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あられさんのレビュー一覧

投稿者:あられ

149 件中 61 件~ 75 件を表示

内容は5点、電子版は使い勝手で-2点

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2000年ごろに出版された「英語本」の中でも優れた本の一冊です。基本的に英語で書かれたものを読むことに支障がなく、自分でも書かねばならないという人向けです。

「理系のための」と銘打ってある通り、理系の学術論文を書くような人が対象で、例文・単語も本格的に「理系」ですが、文系でも読めば読んだだけ勉強になるでしょう(「例文が理系向けなだけの英語参考書」と位置づけられます)。

「日本語の例題」、「誤訳の提示と解説」、「正しい英訳」という形式で構成されていて、文の組み立て方もどの単語を選ぶべきかということについても解説が行き届いているので、理系の方にはとても実践的な本です。

同様の指南本は英語圏にもあるのですが、日本語を母語とする立場での注意点をこんなに丁寧に解説してくれている本は洋書にはありません(このような理由から、「英語を英語で習う」のがいいと言い切ることはできません)。

というわけで、内容は5点なのですが、電子版は使い勝手が悪すぎるので-2点です。

本書の電子書籍は、紙版をただスキャンしただけです。「文字を拡大することができない」だけでなく、本文の検索もできません。気になったところにハイライトをつけてメモ(コメント)を書くということもできません。

ただめくって読むことしかできないのなら、自由自在に書き込んだり、マーカーでハイライトしたり、フセンを立てたりすることができる紙の本のほうが、ずっと使いやすいです。この状態の電子書籍を買うくらいなら、紙の本を買うほうがずっとよいです。

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紙の本#名画で学ぶ主婦業

2018/10/18 02:01

瞬発力のメディアを固定した感

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このハッシュタグ、実際にリアルタイムで見ていました。

こうやって紙に印刷されていると、Twitterって瞬発力のメディアだな、と思います。電車の中で見ているスマホの画面で、仕事中にこっそり息抜きでアクセスしてみたブラウザのタブで、帰宅してビール飲みながら見ているPCの画面で見ていれば、即座に「www」と反応しているでしょう。紙だとそういう瞬間性の反応が出てこず、何というか、一歩引いてしまうのです。流れていくはずのものが、固定されている違和感があるのかもしれません。

それは私の思い込みにすぎなくて、本当はだれが見てもこの本は笑えるのかもしれません。内容自体は「www」と反応してしまうものなのですから。

Twitterをやっていない人に見ていただき、「うまい!」「わかるわかる!」と大笑いしていただきたいです。

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ピンポイントで効果的

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CNN ENGLISH EXPRESSに掲載された特集記事を、独立した電子書籍としてまとめたシリーズの1冊。元々具体的で要点をついた解説で知られる雑誌の記事なので、時間に限りのある中で効果的な学習の一助となります。

この本は2016年4月号に基づいています。素材となっているCNNのニュースは、成田空港第三ターミナルについてのもの。音声をダウンロードし、電子書籍を見ながら、リスニングテストとして「診断」を受けるところから始まります。

Part 1で「診断」を受けたら、Part 2の「症状別治療法」で自分に合った対策をしていきます。電子書籍の末尾には、雑誌掲載時の誌面を採録した画像もあるので、電子書籍では読みづらいという方もそれを見て学習が進められます。

TOEICなどの対策になることはもちろん、大学入試でも私立難関大学や国公立の二次でリスニングが課せられる場合の対策として有効な1冊だと思います(大学入試のセンター試験とはレベルが合致していません。この本に比べてセンターが簡単すぎます)。

というわけで内容はよいのですが、200円という価格は割高に感じます。本誌の電子版が972円ですから、買えるのなら本誌全体を買ったほうがお得といえばお得でしょう。

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紙の本犬川柳 五・七・五で詠むイヌゴコロ! 日本の犬編

2018/10/14 19:19

犬には川柳がよく似合う

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2018年もカレンダーなどで企画が続いている「犬川柳」の最初の1冊が、確かこの本だったと思います。辰巳出版の日本犬専門の犬雑誌、Shi-Baの投稿コーナー「しばせん」(シーバの川柳)をまとめた1冊。本棚の整理をしていたら出てきたのでためしにHontoで検索してみたら、14年経ってもまだ新本で購入できると知り、思わずレビューを書いています。

どの川柳も味わい深く、犬を飼っていたことがある人なら「わかるわかる」と共感できます。日々の生活のちょっとした喜び・笑いや悲哀を、五七五に託す川柳は、犬との生活を書き留めるのに最適だな、と改めて思います。

柴犬だけでなくさまざまな日本犬(雑種を含む)の自然な表情をとらえた写真も、とてもよいです。凛々しさのかけらもない姿は、飼い主なら見慣れているでしょう。そしてそこがまた可愛い!

