ぷわちさんのレビュー一覧
投稿者:ぷわち
紙の本わざと忌み家を建てて棲む
2017/09/12 10:27
面白かった。
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今回の作品は、「人が亡くなった所謂事故物件を、複数集めて1軒の建物にし、それぞれの部屋に人を住まわせて何が起こるか実験する…」というお話です。
三津田作品の特徴である臨場感が、今回もすごかったです。
人ではない何かが近くにいる、迫って来る。
そういった場面の臨場感、恐怖の描き方は断トツだと思います。
ただあくまで個人的な好みですが、田舎の風習を絡めた作品の方が好きですね。
最近の新刊は「怪談のテープ起こし」、「黒面の狐」など、田舎の風習とは違う題材のものが多いので、ちょっとだけ残念。
それでも新刊が出るだけで嬉しいのですが。
「刀城言揶シリーズ」、新刊出ないかな~。
紙の本ぼぎわんが、来る
2016/12/17 15:38
読み易い。
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文体も読み易く、ストーリーの組み立て方もすごく上手いと思います。
初見の作家さんでしたが、楽しんで読めました。
冒頭の章と、その部分の後への繋げ方、そしてどんでん返し。
そう来るか、とゾクッとしました。
ぼぎわん、怖いです。
読み進めるほど、表紙に描かれたぼぎわんが怖くなってくる。
書店でカバーつけてもらって良かった(笑)。
家族の隙間を狙って、そして呪いに呼ばれてやって来る存在。
でも、その双方がなくても、名前を知られてしまうと目をつけられてヤバいのかな?
ただ、他の方のレビューにもあるように、ラストのぼぎわんとの対決シーンが、途中からラノベっぽいというか、琴子が無敵過ぎるというか。
あのくらい強くないと、ぼぎわんは倒せないのかもしれませんが・・・。
それと個人的にあまり好きでなかったのは、ラストのラスト。
琴子が「そんなに簡単に解決するものではない」と言っていますので、もちろん全部解決したとは思っていませんが。
小さな女の子が寝言で意味不明な事を呟くんですね。
それはぼぎわんの言葉。
つまり、ぼぎわんはまだ全然近くにいて、何も解決していないという伏線。
ホラー小説にものすごくよくあるパターンですよね、これ。
ラストのラストで、子どもの寝言や描いた絵、見つめる方向などから、問題が未解決であることを匂わせる。
あまり好きではありません。
もうここまでありがちな終わり方なら、いっそ「はい、解決しました!めでたしめでたし!次はどんな怪異が起こるのかな?」くらいの方が潔いですね。
とはいえ、ストーリー全体としてはとても怖く、楽しめました。
読んで損はない作品だと思います。
紙の本幻屍症インビジブル
2017/06/26 15:54
う~ん・・・
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この作者さんの作品は、「不死症」しか読んだことはありませんが。
やっぱり何か微妙。
「不死症」よりはまだマシかなとも思いますが。
早い段階で、この孤児院が後ろ暗い事情を抱えていることが透け過ぎて。
一応ハッピーエンドですが、スッキリしない終わり方。
紙の本出没地帯 実話怪談
2017/09/25 15:51
少々稚拙
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一見良く出来た文章に見えても、無理に作家らしい言い回しにしようとしている感じの箇所が何箇所かあるのが気になりました。
本題のホラーの内容。
大部分のエピソードにおいて、その霊の意思が感じられないというか。
ただそこを歩いていただけとか、佇んでいたとか、憑いて来てもすぐに消えたとか。
だからか、あまり怖くありませんでした。
まあ作者の実体験もしくは知人に聞いた話ということで、現実の心霊体験とはほとんどそういうものとも思いますが。
読み進めるにつれ、稚拙さが気になる作家さんではありましたが、まあ読み易いですかね。
段落の作り方など細かい箇所も気になりますが。。
でもラスト・・・う~ん・・・「ラスト、怖い終わり方にしよう!」って意気込みが透けて見えるというか。。
他の作品も読みたいかと問われると、「いや、もういいや」という感じですね。
紙の本七人の中にいる 改版
2017/09/12 10:41
初読み
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今邑彩作品は初めて読みました。
三津田信三作品がとても好きで、全作品読破してしまったので、似たような作風の作家さんがいないかネットで調べてみたところ、今邑彩さんの名前が挙がっていたので。
