頑張る女性が正当に報われてほしい
2024/03/19 21:40
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
大切な人を失って得た何か。
身を切られるような思いをして手に入れたものは、
形を変えてまたほかの誰かへと繋がれていく。
と言われても納得できないくらい
彼女たちは酷い目に遭っている。
頑張る女性が正当に報われてほしい。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
家族葬専門の葬儀社を舞台にした、死から生のたくさんの可能性を教えられる、前向きな連作短編集。
葬儀社が舞台だけに「死」が扱われた重い作品ではあるが、それと同じくらい瑞々しい「生き様」も描かれていた。受け入れられない悲しみと、共に過ごした愛しい想い出が、重くのし掛かってくる、痛くて温かい作品。
葬儀社などの仕事への偏見、価値観の違い、相容れない気持ちを知らぬ間に押し付けあってしまう人たち。ただのエゴなのか、思い遣りなのか―――心の余裕次第で、相手の言葉の意図を歪めてしまう怖さも感じた。
偏見の塊の登場人物が多く、イライラする場面がかなりあるから、心に余裕がない人にはあまりオススメ出来ないかも。
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
死と向き合うお話だけど、偏見や差別なども考えさせられる。
「自分の中の『それくらい』を相手に押し付けちゃだめ」という言葉に納得。どうしても自分中心になってしまい忘れがちだけれど、時々そう思い直すことが大切だなと思う。
痛みを知る、つなぐ
2023/12/17 10:11
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
葬儀屋が舞台ってことで、明るい話にはならないだろうなと思ってたけど、やっぱり。
町田さんの一面が現れてる。
思いっきり明るい話も書ける人だから。
で、この手の作品も評価が高くなりがちなのも分かる。
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全編通して泣きっぱなしだった。
5つのお話、舞台は家族葬専門の葬儀屋さん。亡くなった人とさよならするための、こだわりの葬儀屋さん。親しい人か、あるいは親しい人が大事に思ってる人の死、それらにまつわる話になる。
大切な人が亡くなる話は、これまでにもいろいろ読んできたし、観てきた、泣いてきた、でもそれは所詮フィクションであり、単なる擬似体験でしかないな、って今回初めて感じたのだ。
悲しい、もちろん。でも「本当の」ところはわかってはいない。経験していない者には。
大切な人を失って、それでも生きていかなければならない話。なんだかすごく堪えた。私には作中の皆さんのような豊かな人間関係なんてないし、馬鹿にされて悔しくて、本人の代わりに怒るような友達もいない。
死んだら二度と会えない、次はない、伝えられない、後悔しても遅い…なんて、もう耳にタコができるほど聞いた、でも頭ではわかってても…否。それは、わかってるとは言わないんだよ…
大学生の娘がいるお花担当さんの話がタイミング的にグサっと刺さった。別れた夫、理由も理由、だけど、やっぱり彼は一時は夫だった男で、好きとか嫌いとかじゃなくてやっぱり情が残っていないはずがない。
『天音を育てたのは私だって、胸を張ることもできる』
『40を過ぎたひとがやっと知ることだってある。50を越してやっと踏ん切りをつけられる過去がある』。
ていうか出てくる「夫」たちはなかなかにみんな酷い笑
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大好きな町田そのこさんの新作です。家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」を舞台に、葬儀に関わる人たちが身近な人の死とどのように向き合うのかを描いた5編からなる連続短編集です。
芥子実庵で働く、仕事と結婚の間で悩む佐久間真奈。
祭壇づくりを担当する花屋で働く、シングルマザーの牟田千和子。
芥子実庵の新入社員の須田。
夫との関係に悩む専業主婦の良子。
町田そのこさんは以前、葬儀社で働いていたことがあるそうなんです。私の大好きな『ぎょらん』も葬儀社が舞台でしたね。今作は『ぎょらん』からファンタジー要素を抜いてより現実的に、葛藤や苦悩がより普遍的なものになった感じでしょうか。
死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤や苦悩、そして決意を描いています。壮絶な話や重い話ばかりですが、それでも前を向いて生きていく姿は爽快にすら感じました。
とってもよかったんですが、今の私にはあまりハマらず…この本がハマらない私はきっとしあわせなんだろうなと。また違う時期に再読してみたいと思いました。
