投稿元:
レビューを見る
伊与原さんの小説は3作目で毎回小説×化学の知識を得る楽しさを感じていた。
定時制高校に通う、年齢も考えも異なる人物たちが担任の先生と化学部の実験にいどむ話。それぞれキャラ立ちしていて各章の人物目線が楽しく読める。
今回は化学知識ももちろんのこと、定時制高校に通うことになった人物たちのバックボーンにも深みがあって、小説としておもしろかった。学ぶことを辞めたら年寄りか〜。「学ぶことを辞めたら年寄りだ。二十代でも八十代でも。」自分もまた学ぶことを、辞めたら成長しない職業に就いているので心にきました。
投稿元:
レビューを見る
定時制に通う様々な人間が、科学部の部活を通して成長していくお話。
学校にもう一回行きたくなった。全日制でなんとなく学校に通っていた自分が恥ずかしい。なんて、濃い学校生活なんだろう!衝突することもたくさんあって、その都度乗り越えて行く。みんながそれぞれのよさを出して、一つのことを成し遂げていく、素晴らしさを感じることができた。
投稿元:
レビューを見る
宇宙への浪漫、そして人間の可能性を強く感じることが出来ました。
伊予原さんは難しい科学のお話をわかりやすく書いてくださるのでとても読みやすいです。更にこのお話は年齢も境遇もバラバラな生徒たちが集まる定時制高校が舞台というのも目を引く所です。
定時制高校に通学する理由は様々。すぐに退学してしまう生徒が多い中、抱えている問題に打ち勝ち、学ぶことを諦めない科学部の生徒たちに胸が熱くなります。勿論藤竹先生の存在も大きいですね。
そしてNASAの火星探査車オポチュニティの話にとても感動。長い期間ミッションお疲れ様でした。
投稿元:
レビューを見る
都立東新宿高校定時制を舞台にした8篇からなる連作長篇。
最初の4篇は主人公が1人ずつ変わり、よくありがちな苦労話が綴られていく。つまらなくはないけれど、「ふーん、そうなんだ」で終わってしまい、先行きが不安になる。
この4人を結びつけるのが(3人の)担任である藤竹で、彼らを部員にして科学部を創設する。さあ、ここからが伊与原さんの腕の見せ所である。
後半は様々な障害を克服し、周囲の人達をも巻き込みながら目標を達成するまでが描かれていく“胸熱”小説だ。
あとがきによれば小説のモデルがあったそうで、それにも驚かされた。
投稿元:
レビューを見る
「オポチュニティの轍」で泣きそうになった。
ロボットのようなものに異様に感情移入する自分を再認識した。
投稿元:
レビューを見る
とにかく登場人物が魅力的。
だんだん実験が専門的になって、理解できないこともあった。
けどそれも気にならないくらい先が気になって一気読み。
藤竹先生のくえなささ、最高。
相模原のJAXAも出てくる。
投稿元:
レビューを見る
「可能性」読み終わって頭に浮かんだ言葉。
色々な事情が人にはあって、家族から、人から理解されなくて苦しんできた。そんな時に夢中になれるものを見つけたら。遠くに輝く一筋の光に、光を信じてそれに向かう。
その先には思いもしない世界が待っている。
年代を超えた友達がいる人ほど、人生と感性も豊かだと聞いたことがあるけれど、本当にそうだろうなぁと思う。
宇宙には興味が有ったけれど、それはただただ漠然としていて現実的なでは無かった。
でもオポチュニティの轍を見た時に、なんとも言えない気持ちになった。現実的で、非現実的。高揚感と悲壮感。
オポチュニティとの最後の通信の時に関係者が涙を流したという話しも、とても共感してしまった。
知らないことを知ることの喜び。この本を読んでいる間そんな喜びに満ち満ちていました。
投稿元:
レビューを見る
色々な事情を抱える定時制高校生達の、彼らが想像もしていなかった事へ真剣に取り組む姿に、大きな純粋さが感じられて良かったです。
投稿元:
レビューを見る
とてもよかったー
またいい本に出会えました(^^)
科学は全くわからない私でも
楽しく読めました
様々な事情を抱え定時制高校に通う生徒たち。
藤竹という教師と出会い
科学部を始めるうちに変わっていきます
藤竹が熱血教師という感じではないのがいいです
生徒も個性豊かで
抱えてる事情を知ると応援したくなります
教師だけの力ではなくて
周りのクラスメイトの影響や
実験の成功体験などで
どんどん変化していく様子が面白いです
実験も興味深かったですが
人間模様にもきちんとフォーカスされていたので
科学が苦手な私でも楽しく読めたんだと思います
読み進めるうちに
藤竹の熱い思いも明らかになり、
実験発表あたりの生徒たちの成長ぶりには
胸が熱くなりました
どんな環境の人でも関係なく
学ぶ楽しさを感じてる人が
好奇心のまま学ぶっていうのは
実は難しいんだなと読んでいて思いました
それだけに藤竹の思い、
それを受けた生徒の様子に涙が出ました
とてもいい読了感でした(^^)
投稿元:
レビューを見る
あとがきを読んで、こんな大会があること、実例をもとにしたお話だったことを知って、フィクションであるけれど改めて登場人物たちのこれからを応援したくなる。
それぞれの事情を抱える人たちが、学びたいという共通の想いを難しい科学と絡ませることで、よくある青春物語ではなくなっていく。
久々にほろりとくるあたたかなお話でした。
投稿元:
レビューを見る
実話にヒントを得た、とある定時制高校に生まれた科学部の活躍。
研究テーマは作者の創造だが、実際にJAXAのはやぶさ2プロジェクトにも参加したらしい。
