紙の本
過去に刊行された著書の増補版です。
2024/02/09 22:03
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り、創価学会について宗教学者の著者が言及した1冊です。
当書が『完全版』と標榜しているのは、著者が過去に同じレーベルの新書から刊行した書籍の増補版だからです。よって当書は、過去版に書かれた文章に、新たに著された文章が増補した状態で刊行された内容となっています。
池田大作氏が逝去されたのを機に著されたのが当書に当たります。宗教学者の著者が、客観的に創価学会を分析しています。
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増補版ということなので、基本的に既刊に加筆されたもの。最初の方だけが新たな文章なのはわかっていたが少し残念。批判でも礼賛でもなく、組織や歴代会長を分析しており、そういう意味では古さはあまり感じない。日蓮正宗とはもともと相互関係があったが寄進による【堕落】と資金を自分たちに使いたいという思惑から、檀家から離れて葬儀をできなくなるデメリットをおして決別した経緯が理解できた。一つの見方かもしれないが。
文化会館が多数建設されてるのも、以前の大石寺への寄進がなくなったことを考えたら納得。
会長とは著者は会ったことはないそうだが、色々な角度から人物像に迫られており興味深く読むことができた。
最後に戦後社会の戯画と総括、日本の高度成長期に都市部に流入したインテリではない庶民が、学生運動と同じような熱狂の中で拡大してきたものとした。
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増補第一章 池田大作とは何だったのか
栄光と挫折/格段の人望/封じ込められたカリスマ/受賞のからくり/演じ続けた虚像/想定されなかった後継者/消え行くバブル
増補第二章 池田亡き後の創価学会
日蓮正宗との決別/聖地を失うということ/実現しなかった和解/錦の御旗を失って/賞味期限の切れた組織/退潮する組織をどうするか
序章 日本を左右する宗教
公明党は宗教政党か/結党当時の政治目的/実質のある巨大組織/熱心な会員たち/学会研究の難しさ/排他性と客観的分析
第一章 なぜ創価学会は生まれたのか
創価学会の誕生――初代・牧口常三郎/日蓮正宗との出会い/現世利益の思想/教育団体から宗教団体へ/躍進の基盤――二代・戸田城聖/「実業家」の宗教体験/肉声が伝える実像/折伏大行進の掛け声/高度経済成長と新宗教/都市下層の宗教組織/農村出身者の受け皿/ひとり勝ちの理由/伝統的信仰の否定
第二章 政界進出と挫折
折伏の戦闘性/軍旗のある宗教/日蓮の志を継ぐ政治活動/日蓮正宗の国教化/国立戒壇という目標/各界からの批判/頂点に向けて――三代・池田大作/自公連立のきっかけ/大義をなくした政治活動/言論出版妨害事件の余波/在家仏教教団として/蜜月の時代/全面対立と決別
第三章 カリスマの実像と機能
独裁的権力者への批判/偉大なる指導者への賛辞/人を惹きつける率直さ/庶民の顔/既成イメージのはざまで/カリスマの武器/「一人も人材がいない」/不可避のジレンマ
第四章 巨大な村
学会は「池田教」か/排他性の根拠/相互扶助の必然性/幹部の役割/実利をもたらす選挙活動/経済組織という機能/最強にして最後の「村」
終章 創価学会の限界とその行方
カリスマなき時代に向けて/ポスト池田の組織運営/進む世俗化/公明党の未来/被害者意識と組織防衛/学会の限界/戦後日本の戯画として
Xデー=2023年11月18日 872万世帯の会員 池田大作とは何だったのか:霊能力・特殊能力なし 牧口→戸田→池田 格段に人望・抜群の記憶力・博識なところ 実像は伝わらず カリスマ≒空気を読み合わせる柔軟性 400超の受賞のからくり 晩年・虚像化↑ 演じ続けた虚像→逸脱許されず→虚像が会員を鼓舞・支え 想定されなかった後継者 師弟不二 消えゆくバブル 池田亡き後の創価学会:1991年・日蓮正宗との決別 聖地を失う 大石寺→信濃町 SGI勤行・5分 王仏冥合 貧乏人の宗教 総身期限の切れた組織 強い信念
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創価学会のことをほとんど知らないかったので一般知識入門書として面白かった。宗教は内から、外からで全く違う表現になると思いますが、本書は極力ニュートラルに淡々と事実を述べていると思うので、なるほどそうだったんだと勉強になりました。
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日蓮正宗との決別、あんなにすごい宗教施設が解体されたことなど、、、
自分の知らない世界だったので、とても興味深かった。確かに、以前は学会員二世の知り合いから選挙協力の電話が実家にかかってきていたが、最近ないなぁと、、、学会の神通力も弱体化しているのかも??