/11/02 12:43
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
千早茜さんの文章の空気感が好きだ。
読んでいる間は空気が清浄になり、
静謐な空間に包まれるような気がする。
一瞬の光や、香り、心の動きを
繊細で美しい表現で受けとることの、
なんと贅沢なことか…
離婚届を出しに行く朝の清々しさ。全て自分好みに誂えた自分のために整える暮らし。安定感のある相手ではなく、
今の気持ちがむく相手の手を取ること。
それは自分勝手でも責任放棄でもない、
女性だって自分で自分の責任を取る生き方をしてもいいのだと
伝えてくれている気がした。
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あー、なんか千早さんの書く本だなと。
主人公がなんかみんなおんなじ感じ。
いい意味でも悪い意味でも、タイプが同じ。
途中までは良かったのになぁ。
前向きな離婚でこのまま、どーゆー話になるんだろうと思ったけど、マリエがなにをしたくて何を求めてるのかさっぱり。全く共感ができなかった。
でも、文章はとても綺麗だった。
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【私の幸も不幸も、私が決める。そう、決めた】40歳目前に離婚した桐原まりえは、寂しさよりも清々しさを感じていた。新直木賞作家が描く、おとなの女性の幸福と結婚を巡る物語。
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そうだなあ、一般的な適齢期には遅いかもだけど、人生で見るとまだ40歳目前
自立してることもあり切羽詰まって焦ってないから、少し反感を買いそうな印象
実際ちょっと面倒くさい
ただ、逆によく細かく表現したなあと
言ってることがよくわかる
自分を偽ってまで必要なことは、なんにもないし、相手にしても、ピンとくるものは必ずあると思うので、結局は必要な人しか必要じゃない
油井君の件でギャーギャーしてもまだ時間はあるし、まだまだ惑えばいい
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今まで多くの作品を読んできたけど
今回の作品の主人公は 千早茜さんに
いちばん近い存在のように感じた
40代という年齢_
無防備に新しいことに
飛び込んでいける年齢を過ぎ
仕事も落ち着き 責任ある仕事も任され
結婚生活もリセットし
自由な生き方を選択することができるようになる
コロナ禍により 今までの夫婦の在り方や
結婚観や恋愛観など新しい価値観にも揺さぶられ…
自分の今後に求める幸せについて
深く問うような物語だった
きっと読んだ方のタイミングによって
今後に求める幸せの輪郭は
人それぞれ違うのだろうな…
どんなに季節が巡っていこうとも
過去の自分も パートナーとあの時の あの瞬間に
世界を共有し 共に生きてきたことは
ずっと忘れずにいたいな…と感じました
大好きな千早茜さん
新刊が読めて 幸せでした!
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千早さんの作品らしく、今作もいい香りが漂ってくるようだった。
結婚~離婚、妊娠~出産、仕事、介護…40歳位ってちょうど人生の岐路に立たされる時期なんだなぁ。
マリエのように一度立ち止まると、自分が求めていたものは何だったのか見えてくるのかもしれない。
由井くんとはどうなっていくのか気になる。
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タイトルのマリエは主人公の名前でもあり、香水の名前でもある。
千早さんの作品は香りが漂ってくるようで本当に好きだー。今回も香水や料理、人の香りが本を読んでいるのに、自分が嗅いでいるような気持ちになった。
ストーリーは、離婚届を提出するところから始まる。まりえの夫の森崎は恋愛がしたいという理由で離婚を申し出てきて、そこで、ハアッ?と思ってしまってから森崎に対する印象がずっと良くなくて、個人的には離婚して正解!と思いながら読んでた。
香水屋さんの林くん、そのお友達の由井くん。(由井くんはずるい。スッとまりえの生活に入ってきて、気づいたら空気のようにいて欲しい存在になってる。そんなの好きにならざるを得ない!)
