紙の本
タイトルが良いですね
2024/02/28 19:42
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
意味深なタイトルに惹かれて読み始めるがマルユウとマルセイという紛らわしい渾名の二人が描かれることで困惑します。最初は苛つきましが、次第に誰が誰でも気にしないで読み進めました。もしかしたらそれが作者の狙いだったのかも知れないですね。
電子書籍
うまく混乱を引き起こす不思議な本
2024/04/09 17:12
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
男性の主人公2人をうまく混乱させ、識別をつきにくくさせている。最後まで謎が解けないまま終わってしまった印象だ。終盤にかけて主人公の奥さんをもっと登場させてもよかったと思う。
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人の存在が混ざって、彼らを知る人の記憶の中でもそうなってしまう?
時空と共に読者の脳みそかシナプスか何かも一緒に歪みました
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マルユウとマルセイが混乱してしまうし、読後感ももやもや…。
結局何なの?誰なの?どうして?
はっきりとしたことは書かれていないため、読者の想像でしかない。
だから、読む人によっていろんな解釈ができるのかもしれない。
考え出したら止まらない所とか、謎すぎる所が面白いかも。
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佐藤正午さんの作品を読むのは、“鳩の撃退法”を読んで以来の2作目でした。
まず第一に感じたのは、佐藤正午さんワールド!という感じでした。
小説を書いているのはこの物語の中の登場人物だという設定のため、これってこの書き手の主観が入っているのかな?とか、この書き手はどうやってこの情報を手に入れたんだろう、どこまでが確実な事実なんだろうということを考えながら読めるのが面白いです。
文中の、自分の人生ではなく他人の人生を代わりに生きている、というようなことが筆者のメッセージなのかなあと思いながら読みました。
惹き込まれる文章でおもしろかったです!
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『鳩の撃退法』では、どこまでが現実の話で、どこまでか小説の話なのか理解するのに苦労した。
『月の満ち欠け』では、誰が誰の生まれ変わりなのか理解するのに苦労した。
そして本書『冬に子供が生まれる』では、どれがマルユウでどれがマルセイなのか理解するのに苦労した。
でも仕方ない。作者がそういう風に書いているのだから仕方がない。小説は、一度で理解できるように書かなければいけないという決まりはない。あえてミスリードするように書いているとすれば、それは登場人物たちの混乱を、そのまま伝える意味もあると思う。
しかし、それでもやっぱり謎は残る。この小説の書き手である湊先生も真相は知らないし、マルセイとマルユウの証言も不明瞭だ。作者は古くからの文学の作法に則り、読者に解釈の余地を残してくれている。長くなるが、以下はこの作品に対する私なりの「考察」である。
〈要点整理〉
★マルユウ(丸田優)
子供のときから野球が得意
右利き左投げ
高校では野球部のエース
大学進学後、野球への興味を失う
現在は医療事務の仕事に就く
★マルセイ(丸田誠一郎)
ギターが上手く、高校で注目を集める
ワッキーと一緒にバンドを結成するが、上京後に突如脱退
大学を中退して職を転々とする
ビルの最上階から転落して死亡
〈考察〉
小学二年生(8歳)のとき、2人の丸田少年と佐渡君は、天神山でUFOを目撃する。それが地元の新聞に載り、ちょっとしたニュースになる。
(補足すると、新聞の取材は当然ながら目撃の当日ではなく、取材時に佐渡君は入院のため不在だった。だから写真には2人の丸田少年しか写っていない。)
高校卒業間近(18歳)、当時取材した記者が再び3人を天神山に連れ行く。しかし、そこで事故が起き、記者とバイクで先導した先生が死亡。3人だけが無事に助かった。
この事故のとき、マルユウとマルセイが「混線」した。明白な「入れ替わり」ではなく、本人たちも混乱していた。マルユウは真秀と親密な関係になりつつあったにも関わらず、大学進学後に高円寺まで尋ねてきた彼女を冷たくあしらった。そのときの彼の態度は明らかに「マルセイ」だったが、本人には自覚がないようだ。そのため、2人のやり取りはちぐはぐなものとなる。
マルユウが「マルセイ」になったとすれば、マルセイも「マルユウ」になっていたはずである。マルセイが突然バンドを辞め、マルユウも野球を辞めてしまった理由はここにある。そして「マルユウ」が乗り移ったマルセイと、真秀は結婚する。