はい!全然似てないですね(笑)。
一体どこが似た作風なのか・・・。
三津田信三作品の特徴といえば、「作品全体に薄気味悪い雰囲気が漂い、起こる事件のどこからどこまでが人間の仕業で、どこからどこまでが人ならざるものの仕業なのか・・・」、「方言や風習で、不気味さを倍増させる」みたいなことが挙げられると思うのですが、今邑彩作品にはそれは全くないですね。
まあ、三津田信三作品とは全く似ていなかった、と結論づけた上で、この作品の感想を。
うーん・・・何だろう。
主人公が「犯人はあの人じゃ・・・?」と疑うのが、次から次に変わって、結局全員を疑うんですね。
まあ、それだけ疑心暗鬼になっているのでしょうが。
でもなぜか、ハラハラ感がない。
あまり臨場感のある文章ではないですね。
あと、犯人が犯行の過程で犬を殺します。
犯人の狂気や残虐性を表すために、犬や猫、兎といった動物を殺す描写を入れる作家さん、結構多いですが、私大の動物好きなもので、作り話とわかっていてもそういう描写が嫌いなんです。
安直にそういう描写を用いなくても、他の表現方法は出来ないのかと思ってしまう。
他の作品も読みたいと思える作家さんではないです。
紙の本黒面の狐
2016/12/03 16:18
ホラー色は薄め。
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三津田信三作品特有の、「薄気味悪い雰囲気が漂い、起こった事件全てが人間の仕業なのか、それとも人ならざるものが何かしら手を下したのか・・・」みたいな不気味さはありませんでした。
あくまでミステリですね。
ぶっちゃけ、かなり早い段階で犯人の目星はつきました。
それと、炭鉱に関する説明となる部分が多すぎるというか、ちょっと読みにくかったです。
まあ、物語上必要なのでしょうが。
私自身、昔炭鉱でとても栄えていた街に住んでいますので、炭鉱というものはほんの少しは身近なもので、炭鉱跡の史跡も見に行った事があるのですが、それでもとっつきにくかった。
ぶっちゃけその辺は飛ばして読みました。
主人公の性格は、刀城言耶に似てますね。
刀城言耶のように変人ではありませんが。
三津田信三作品のファンにとっては、ちょっと物足りないかもしれません。
2016/02/25 09:56
子ども向け
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全体的に子ども向けな内容かなと思います。
霊の存在を感知する能力は強くないが祓う力を持つ兄・光也。
直情的でやんちゃな性格。
霊の存在を感知することが出来る弟・音也。
真面目で冷静な性格。
という双子が主人公です。
眉目秀麗な双子ということで、嫌いな設定ではないのですが、いかんせんリアリティが無さ過ぎる。
まず双子とはいえ大学生にもなった男の子が、お互いを「光っちゃん」「音ちゃん」と呼び合うのか?
大学生にもなって色違いのペアルックを着るのか?
あと言葉遣いが「ちぇっ」とか。
双子の雰囲気が中学生くらいに感じられます。
ホラーの内容も、どこかで聞いたようなレベル。
全然怖くない。
霊の設定も浅くて、う~んとなってしまいます。
子どもなら楽しめるかと思いますが、大人向けではないですね。
紙の本くちぬい
2017/09/25 15:48
後味が悪い。
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つまらない訳ではありませんが、面白くもない。
ストーリー自体は、正直ありきたりです。
「都会に住んでいた夫婦が、定年退職を機に田舎へ移住する。田舎での暮らしは憧れであり(特に夫の。妻は最初は乗り気ではない)、引越当初は希望に溢れ、近所の人達の過度な干渉すら好ましく思える。しかし徐々に地方特有の理解不能な習わし、考えが浮き彫りに…」。
こういう設定の小説は、他にも読んだことがあります。そちらの作品は、確かに理解不能な習わしや考えがあるものの、徐々に精神に異常を来していったのは移住した夫の方でした。
しかしこちらの作品は、元から住んでいた田舎の者、移り住んだ都会人、どちらも…というか田舎の者達の方が遥かに異常者でした。移り住んだ妻が徐々に被害妄想に取りつかれおかしくなっていったのも仕方ないと思えるほど。
また、犯行の異常さや残虐さを表現するために、動物が殺される描写がある。
これ大嫌いです。
いくら作り話とはいえ、動物大好きな私はいつもそういう描写がある小説を読む度に「買わなきゃよかった」と思う。
本当にありふれた安直な書き方。いい加減見直してほしい。
ストーリーに戻ります。
まあ大体お約束の展開でラストに進む訳ですが、結局救いがない。
超がつく田舎というものは、ここまで自治体も警察も機能していないものなのでしょうか?
