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nekodanshakuさんのレビュー一覧

投稿者:nekodanshaku

1,084 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本星を掬う

2022/02/06 12:35

母と娘、女同士であるからこその、物語が生まれる。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

生きることの、辛さ、哀しさ、寂しさを、生きてきた過程で受けた痛みのせいだというのは、楽なことだろう。なにが普通かわからないが、「普通」の関係を気づけなかった母娘の4人が営む共同生活が、何かを変え、何かを明らかにしていく。誰かを理解できると考えるのは傲慢で、寄り添うことはときに暴力となる。相手を傷つける歩み寄りは迷惑でしかないし、自分を傷つけないと近づけない相手からは、離れることが大事なんだ。母と娘、女同士であるからこその、物語が生まれる。

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紙の本塞王の楯

2022/01/21 15:57

楯と矛は、どちらが勝つのか

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

とても面白い楯と矛との物語であった。石工の匡介が主人公であるが、戦国時代から太平の世に移行するときに、鉄砲職人の国友彦九郎と対峙して、ともに戦乱の世の中を鎮めようと戦った。クライマックスでの攻防戦は、強力な大筒と、このような戦い方があるのかという石垣づくりに、とてもワクワクして、どのように結末を迎えるのか、と思った。そして、その結果、大いに楽しむことができた。

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物事を決めつけないことを肝に

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

無意識のうちに、勘違い・判断間違いを引き起こす認知バイアス。その存在は知っているが、こんなに多岐にわたるとは思わなかった。日常でも非常時でも、決めつけた言動をとる際は、認知バイアスが働いていないか、一息おいて行いたいものだ。正しい間違っているというのは、人にとっての心地良さや快適さの度合いでしかなく、「好きか嫌いか」の問題に帰着するということを強く意識したいと思う。

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ほどよく忘れる

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

89歳で新規開業したというだけでも、素晴らしく勇気がある医師だが、精神科医・漢方医として、心や体の不調を訴える人に向きあっている。人生の過ごし方として、程よいところで日々を過ごすことがいい、言う。親しい人と、程よい距離感を保つことも大事だ。人間関係の程よき所を探すことで、ほどよく忘れて、さっぱりとした心で生きればいい。

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オノマトペから始まる言語の獲得

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

オノマトペは多くの言語に見られ、それが人が話す言葉の元になったのではないかという疑問から、研究が始まっている。人が見聞きし、触れ、感じたことを、声に出すことにより言語が生まれたすれば、最初はオノマトペであったかもしれない。乳幼児が言葉を習得する過程を推察しているが、拡大一般化ともいえる推論を重ねて、間違いながらも、少しづつ修正して知識を拡大していく可能性は、興味深い。人が言語を使うことができるということ、その謎を解き、言語の本質を追求する重要な研究の道筋になるかもしれない。

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不合理を理性でとらえるから理不尽なのか

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008年に起きた海難事故について調査をし、国が提示した報告書に疑義を提示したルポルタージュ。犬吠埼沖合で、突然沈没し4名死亡17名行方不明という犠牲者を出した漁船沈没事故は、私の記憶になかった。読み進めば、2001年の漁業実習船えひめ丸の潜水艦との衝突事故を思い浮かべる。本題となる漁船の事故は、事故調査委員会の残した事故原因は、波という自然災害としているが、潜水艦衝突事故の可能性が高いことがわかる。明確な結論がでないまま放置すれば、歴史の中に埋もれてしまうからこそ、本書の存在価値がある。理不尽な世の中。

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紙の本クスノキの番人

2023/04/15 09:36

想いの伝え方

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

祈れば、その願いが叶うというクスノキの、守り番になった青年が主人公。夜、それも新月の頃、満月の頃に、クスノキの不思議な「想いを伝える」効力があるという妖の物語に思えるが、人の想いは、魂そのものであり、生き様なのである。「念」を伝える手段としてクスノキが存在しているが、実は手段はそれだけではないのだろう。世代を超えて伝わる想いがたくさんある。それに気づかされる物語でもあった。

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誤情報の拡散といじめ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「いじめ」という言葉の持つ、物事を画一的に規定してしまうことをまず、十分に理解しておかないといけない。そして偽情報・誤情報がエコーチェンバーで増幅され、枠を超えて拡散していく「インフォデミック」という現象を認識して、社会を生き抜いていかなくてはならない。小山田圭吾氏の名前は、2年前の事件(誤情報に基づいていたらしい)で知ったのだが、その後の報道が何もなく、忘れていた。しかし、情報は、複眼的に継続して追うべきものだと改めて認識した。そして「いじめ」という言葉を、子供たちの世界に安易にまき散らさないように。