マルセイが湊先生と再会したときも、彼は同時に「マルユウ」だった。しかし、本人はやはり混乱していて、「自分が自分じゃないような気がする」「マルユウの人生を代わりに生きてるんじゃないか」などと語る。
その後、湊先生を脳梗塞の危機が襲う。マルセイはそれを超自然的な力で救う。その力は右手首の痣がもたらしたものだった。この痣は、もともとマルユウのものである。それが18歳のときの天神山の事故で、マルセイに複写された。この痣には不思議なパワーが宿っており、マルセイはそのパワーを使って��ンドをメジャーデビューさせ、また真秀と結婚した。だが、パワーを使ったせいか痣は薄れていき、「マルユウ」は再びマルセイに戻っていく。
マルセイはその後ショッピングモールの駐車場から転落して死亡する。理由はわからない。事故なのか自殺なのかもわからない。ただ、マルセイは自分の死を予感していたようだ。
マルセイが語った「悪を成敗しました」というのも、何のことなのかはっきりしない。もしかしたら杉森先生が想像したように、真秀はN先生にレイプされ、子供を孕ってしまったのかもしれない。それを知ったマルセイが、ジェダイのフォースパワーでN先生を消し、お腹の子供を遺伝的な意味でもマルユウの子供に変えてしまったのか。それが冒頭の「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」につながるのか……。
いやいや、それは穿ち過ぎだろう。お腹の中の子供はマルセイの子で、マルセイは「マルユウ」でもあったのだから、「おまえの子供」でもあるという意味なのだ。そう思いたい。
この物語に正解はない。マルセイは死んではいなかったのか。そうでなければ、ボルボとメモの書き足しはどう説明すればいいのか。しかし、本文に書かれている通り、不思議というものはそれに気づいた者にとってのみ不思議なのだ。弁当箱の握り飯が柏餅に変わっていたとしても、「いやいや、自分が入れてきたのは柏餅だ」と言い聞かせてしまえば、不思議でもなんでもない。ボルボとメモ書きにしたって、他の人なら何か理屈をつけて説明してそれで終わりだろう。
人生は結局、無意味なのかもしれない。湊先生が誰に何をどう説明したところで、それを信じてもらうことができないとしたら、無意味ではないか。またマルセイやマルユウたちにとって先生は部外者でしかなく、真実を共有できる相手ではないとしたら、なんと無力なことだろう。しかし、無意味でも無力でも生きるしかない。それが人生なのだ。先生は、マルセイからそういうメッセージを受け取った。だから泣くしかなかった。シーシュポスのように、転がり落ちた岩を何度も押し上げるしかない。愚かしくも悲しい涙だ。
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CL 2024.2.19-2024.2.21
最後まで読んでもスッキリした解決はない。語り手の湊先生と同じでわたしたち読者ははっきりしたことはわからないけど、なんとも奇妙な味わいの作品だった。
ずっと、何があったのか?マルユウとマルセイの関係は?佐渡は知っているのか?等々いろいろ考えながら読んで、でもミステリのように真実が披露されるわけでもない。
ただふたりに関わった人たちの心情が細やかに語られていて、心に沁み入ってくるものがある。
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実用書ばかり読んでいたときに直木賞受賞された佐藤正午さん。20年以上前に『ジャンプ』を読んで名前を覚えていた。ずいぶんと時間経ったけど直木賞受賞後の一冊目読んでみたい
#冬に子供が生まれる
#佐藤正午
24/1/30出版
#読書好きな人と繋がりたい
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3Oouz1h
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冬に子供が生まれる…と謎のSMSを受信したマルユウ。彼は小学校時代にUFOを友達2人と目撃しており、高校時代に同じ場所で友達二人と事故に遭っていた。
その事故でマルユウとマルセイは混ざり合ったようになって、マルセイは超能力のようなパワーで恩師を助けて、自身は謎の飛び降り自殺をした。
マルセイの妻の幼馴染はマルユウと再婚して子供を産んだ。妻の母親との仲は悪かった。みんなが自分を悪いと責める。
なんだか、よくわからない話だった。
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つくづく思うのは、
佐藤正午さん(と矢作俊彦さん)の作品は、35歳過ぎてから読むと、心に沁みるのです…と言うのは、個人の感想です。
とはいえ、やはり上手い!