犬の背景に写りこんでいる人間の服装などが時代を感じさせることもありますが(ルーズソックスとか)、犬たちは時代が変わっても変わりません。ただ最近はこういう日本犬をお散歩でも見かけることが少なくなりました。ペット可のマンションで飼うには、秋田犬はもとより、柴犬でも大きすぎるという理由で、飼育頭数が減っているそうです。

でも飼える環境にある人には、ぜひ、日本犬との生活を体験していただきたいです。この本に詰まっている川柳と、編集部の人の文章を読めば、それがどういうふうに楽しい生活になるか、想像がつくと思います。

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雑誌In Red (イン レッド) 2018年 11月号 [雑誌]

2018/10/14 04:42

付録

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付録のポーチ3つセット、写真だとかなりいい感じですが、現物は……昔の少女マンガ雑誌の付録を彷彿とさせます。

デザイン・色味は人それぞれ好みがあると思いますが(使われている絵はとてもよいと思います)、実用面で問題があります。素材が薄っぺらくて固くて、ポーチとしてとても使いづらそうなのです。乾電池のスペアなど小物入れとして家に置いておくか、会社の引き出しの中で適当な空き箱に放り込まれているダブルクリップ入れとして使うかすると思います(その用途なら、透明の窓も効果的かと)。一番小さいの(黄色い、ウッドストック柄)のは、どう使ったらいいかわかりません。素材が固いため、この大きさ(小ささ)では使いづらいです。この素材なら、バッグに入れて持ち歩くポーチより、机の上に置いておく小物入れを企画したほうが成功したのではないかと思います。

所詮付録に過大な期待は禁物という基本を思い起こさせてくれました。

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紙の本やさいの常備菜 簡単ストックから朝晩のおかず、お弁当に大助かり

2018/10/12 17:34

豊かな食生活のために

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植物性の食材のみで作るレシピで有名な庄司いずみさんのレシピ本。何冊か読んで(見て)いますが、これは実用性・汎用性高いです。野菜メインの食生活を送る人だけでなく、野菜は肉・魚の添え物という人も、十分に使い倒せる内容です。

本編は6つのパートに分かれています。

Part 1 ゆでるだけ・蒸すだけのお手軽ストック……蒸すという調理法を活用すると、本当に幅が広がります。それにおいしい。ブロッコリーはゆでるのではなく酒蒸しに、かぼちゃは塩蒸しに、という具合。使い切れなくて余らせがちの長ねぎもナナメ薄切りにして塩蒸しにしておけば、あと一品欲しいときにごま油としょうゆをかけて小鉢にできます。ごぼうのオイルゆでは、ごぼうの季節になったら試します。

Part 2 あえるだけ・漬けるだけの1ステップストック……加熱して下ごしらえしたお野菜に調味料をプラスするだけの常備菜。ゆで茄子&しょうが醤油はうちの冷蔵庫によく入っています。ごぼうのマリネやじゃがいもと白髪ねぎのなますを試してみたいです。

Part 3 つぶすだけ・マッシュするだけの万能ペースト……かぼちゃ、じゃがいも、里芋、にんじん、長いも、グリーンピース、小豆などのペーストの作り方とその活用法。焼き茄子をマッシャーでペースト状にしたの、おいしいですよね。

Part 4 いつものおかず・簡単おかずの常備菜……里芋の煮ころがしと、それに手を加えて作る里芋ナゲット、という感じで幅を広げてくれるヒント満載です。切り干し大根と春菊の佃煮なんて、自分では思いつかないです。

Part 5 あると便利なたれ・ソース……青じそとごま油で作る和風ジェノバソース、大成功でした。マヨネーズの代わりに豆乳を使ったタルタルソースのようなものもあれば、りんごなど植物だけで作る焼肉のたれのように肉を食べる人もさらに美味しく食べられるものも紹介されています。実用性高い。

Part 6 ジャムやクリーム・スイーツストック……ここまでお料理には基本的に砂糖が使われていないのですが、ここで初めて砂糖が出てきます。でも砂糖ではなく蜂蜜やメープルシロップを使ったレシピの方が多いです。ジャムやコンポートはよくこんなふうに作っていますが、美味しいですよ。今度、豆乳とメープルシロップとアーモンドパウダーのカスタード風ソースを試してみます。