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紙の本彼女は頭が悪いから

2023/02/15 21:29

自分自身の心のうちをのぞき込まれる

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

東大生による集団強制わいせつ事件の事実をベースに、その真相に迫ろうとした創作小説だが、ぞわぞわと気分が不快となり、何か違和感を抱飽きながら、最後まで読み進んでしまう。この小説では、学歴が地位を表すかのように、人生を社会を生き抜いていく人々が描かれ、相対的に低位にある人をモノのように扱うむごい事件が起きる。現代社会の持つゆがみの表現型であり、地位というものが周囲から支えられて初めて存在することを知らない有能な無知の者が多いことを示す。自分自身がその一人かもしれないと、おぞましい気持ちになる。

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紙の本名探偵のままでいて

2023/01/27 13:52

じいじと孫娘の活躍

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レビー小体型認知症を患う祖父が安楽椅子探偵となり、ワトソン役がその孫娘という設定で、日常の謎を解き明かしていく。日常の謎は、二人だけになった家族に関わるものから、孫娘の職場のものまで、そして最後には、この物語の最大の謎にまでい当たる。ミステリーを解くという部分はぜい弱な部分があるようだが、古典ミステリーへのオマージュともいえる孫娘の友人男性二人の会話は楽しい。楽しく面白い物語が綴られ、この著者の今後の作品が待ち遠しい。

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書きつくせたのかな

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

その後の闘病記としての4か月間の日記である。痛みなどから逃げ回る「逃病記」だとも書いているが、緩和ケアは人それぞれであり、余命を宣告された末期がん患者は、ブラックホールに吸い込まれる気分とも書く。夫と過ごす終末期の生活を無人島に流された生活だという形容は、周囲に支援する人たちが多くいても、社会から消えていく孤独感を表しているのか。「お別れの言葉は、言っても言っても言い足りない。」と。語りつくせたかな、あなたの人生は。

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紙の本レッドゾーン

2022/09/19 21:08

誠実さを胸に

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

コロナウイルス感染症パンデミックは、いつか歴史の中に埋もれてしまうのだろうか。この物語の、地方都市での医師たちの現実と心の葛藤は、物語かもしれないが、かなり事実に近い。直接、感染症治療に関わっていないが傍で見え居る医療者として、積極的にそれから逃げていた医療者をみたことが悲しい。生活のために、栄誉のために医療に携わっているのではなく、自らの誠実さのために、医療を行っている人たちを見つめるべきだと思う。医療現場での勇気、それを知らしめねばならないと思った。

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紙の本将軍の子

2022/08/18 22:08

保科正之を描く

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しっかりとした人物描写が、物語を引き締め、静謐な物語を生み出した。エンターテイメント性はないかもしれないが、江戸初期の幕府の成り立ちを理解できる。二代将軍徳川秀忠の落胤とされる保科正之の静かな活躍が、目を見張る。彼の政に向き合う姿勢には、常に民政が重要視され、民の安寧を心から望んでいたことがうかがわれる。様々な環境の中を生き抜き、大輪の花を咲かせたのだ。とてもうまい書き手だと思った。

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紙の本爆弾

2022/07/02 22:06

凄まじいエンターテイメント

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

世の中の、人生の理不尽さが、人の心に檻を作り、自らを閉じ込める。それも仕方がないこと、まあいいかとやり過ごしてしまい、時として、その檻を破りたくなるのかもしれない。連続爆破事件の重要参考人を警察署内に確保して、これから起きる爆破事件を回避するために対峙する刑事たちの心の揺らぎが、読み人を不安に陥れる。治安の守り人の揺らぎに慄いてしまう。一気読みのミステリー、エンターテインメントだった。読後は、理不尽な世界の中で、生きるに値するのだという覚悟を持って、生き抜きたいと思った。

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紙の本当事者は噓をつく

2022/06/11 06:56

修復的司法を知る

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性犯罪被害者である認識する女性哲学者の人生を告白するエッセイ。修復的司法という犯罪に向き合う手法を模索する研究者である著者の言葉は、心を揺さぶる。修復的司法とは、犯罪を地域社会に起きた害悪ととらえ、被害者、加害者などが直接的に関与し、その害悪を修復しようとするもの。被害者と加害者が対話することが中心となる。性犯罪を当事者がカミングアウトする際、記憶を上書きし、誤った記憶を提示するのではないかと不安になったという。犯罪に向き合い、それを乗り越えて生きていくために、記憶は物語として紡いでいけばいい。

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