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7月の雨の夜、丸田君の携帯にSMSが届いた。「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」。まったく身に覚えのない内容に彼は戸惑う。そこから始まるノンストップスリラーだ。
『月の満ち欠け』で第157回直木賞を受賞した佐藤さんの、実に7年振りとなる長篇小説である。もともとが寡作の人だし、直木賞作家という気負いもあまり感じられない本作はしかし、小説を読む愉しさに満ちている。あちこちに仕掛けられた伏線やミスリード、読者を煙に巻くような章題、そして謎に満ちた真相。
……でも、一般受けはしなさそうだなあ(^_^;)。
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途中はどうゆう事、どうゆう事、考え続けるけど到達出来ないループに陥る気持ち。
鬱々としてるようで表現出来ないけど、先に進んで良かったと言うべきなのか、、、
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何回か読んでもよく分からなかった。マルセイとマフユウが入れ替わった?SF?子どもは誰の子?N先生?宇宙人?スッキリせずに終わった。
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高校時代のバンドが売れたのだが、売れる前にグループをやめた男の取材。小学校時代にUFOを見た友達、佐渡が昔話を聞かれる。高校時代に交通事故にあったが奇跡的に助かった。バンド仲間が言った綽名が間違えている。
小学生の時にUFOを見た二人の少年。姓名が同じ、丸田。転校生、佐渡がつけ仇名がマルユウとマルセイ
二人とも野球部。高校時代に週刊誌の記者が、UFO少年の記事を書く為に、目撃地を訪ねる。交通事故が起き、バイクを運転していた記者は死亡。少年達は奇跡的に軽症だったが、マルユウは利き腕を痛め野球部を辞めてバンド活動
大学時代は疎遠。二人の共通の友人、佐渡は学年一の秀才。
雑誌の取材を受ける
記者がマルユウとマルセイを間違えている。マルユウが抜けたバンドが成功し、セレブ生活をら逃した元メンバーを取材。
マルセイは死んでいる。
マルセイはかつて仲良くしていた幼馴染で杉森先生の娘、真秀(まほ)と結婚。
母はマルユウとマルセイを間違えいる。
マルセイは会社を辞めて実家に戻る。少年野球監督の父から大学野球部を退部した頃から顔をあわせたくない。酔った父から、家に宇宙人を連れてきな?からまれる
マルセイが転落死。原因は妻の浮気?
妊娠している。相手がマルユウ?という噂
父に問われる蹴られが覚えがない
数学の先生と昔話。UFOを見た時、マルセイの痣が自分にうつった。バンドが売れるように祈ると実現。
先生が自宅で倒れる。マルユウが助けにきて助かる。不思議な力を得たが、これが最後
痣が転移して、マルセイとマルユウの未来が入れ替わった?佐渡は交通事故で体が宇宙空間に浮遊していた記憶があるが、二人とその話をしていない。
マホの母は孫子の父親がわからない。マルセイを就職させた会社社長の専務が強姦して妊娠?社長と専務は行方不明。マルセイが殺して、警察に声をかけられた時に飛び降り自殺?マルユウは否定。
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佐藤正午らしい読者を翻弄するギミックは健在だが、『鳩の撃退法』『月の満ち欠け』ほどの興味を掻き立てられなかった。
今さらUFO?という題材の新鮮味の無さにまず興醒めするし、マルユウ・マルセイとその周囲の人々の運命をもって何を描こうとしたのかが伝わりにくい。
偶然に左右される人生の不確かさという普遍のテーマを描こうとしているようにも思えるが、それと双子のような同級生、UFOという特殊な要素の食い合わせが良くない。
途中で語り部の正体が明かされるトリックも、人称が徹底されていない印象で、鮮やかさに欠ける。