それぞれレシピの分量は、「できあがり500ml分」のように容量で示されているか、「1人分」での表示です。

庄司さんのレシピは特に難しくないし、野菜の色をそのまま生かせるから見た目もとてもよいので、食生活が総体的に豊かになりますね。

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電子書籍モダン

2018/10/01 06:11

さらっと読める。でも表面だけ。

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原田マハさんの作品はこれまで読んだことがありませんでした。評判のよい作家さんだし、短編集ならとっつきやすいかなということで、セールになっていた電子書籍を買ってみました。個人的に20世紀の美術はかなり好きで、表紙のマティスは画集でしか見たことがありませんが、もし本物を見る機会があったら見飽きずにずっと見てると思います。

そして読了したのですが……さらっと読めますね。でも残念ながらそれだけ。非常に表面的、つるつるした名画カレンダーの印刷面を見ているような気持ちになりました。

私にニューヨークに特に思いいれがないから余計に「さらっ」と通り過ぎてしまったのかもしれませんが、何というか、「鬼」を全く感じない作品です。

「鬼」というのは、芥川龍之介の『地獄変』などに最も明確に描写されているのですが、マティスにせよピカソにせよ、「鬼」性がすさまじい画家です。すさまじいほどの燃焼が彼らの絵筆を動かす力であったし、その燃焼はカンヴァスに封じ込められている。しかしながら、『モダン』の5作品からは、その燃焼は感じられませんでした。私の個人的な感覚にすぎないのかもしれませんが。

読んでいる間のことを思い返すと、ディテールの甘さに水を差されることが何度もありました。アメリカ人が「日本からは謝罪も説明もない」と憤る場面がありながら(その時点で違和感maxでしたが)、「日本人はどうして謝ってばかりなのか」とアメリカ人がいぶかっているような場面がある。それが「その登場人物の人間性」として立ち現れてくるわけでもなく、単なる「アメリカと日本の文化摩擦」のステレオタイプを援用しているだけに思えました。類型に頼ったマニエリスムというか。

また、ピカソとマティスをめぐるMoMAで働く人たちの会話が、日本のPenのような雑誌記事みたいで、かなりありえないなと思った箇所もあります(「説明」をしたいのだったら、あの人たちの会話にせず、地の文にしてほしかったです)。

英語の問題もあります。例えば作中に「インタビュアー」が出てくる箇所があるのですが、「インタビュイー」としないと話が成立しません。このあたりは、単に作家の責任ではなく、校閲・編集の責任もありますね。アメリカ人の登場人物のセリフに、カタカナのルビで英語のフレーズがあてられている箇所がいくつかあるのですが、その英語のフレーズが、何というか、リアリティが薄い英語で、これも読書という体験に水を差す違和感として私の前に立ちふさがりました。

とはいえ、つまらなかったわけではありません。短編集最後の「あえてよかった」は正直な感じがしてよかったです。小説というより説明のための物語めいていましたが「私の好きなマシン」もおもしろかったです。「中断された展覧会の記憶」は、2018年に読むのではなく、もっと早くに読んでおくべきだったと思いました。

でも、全体を通じて、心を動かされたりゆさぶられたりすることはありませんでした。《体験》は表面だけに留まっていました。ピカソやマティスの絵を見たときの胸の奥の感覚が読書で味わえるのではないかと期待していたのですが、残念です。

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電子書籍立ち食いそば名鑑120 首都圏編

2018/09/30 03:10

友達にプレゼント

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紙の本を日本国外に住んでいる友達にプレゼントしたら、自分でも持っていないと話が合わなくなるような場面が出てきたため、自分は安くなっていた電子版を購入しました。
 
同種の、東京の立ち食いそば店のガイドブックはほかにも出ていますが、店頭で見て、この本が一番ピンときました。そばにうるさいわけでもない私でも各店の特色がよくわかります。贈った先の友人は「今度東京に行ったら、この店に行きたい」とイメージをふくらませています。どのお店になるのかな、一緒に行くのが楽しみです。

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使うにはコツのようなものがいるかも

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教えるためのヒントとして購入しました。音声は本文を読みながらブラウザで開いて再生・ダウンロードする形です。本文検索もできます。