定時制らしく15歳から70代まで混ぜこぜの4+1人の部員たちが翌春の学会発表を目指し必死にテーマに取り組む姿は、青春そのもの。
青春に年齢は関係ないらしい。
作者は東大院で地球惑星科学の博士課程修了。
本書の端々にキャリアが垣間見える。
投稿元:
レビューを見る
また新たな素晴らしい本との出逢いに感謝です! 感動がじんわりと広がり、心躍る一冊でした。
様々な年代、境遇や抱える事情も違う生徒が在籍する定時制高校が物語の舞台です。
章ごとに視点人物が変わり、彼らが定時制高校に通う理由や困難さが描かれていきます。読み進めるほど、登場人物全員が魅力的なキャラクターで、思わず全面応援している自分がいました。
こうした不遇な生徒たちが、一人の理科教師・藤竹と出会い、学ぶ楽しさ・仲間と協力する喜びを知り、科学部として実験に没頭しながら大会出場するまでが、生き生きと表現されています。あぁ、こんな先生がたくさんいたら‥、と思ってしまいます。
「青春科学小説」という括りを超越して、かつても今も頑張っている人、自己肯定感が低く自分で自分を諦めている人‥、万人の心に響く作品です。
何かがきっかけとなり、自らやってみたいと動き出し、自分で引いた限界ラインを超えようとする時の目が輝き‥。もう〝学びの基本〟ですね。本書には、これが全部詰まっています。
やはりそのきっかけづくりの鍵になるのが、周りの教師や親を含めた大人です。児童・生徒(仕事をする若者も)の可能性を信じ、よさを生かし主体性を引き出すことこそ、大人の責任ですね。
夜の静謐なイメージがある伊与原新さんですが、大きな熱量が伝わる渾身の一冊と感じました。
藤竹先生のもう一つの〝実験〟の仮説「どんな人間も、その気にさえなれば、必ず何かを生み出せる」も、確実に検証されたんですね。万々歳!
投稿元:
レビューを見る
素敵な本に出会いました.*・゚.✧︎*。・*.
✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
東京・新宿にある都立高校の定時制に集った、様々な、事情を抱えた生徒たち。彼らは「科学部」を結成し、「火星のクレーター」を再現する実験を始めた。煌々と明かりが灯った夜の教室で、小さな奇跡が起きる
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
私自身、そして子どもたちは学校で何を学んできただろう。そして、こんなにも素敵な先生に出会えてきただろうか。
金髪ピアスの岳人。幼い頃から読み書きが出来ず、学校の勉強についていけずに高校を中退。しかしある理由から定時制高校に通い始める。「【不良品】はいくらあがいたところで、無駄なのか」。また挫折しそうになっている岳人。そんな時、岳人の数学のプリントの解答を見た担任の藤竹は言う。「バカどころか、聡明な人だと私は思いますよ。」と。
学校をサボり始めた岳人に藤竹からあるお願いをされる。「明日の「地学基礎」の授業にたばこを持ってきてくれませんか?」。教室にささやかな『青空』を作ると言う藤竹─。
藤竹は、ある病気から保健室登校をする佳純や フィリピン人の母親のオーバーステイを隠すため学校にまともに通えなかった主婦のアンジェラ、高校進学を断念した過去を持つ74歳の長嶺に声をかけ 定時制に「科学部」を作ろうと誘う。
この藤竹先生の寄り添い方が本当に素敵。各々が持つ問題や悩みを 肯定も否定もせず話を最後まで聞いてくれて、全く違ったところから 学校へ通えるようにアプローチしてくれる。その人たちの持っている「個性」を見つけ出して それを生かして、学校に居場所を作ってくれる。こんな先生に出会いたかった!
藤竹の口癖の「自動的にはわからない」という言葉。
ただ授業を聞いていたり、教科書を読んでいるだけでは何もわからない。そうなんだけど、自ら学びたいと思えるような授業をしてくれる先生っていたかなぁ…。
藤竹の実験のもとで学ぶ楽しさを体験した岳人たちは、やがて『日本地球惑星科学連合の高校生セッションで学会発表をする』という目標を立て行動に移す。
だんだんと瞳に輝きを持ち始める岳人たちに感動。いくつになっても 何度 挫折しても 学び直せるし 青春って取り戻せるんだなぁ✧︎*。まさに「人生こそ、自動的にはわからない」
この本のラストの三行がもう素敵すぎて素敵すぎて!!胸熱でした。
あと全日制に通う要の「定時制のやつらのことだけど、お前らが嗤うなよ」に最高かよってなった( ᵒ̴̶̷̤ ᵒ̴̶̷̤ )
要と佳純 大好き
投稿元:
レビューを見る
『月まで三キロ』を読んで以来、伊与原さんの科学的小説が好きで今回も読むのを楽しみにしていた。そして、期待通りだった。
一度は挫折した経験のある年齢も職業も違う人たちが集う定時制高校の科学部が実際にあると知り驚いた。
そのことを元に書いた伊与原さんの作品は、どれも心優しく生きるのが不器用な人たちが、多く出てきて応援したくなる。
最初から無理だと決めつけず、ちょっと手を差し伸べれば少し踏み外した道を軌道修正できる。
最近、知られるようになってきたが、学習障害やギフテッドにもっと優しい世の中になるといいな。
投稿元:
レビューを見る
定時制高校に通う、歳も性別も性格も違う人達の物語。
見た目や取っ付きにくさでフィルターをかけて人と向き合っていないか。
人の本質に気付けているのかと、自分を顧みることになりました。
科学部での奇跡が眩しいほどに輝いていて、自然と涙が溢れ出ました。
学ぶこと、誰かを思うこと、受け入れること、科学のお話と共に人生に大切なものも教えてもらいました。