後書きを読む限り、こういった都会からの移住者に対する嫌がらせや虐めは確かに存在するのかもそれませんが。
いくら超田舎とはいえ、犯罪レベルのそれらがいとも簡単に隠蔽されてしまう。
ただただ後味が悪かった。
あと主人公である妻・麻由子の性欲は何なんですか…。
麻由子が「ひょっとしたら、自分はもうこの先性交渉をすることなく一生を終えるのではないか」と怯えるシーンがあるのですが、いやもういいじゃん、のんびり暮らせよ…とドン引き。
ありきたりなストーリー。
先が読めてしまう展開。
安直な書き方。
所々句読点が多すぎる。
異常な性欲描写。
正直この作家さんの作品はもう読まないと思います
紙の本忌物堂鬼談
2017/09/19 08:39
ちょこっとネタバレ注意
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三津田作品の大ファンで、今回の作品の発売を知ってから心待ちにしていました。
ただこれまでの三津田作品に比べると、主人公に個性が無い。
女性主人公だからでしょうか?
もう一人の主人公とも言える天空は個性がありますが、登場シーンがちょっと少ない。
忌物に纏わる怪異が紹介されますが、一番最初のエピソードが一番ゾクッとしました。
古いアパート、炊事場・トイレは共同、個々の部屋の玄関は引き戸。
内鍵はありますが、いざという時はつっかえ棒をしたくなる、つまり少し心許ない引き戸。
壁は薄く、隣人の生活音が聞こえる。
そんな中で起こる怪異。
やはり怪異に遭遇した場面の臨場感は、三津田作品はすごいですね。
しかし他の忌物に纏わるエピソードは、正直微妙でした。
特にある家族に纏わるエピソード。
私が三津田作品の大ファンであるのは、以下のような理由からです。
・グロい表現がほとんど無い(極稀にグロ作品もあるけど)。
・動物が死ぬ描写が無い(三津田さんが猫好きだからかな?)。
・何と言っても、臨場感がすごい。
・「どこまでが人間の仕業で、どこまでが人ならざるものの仕業なのか・・・」という雰囲気がある。
しかしこの家族に関するエピソードは、とにかくグロかった・・・。
今回の「忌物堂鬼談」が、もし私が読んだ最初の三津田作品だったら・・・きっと三津田作品にはハマらなかったでしょう。
そのエピソードに関しては、正直怪異と言うよりスプラッタ。
怖いより気持ち悪い。
しかも少々下ネタもあり、少し悪趣味・・・。
私がグロ描写が大の苦手なため、作品全体の評価が下がった感はありますが。
同じように怪異を短編で紹介していく書き方なら、「ホラー作家の読む本」の方が余程面白かった。
まあ、最後の終わり方がシリーズ化する兆しを含ませてあったので、続編に期待かな?
天空は割と魅力的なキャラですし、黒猫先生は可愛いし。
でも個人的には、「刀城言耶」シリーズの続巻が読みたい・・・。
2017/04/08 10:20
文章が下手。
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初めて読む作家さんでしたが…驚くほど文章が下手です。
たどたどしい。
「最後のこの一文、いらなくない?」と思うような文章が、章の最後に必ずくっついている。
章の締めくくりにどういう文を置いていいかわからず、とりあえずこの文で締めちゃえみたいな印象ですね。
あまりの下手さに読んでいてイライラしてしまい、正直全く楽しめませんでした。
この作家さんの本は、二度と読まないと思います。