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就職先を決めるとき、葬儀社が良いと思ったことがあった。人の死は避けられないため、なくなることのない職業だし、事務的すぎない態度で遺族に接する職員の姿にどこか憧れを覚えた。結局、止めてしまったけれど。
本書でも、若い独身の女性が葬儀社に勤めていて、恋人や家族から仕事を辞めるよう勧められている。何も人の死にわざわざ関わることない…と。
確かにそうかもしれないが、葬儀社の人の存在が、遺族にとって支えになっていると私は思う。ましてや、自分が生前親しくしていた人に見送ってもらえるのであれば、是非私もお願いしたい。
死が怖いという感情は抱いたことがあるが、本書の葬儀社の社長のように"死恐怖症"まではいかない。社長の「怖いから遠ざけたい」と思うのではなく、怖いからこそ見つめて向き合うという姿勢に好感が持てる。
何人たりとも、お別れを言いに葬儀へ向かう人を阻むことはしてほしくないと思う。楓子や佐久間が、自分の感情に素直になったラストが、良かった。
人は皆死ぬ。貧乏でも金持ちでも。死だけは、平等。
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2023/11/08リクエスト 22
家族葬専門の葬儀社(芥子実庵)で働く佐久間真奈。
美容師の楓子は5歳年下の夫、その親からのモラルハスメントを受けていた。
新人文学賞を受賞後、苦戦してるなつめ。
この二人とは何でも話し合える、そんな中、なつめが自死。自分の葬儀をして欲しい、という願いにこたえながら自分の仕事への向き合い方の軸を見つけていく。
『今までに死人を出したことのない家の芥子の実。
そんなものは、どこの家にもない。
=それは大切な人を失ったことのない人はいない』
このエピソードが一番気になった。
たくさんの人が外からは見えなくても身体の中に隠し持ってるのだろう。
死への向き合い方は、年齢を経ても難しい。
それを仕事を通して知り、仕事に活かしていくのはもっと難しいだろう。
この本のラストで真奈がした選択は、とてもいいと思った。簡単にハッピーエンドにしてほしくなかったから。
真奈にも楓子にも、この先も仕事に悩み、なつめを思い出し、恋愛にも悩んでほしいと思う。どれ一つ無駄にはならないと思うから。
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家族葬専門の葬儀屋『芥子実庵』を舞台にした物語。
身近な人の死と向き合い、どのように生きていくかを考えさせられました。
死をテーマにしつつも前向きになれるようなストーリーでした。
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家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」を舞台とした連作短編集。
大切な人の死と向き合う時、自ずと自分自身とも向き合うことになるんだと思う。
主人公それぞれが「死」を見つめて新たな気付きを得ているところに心動かされた。
そんな最後のいい時間を過ごさせてくれる芥子実庵。未来の自分の葬儀は、こんな所でお願いしたいなぁ。
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葬儀社が舞台になっているのは
「ぎょらん」に通じるところがありますが
こちらの作品は女性について
書かれている気がしました!
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葬儀屋で働く主人公
しかし、親や彼氏にはあまりそのことに関してよく思われていないみたいで
社長は施行にある理由で参加しない
結婚のこと、どうやって生きていけばいいのか考えさせられる一冊だった
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最初の話から泣いて止まらなくなってしまった。
誰かを見送る中から考えさせられる故人や残されたものの人生、生き方。
悲しみの中から何かを導き出したり、一歩前進したり、穏やかで清々しい気持ちになれる一冊!
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悲しみや苦しみが描かれていても最後には前を向ける町田そのこさんのお話とても好きです。
両親も芥子実庵みたいな葬儀社で送ってあげたかった。
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葬儀屋を舞台にした連作短編集。
胸くそ悪い男や親などが、どの章にも出てくる。
まず、葬儀屋という仕事に対して、ネガティブに思う人がいることに驚きだった。
「芥子の実はどの家にもない」
身内が死んだことがない家はない。
自分だけが、特別な人の死を経験しているわけではない。
という箇所が一番印象に残った。
結局、佐久間は、「葬儀屋を辞めて結婚してほしい」という恋人とは別れて葬儀屋の仕事を選んだのがびっくりだった。最後はどちらも納得するような落とし所があるのかと思って読んでいたので。
自分の仕事に誇りを持って、やり甲斐を感じられることが羨ましいと思った。