まず、デイビッド・セインさんが前提としている「日本人が学校で習ってきた英語」(訳読法がベースというもの)は、あまりにも単純化されすぎているし、決定的に古いです。なので、今40歳以上の人ならまだピンとくるかもしれませんが、それより若い人には伝わりづらいところがあるのではないかと思います。セインさんの著作にはそういう欠点はありますが、リスニングに特化したこの本は、大筋は悪くない内容だと思いました。特にUnit 14の「聞き分けが困難な英語」の最後の例文は秀逸です。思わず「わかるわかる」と笑ってしまいました。同音異義語や発音がそっくりな単語について解説したUnit 17も実用的でよいです。イントネーションと意味の違いに注目したUnit 21も役立ちます。

ただし、誤植が目立ちます。例えばtrack 13のthink about itは実はこんなふうに聞こえるという解説での英語表記はthin-kabaudiではなくthin-kabautiでしょうし、Unit 24ではall in allがall in a11と、OCRが失敗したままになってるような箇所があります。「手短に」が「千短に」になっているところもあります。Unit 27のPlease speak slower. は、slowが副詞ではない以上、本を通じて人に英語を教える際にはPlease speak more slowly. とすべきでしょう。

また、例えば「まえがき」の最後の決め台詞の大文字の使い方がおかしいのはとても残念です。ほか、「三点リーダー」の使い方が奇妙だったり、各単元の表記が「Unit15」のようになってて編集者が英語を知らないのではないかと思えたり(こういう場合、Unitのあとにスペースを入れるのが普通です)、ひとつの単語の中に変なスペースがあったり(dayがda yと書かれているなど)、英語の直後に日本語のカギカッコを置く場合のスペースがあったりなかったりしてたり、行空きがあったりなかったりしてたり、ピリオドが抜けていたり、「聴き取り」と「聴きとり」の表記ゆれがあったりと、校正が足りていないように感じます。参考のためについている日本語訳が微妙なところもあります(動詞のrain例文のrain on meがなぜ「ふりかかる雨」なのか。I miss you. は「会いたかった」ではなく「会いたい」ではないか)。

それでも文字化けで判読不能なところがあるとか、スペースが全部削除されていて英文が読めないとかいった電子書籍にありがちな重大なものではないので、使用には堪えると思います。全体的なレイアウトは見やすくできていますし、説明の日本語もわかりやすいです。

なお、Unit 19の「前置詞の音はこんなに変わる」で取り上げられているupは、前置詞ではなく副詞だし、andは前置詞ではなく接続詞ですから、学習者は注意が必要です。細かく読み込んで使うというより、ざっくりと読み流し、聞き流して使うタイプの本でしょう。

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雑誌リンネル 2018年 11月号 [雑誌]

2018/09/30 02:48

雑誌がバッグの付録

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リサ・ラーソンのあまりの氾濫っぷりに、もうマイキーはいいかな……と思っていたのですが、それでもこの付録目当てで購入してしまいました。トートバッグにいるぶち猫のマイキーがかわいいです。
 
トートバッグはそれなりの大きさで、古書店めぐりをするときに「このバッグに入らないほどは買わない」という目安にするとよい感じです。ファスナーがついているし、生地は薄いけれどビニール張りなので、小雨程度なら中身も大丈夫そう。内ポケットがついているのも実用的です。サコッシュはマジックテープが中央に1ヵ所しかないのが物が落ちそうで不安なので、左右に追加してから使います。サコッシュを使わない人でも、少し大きめの筆記用具入れなどとして使えそうです。ティッシュカバーは定番のしましまマイキー。多少の汚れははじいてくれる素材なので、キッチンに吊るします。
 
いずれも、開封したあとしばらく(2、3日)ファスナーを開けて風通しの良いところで吊るしておかないと、真新しいビニールの臭気が強烈です。
 
本誌は、料理や健康など意外と実用的な記事があり、そこは年代を問わず役立ちそうです。表紙は「今どき、こんな "ぶりっこ" が……」と笑ってしまいましたが(まさに往年の聖子ちゃんの表情ですよね。でも高畑さん、編集部さん、お口半開きはどうかと思います)、中身のコーディネート提案などは、ファッション誌として楽しめる内容でした。

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紙の本江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統

2018/09/22 19:09

4年後の視点から

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もう4年になるのですね……今年(2018年)、同じ著者で別の出版社(筑摩書房)から『オカルト化する日本の教育 江戸しぐさと親学にひそむナショナリズム』という新書(ちくま新書)が出たので、改めて発端となった『江戸しぐさの正体』も読み直してみました。

