紙の本
いろいろな人の本心
2023/12/29 16:27
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
本心という言葉が何回かでてくるが、いろいろな人の本心≒思惑という意味で使われていると思う。日本の近未来を設定として書かれているが、AIをテーマとした小説と思いきや、いい意味で異なり、とてもおもしろく、どんどん読めた小説だった。
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投稿者:Jung - この投稿者のレビュー一覧を見る
いずれAIを使ったこのような時代が来るのかもしれませんが、正直なところ、この話は私にとっては難しかったです。
紙の本
語彙が難解
2024/03/18 19:41
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投稿者:くまぴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作家の小説を読んだのはこれがはじめてでしたが、表現の言い回しや単語が難しく、読み進めるのが大変でした。辞書アプリで単語調べながら読んだ小説ってのも私としてははじめてでした。
ストーリー的には面白かったのですが、私は読むのに疲労感をおぼえました。
それはあなたの語彙が貧しいからだよ、と言われれば、それまでかもしれませんが…
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感情の言語化が上手な作家さんだなと思った。
主人公の繊細な心の変化を巧みに描写している。
優しいが、主張が少なく、自分の気持ちを押し殺してしまう彼は、損をしてしまうことが多いと思う。
しかし、同時にその性格が多くの人を救えると思う。
この物語は未来を想定して描かれているが、すごくリアルだと感じた。
彼のように綺麗な心を持った人は、ひょんな事から多くの人から称賛され、突然の支援を貰えることは十分にあり得ることだと思う。
善い行いも悪い行いも、常に誰かに見られているということを忘れてはいけないと思った。
★印象に残ったフレーズ
「家族任せになったら、弱い立場の人は、家族に迷惑がかかるって、自分を責めます。死にたいんじゃなくて、いなくなった方がいいって考えてしまう。」
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【愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか? 】「自由死」を望んだ母が生涯隠し続けた事実とは。『マチネの終わりに』『ある男』に続く、愛と幸福の真実を問いかける傑作長篇。
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プロローグ/〈母〉を作った事情/再会/
知っていた二人/英雄的な少年/心の持ちよう主義/
”死の一瞬前”/嵐のあと/転落/縁起/
〈あの時、もし跳べたら〉/
死ぬべきか、死なないべきか/言葉/本心/
最愛の人の他者性
AI で蘇る在りし日の母。
会話することで学習する彼女はどう変わっていくの?
蘇らせた息子はどう感じていくのか……
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「冷蔵庫の余り物でフランス料理を作り上げる」才のある平野氏。
何を目指しているのか、何を書こうとしているのか分からない。
庶民的な哲学のつもりかもしれないけど、手垢が付きすぎて、どれも新鮮さがない。
食材が新鮮で魅力があれば、フランス料理でなくても、そのままで食する方が美味のときもあるだろう。
独自の食材を苦労して探してくる努力がないことが、つまり「迫ってくる」おもしろさもないということにつながると思うけど、誰も気付かないのでしょうか。
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【ネタバレ注意】
物語としては現実を受け入れられない主人公→新しい出会いによる過去を乗り越えていく→自分の道へという起承転結がはっきりした物語。
この本を読んですごく感じたことは2つ。ひとつ目は、人にはどんなことごあっても隠したいことが1つはあること。2つ目は“死の一瞬前”に誰と一緒にいたいか。哲学的なので中々難しいがもう一回日が経てば読み返して自分なりの答えを作れるようになりたい。
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人間は少しずつ変わっていく、AIも学習しアウトプットを調整していく。他社の心の中身は分からない、AIの中身は誰も分からない。AIの技術が発展したことで、人間とは何か、他人を理解し愛することとはどういうことなのか、、根源的な問題を突きつけられている、、
本当に面白く、考えさせられる小説だと思う。AIが日常に入り込んでる近未来の話だが、とてもリアリティがあり話にのめり込めた。
話の最後の方までごちゃごちゃと内省的すぎる主人公に共感できなかったが、最後のシーンで自分の価値観を整理して前に踏み出していくところで感動した。人の本心など結局分からない部分が絶対残るが、そこを慮ったり関わり合うことで自分の心も成長し変わっていくのだと思う。AIがどれだけ人に近づいても、人の心は人であり続けるのだろう。
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VF(ヴァーチャル・フィギャア)を通じた母との葛藤。現実的に可能である技術を駆使した展開は没入感あり。但し中盤は朔也の気持ちが深く表現され、間伸びした印象がある。
後半は意外な展開をみせ読み応えあり。
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こっち側の朔也
あっち側のイフィー
あっち側からこっち側へ来た母
こっち側からあっち側へ行った三好
格差社会、AI、自由死(尊厳死、安楽死の延長?)、など現在の情勢をひとつずつ拾い集めた物語でした
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最愛の人の他者性とどのように向き合うのか。
どれだけ親しい人であっても、その人の本心を知り得ることは不可能である。たとえ本人であっても自身の本心を100%意識的に把握することは難しいだろう。このような他者性を前提とした時に、人は他者とどう向き合うべきだろうか。他人のことは分からないと突き放すのは簡単だ。でも、もし自分の大切な人から、自身への理解を諦められたら、寂しさを感じるだろう。「理解してほしい/理解したい」という気持ちと、「他人に私は理解できない/私は他人を理解できない」という気持ちのバランスの難しさを感じた。
「自由死」と「自然死」
死の自己決定権は尊重されるべきものなのか、とてもセンシティブな問いだと思う。自由死は共感しないが理解はできる。あまりにも過酷な現実の中では、死が救済になり得るのではないだろうか。自分が指定する環境で、好きな分人で死を迎えられることは、幸福権なのか。しかしそれを許してしまうと、外部構造によって自由死に追い込まれてしまうケースが発生してしまう懸念があるのではないか。難しい。
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生きることに関しての哲学的な表現が多く、理解のために何度も行をなぞることが多かったです。
全体を通して、どんよりと曇りがかったような重い雰囲気で、若干読んでいて気が滅入る感じでした。
仮想空間やアバターの話は、そう遠くない未来には実際に有り得そうと思います。
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正確に、本心を曝け出して、分かち合える人って本当にいるのだろうかと考えながら読んでいました。
また自問自答を繰り返す事が生きてるって!感じられる事に気づけました。
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物語の新鮮さや登場人物等の思想に感動しつつも、、つねに生きる意味、死とはどうあるべきかを考えさせれる小説でした。登場人物ひとりひとりに価値があり、その人物を知ることにより自分の思考が広がるのように感じました。
この小説の好きなところは、無理にラストシーンを気持ちよく終わらせていないところ。この小説のテーマは結論づけられるものではないし、むしろ人それぞれこれからも考えていく必要があること。
それにしても、今の分人主義の平野さんがよーーく表現されている小説だなと思いました。
色々ある主人公ですが、、さいごに
「最愛の人の他者性と向き合うあなたの人間としての誠実さを、僕は信じます。」
という言葉をかけられて、それにとても救われました。
あ、とても面白いです! ほんとに、、
いつもながら素晴らしい表現力とアイデアには感嘆です。どんな風に映画化されるのか楽しみです。