まりえの周りにいる友達の早希、年上の飲み友達マキさん、先輩の観月台さん、同じ結婚相談所に通う香織さん。みんなそれぞれが個性的、ではあるけど本当に自分の周りにもいるような子ばかりで。
30代からの女性の幸せって何なんだろう?って考えさせられた。
今回もいろいろグサグサくるワードがあった。
「すぐ擬似家族を作ろうとするのよね」
「この人は不幸なんだなと思った。だから、満たされていそうな人たちを見ると腹がたつのだ。」
「誰といても、その人の幸も不幸も決めてはいけない。それぞれで努力するしかない」
「自分の彼女が婚活していたって知っても結婚の意思を示さない。それって男としてのプライドが傷ついたことでいっぱいいっぱいってこと」
私がパートナーに望むのは世界を共有することなのかもしれない。色や匂いを記憶に刻んで季節がめぐっても思い出したい。
決して結婚だけが幸せではないと思う。ただ、結婚が幸せだという人もいるし、それは人それぞれで間違いではないと思う。結局自分が幸せかどうかなんて、自分じゃなきゃわからないんだもんね。
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【自分用】
「知っている関係におきかえなくてもいいのよ。どんな人との関係も初めてのものなんだから。かたちなんてないの」
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表紙とあらすじを読んで読みたいと思った作品です。「男ともだち」に続き好きな作品になりました。
マリエの選択した生き方がカッコいいと思う。
マキさんの言葉も刺さります。
婚活の現実を見てビビりました。自分で自分のことをきちんと分かっていないと婚活しても無理だと言うことを改めて思い知りました。
自分がどうありたいかをきちんと知っていることが大事だと思いました。
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2023/08/25リクエスト 10
桐原まりえは、夫から恋愛をしたいという理由で離婚を切り出され受け入れる。
そして周りに影響され、なんとなく結婚相談所に入る。
ここまでで、まりえの意志はどこにあるのか、私はわからなかった。
まりえは、周りの状況に合わせて自分を変えていくそんな印象。
キャリアがあり生活できるだけの収入がある。それは婚活で知り合った香織から見たら本当に羨ましいことだろう。香織の事情は最後に明かされるが(いくらなんでも相談所の人が会員の事情を他人に明かすことはないと思うけど)こんな理由で婚活に励むなら、仕方ないし、それが本人の希望ならいいと思う。
マキさんの
『どんな人との関係も初めてのもの。かたちなんてない』
これは、心底納得。
話の本筋とは逸れるが、出てくる食事がとても美味しそう。ガーダスープ初めて聞いた、調べて作ってみたい。
章ごとの3つのキーワード、センスがいいなと感じた。
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昔は恋愛小説なんて何が面白いと思っていたが、40手前となった今読むと面白いものだな。
本書を恋愛小説という括りにしてしまうのはちょっと迷う。
離婚した主人公の女性マリエは、出会った7歳下の由井と付き合い始めるが、自分の年齢のこともありこのままの状態でいいのかと逡巡している。結婚相談所にも登録しているが、マリエ自身、自分が何故結婚したいのかそうではないのかが分からないでいる。
歳下の男性と付き合っていることの楽しさと、このまま付き合っていていいのか(結婚を視野に入れるべきか)という葛藤のせめぎ合いが読んでいて面白い。歳下の恋人に「若いね」等の発言や"歳下の子"扱いをするとムッとされたことを思い出して懐かしくなった。
結局、由井には結婚相談所に登録し続けていることがバレてしまい、2人の関係は気まずくなる。
傍から見ると、付き合っている相手に隠して婚活をしていたマリエの方が圧倒的に良くないと思えてくるが、結婚相談所で知り合った女性:香織は、婚活を続けるのは当たり前と言う。
結婚相談所という独特な場では「同時進行は当たり前」という価値観があるのかもしれないが、通常それは一般的に認められていない。
香織の境遇は辛いと思うが、結婚を"生きていくための手段"としてしか捉えられなくなるくらいならしない方が良いかもしれない。
もし人から、結婚した方がいいのかしない方が良いのかと聞かれたら、どちらとも言えないと答えると思う。
それでも人を好きになるのは楽しい。それだけは答えられると思う。
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久しぶりの千早茜さん、一気読み!
森崎のことを「検索すれば一瞬でわかることを訊いてくる人」って例えたのがツボ。
由井くん、好きだなぁ。
「条件で恋人を選ばない」って言い切るところがステキ。恋人がいて婚活って、器用でマメな人じゃないと難しいと思うなぁ。
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恋愛がしたいからと言う理由で離婚させられたまりえ。浮気を疑ったがそんな影もなく、2年話し合って円満離婚。おひとりさまを満喫していたが、何となくの流れで結婚相談所へ登録してみるが…
アラフォーである程度の地位もあり、自活できるまりえにとって、結婚とはパートナーを求める物だけど、結婚相談所は女性は男性を立てなくてはいけない風習があり、まりえには合わない気がしました。
そして、7歳年下の由井と恋人関係になるも、お見合いは止めない。何かブレブレだなぁと思っていましたが、まりえは型にはめるのを無意識にしてるのが裏目に出ていた様に感じました。
自分から別れを告げたのは森崎なのに、まりえが恋人が出来たのが許せないのがちょっと引きました。
ようやく自分の立ち位置が見えて前を向き始めたまりえと由井がうまくいってくれるのを願っています。