「江戸しぐさの正体』は、「江戸しぐさ」なる虚構(フィクション)を丹念に検証し、その始祖である芝三光という「反骨の知識人」(というか「ちょっと独特なおじさん」)や、芝氏亡き後に芝氏の思っていなかった方向に「江戸しぐさ」を広めて・広げていく越川禮子氏、そこに飛びついてきたNPOや自称「保守」的教育関係者といった人びとがどういう思想を持ちどう行動してきたかを丁寧に述べて、1人のいわば「江戸マニア」の脳内にだけ存在していた架空・虚構の「江戸」が、いかにして「歴史的事実」に仕立て上げられていったかがよくわかる力作です。

一方で、越川氏が「江戸しぐさ」に関わるようになる前にはまっていたアメリカの先住民(アメリカ・インディアン)にまつわる言説のことは、『江戸しぐさの正体』ではあまり踏み込んでいません。

「ホピ族のおしえ」、「先住民の叡智」的な「インディアンもの」が書店の売れ筋だった時代は確かにありましたから、著者の原田氏にとっては、越川氏が傾倒した思想の内容は説明するまでもない自明のことだったのかもしれませんが、「アメリカ・インディアン」と「江戸」がなぜつながるのか、『江戸しぐさの正体』ではいまひとつつかみきれませんでした。

その点を補っているのが、4年後の2018年に出たちくま新書の『オカルト化する日本の教育』です。「先住民」性の持ち上げという現象について知りたい方にはこちらも併読をおすすめします(原田氏の元々の研究分野もそちらですよね)。

『江戸しぐさの正体』の内容は、大筋のところは、『オカルト化する……』の最初の章に含められていたので、2018年の今から読むなら、『オカルト化する……』ではいまひとつ具体的でない個々の「江戸しぐさ」の奇妙さ、珍妙さについて知るために『江戸しぐさの正体』を読む、という流れになるかもしれません。

いずれにせよ、「『江戸しぐさ』は直ちに教育現場から追放すべきである」という2014年の著者の明確な主張が、4年後の2018年になってもなお繰り返されねばならないというのが、日本の現実です。むしろ、事態はより深刻化している。

『江戸しぐさの正体』は、「トンデモを笑う本」として楽しんで終わらせてはいけない1冊でしたし、出版から4年後の今もそういう存在であり続けています(残念なことに)。

194ページから引用します。

「フィクションを現実にあった事柄として教えるのは、結局虚偽である。虚偽に基づいて道徳が説けるものだろうか。……また、虚偽によって人々を自分の主張に誘導するというのは、ファシストがよく使う手口である。『江戸しぐさ』の実在は虚偽だと知りつつ、自分の考える道徳に教え子を誘導するのに便利だから使うというのは、ファシズムに抗するどころか教師がファシストに近づく第一歩になりかねない」

これは2018年の今、さらに切実になっていないでしょうか。

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紙の本新しいサラダ

2018/09/22 18:09

「新しい」というより「目先を変える」サラダ

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お菓子研究家の方が考えたサラダのレシピ&盛り付け集。新宿高野のご出身だそうで、ごてごてさせない美的センスはさすがとうならされます。

普段の食卓にアクセントを加えるためというより、「ここぞ」というおもてなしのための本だという印象です。フォトジェニックで、使われている食材も「おしゃれ」感が高いものが多いです(「ボッタルガ」なんて、うちの近所のスーパーにはありませんし、「生の落花生」はどうやって入手したらよいのか、ネットで検索しないとわかりません。苦笑)。

レシピは春夏秋冬の4つの季節に分けられ、それぞれ旬の素材を使った華やかな一皿を提示してくれています。ただし、「それ、サラダって呼んじゃうんだ」というものもあります。「串焼きサラダ」は「串焼き」だろうし、「さんまのオイル煮と焼きねぎのサラダ」は「さんまのオイル煮、焼きねぎ添え」だと思います。でもそのくらいの無理はご愛嬌ですね。

「新玉ねぎとカリフラワーの豆腐サラダ」での花紫蘇の使い方など「飾り」部分は幅広く応用が利きそうだし、見てるだけでも楽しめますが、実用性を求める向きにはコンセプトが合わなさそうです。

調理手順は3ステップ程度とコンパクトにまとめられていますが、「そこまでまとめちゃうの?」というくらいまとめられているものもあって、見た目以上に手間隙かかると思います。

「夏」のセクションにある「とうもろこしのジェラートサラダ」を作ってみましたが、切っていためて煮て冷凍して……と、足掛け2日。食べたことのない感じでおいしいと好評でしたが、よほどの気持ちがないと次は作らないかなあと思っています。

でも「季節が来たら作ってみよう」と思えるレシピもいろいろあり、フセンをぺたぺたと立ててあります。「春菊とアボカドのミモザサラダ」、「アスパラとたらの芽のタルタルサラダ」や、ソースとして使われている「木の芽ジェノベーゼ」など、特に春の季節が楽しみです。

本として見て楽しめるという点で+1点です。

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紙の本Lisa Larson 北欧の人気陶芸家、リサ・ラーソンのすべてがわかる!

2018/08/28 18:29

充実しています

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リサ・ラーソンが今のように、どこにでもあるようになる前、2011年に出た作品集&コットンキャンバスのミニトートのセット。

本誌はリサ・ラーソンの作品だけでなくご自宅、アトリエ、工房の写真満載。スケッチも掲載されており、見ごたえがあります。解説(部分的に英語と日本語のバイリンガル)も充実しています。

付録のミニトートは赤のマイキー柄。お財布とスマホを入れてコンビニに行くのにぴったりのサイズです。マチが10センチついているので、500mlのペットボトルとパンやおにぎり2つくらいはレジ袋をもらわなくてもこれに入ります。素材も作りもしっかりしているので重宝しています。

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紙の本まいにち食べたいスープごはん チンするだけ、混ぜるだけ、煮込むだけでメインおかずに

2018/08/28 12:35

意外な組み合わせも

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スープは、何だかんだ言って楽なんですよね。お鍋1つで済むし、作り置きもできるので。この本では洋風、和風、中華風、コリアン風など、全部で80種類くらいのレシピが紹介されています。

Part 1の「朝スープ」は手早く作ることがテーマのレシピ集。スライサーやキッチンばさみを使い、電子レンジでチンするかお湯を注ぐだけでできるものが多いです。鍋で煮ないのは夏の暑いときにも助かりますね。

Part 2の「ワンボウルランチスープ」は、パスタやごはんを入れたおなかにたまるレシピ集。Part 3「今夜はごちそうスープ」はボルシチやクリーム煮、のっぺい汁のような定番、Part 4「デイリースープ」はちょっと意外な組み合わせもあり、実際に使う段には一番頻繁に参照することになりそうです。あさりと豆腐にしょうゆとオリーヴオイルと粉チーズという組み合わせは、暑さが収まったら試してみたいレシピです。

巻末に食材別・調理時間別のさくいんがあって実用的です。

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紙の本猫と呑み助 東京「猫呑み」のススメ

2018/08/28 12:16

呑み助向けの猫本

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著者のはるやまひろぶみさんと、呑み助の「ノウミさん」が都内のあちこちのお店で飲んで、お店の猫と触れ合っているお店紹介系エッセイ集。「お店紹介」というより「お店と猫の関係の紹介」といったほうが的確かな、という部分もあります。本文は、表紙から想像した以上に「呑み助」成分が高かったです(笑)。

第1章「居酒屋猫呑み」で紹介されている店舗は沖縄料理や台湾料理のお店が多いですが、第2章「食べ猫呑み」、第3章「バー猫呑み」はエスニックな感じはしないので、エスニック苦手な人でもよいガイド本になるのでは。

表紙の一枚のように猫ちゃんを大きくとらえた写真もよいのですが、お店の中のお客さんたちと猫ちゃんの写真がよいです。写真の点数が多いのもよいです。小さい写真は「もっと大きくして見せてほしいな」と思いますが、そのちびりちびり感もまた乙なもの。猫をよく見たければ実際に店に足を運べということでしょう。

紹介されている猫ちゃんたちは野良猫出身の子たちが多く、それがまた街に溶け込んでいてとてもよいです。うちの最寄り駅の駅前商店街にある昔ながらの定食屋さんにも三毛ちゃんがいますが、ある程度古くからある住宅街にはこういう感じのお店は案外多いんでしょうね。「ブーム」に飲み込まれずに続いていってほしいものです。

中央線・総武線と谷中・上野が多いという読後感ですが、それ以外の場所も含まれています。一軒一軒のお店の成り立ちの説明や空気感の描写が優れていて、2017年時点での東京の記録として、10年後くらいに読み返すとまた感慨深そうな1冊です。

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