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ましろさんのレビュー一覧

投稿者:ましろ

34 件中 16 件~ 30 件を表示

汝、気にすることなかれ。すべては同じこと。

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語る言葉や人を空虚に見つめる視線。関わるものや他者を遠ざけ、自分自身までも遠ざける。そうしてさすらう者の言葉は、いつしかさすらうことすら許されず、深い洞察の中に人間の本質を滲ませる。立ち上がらなければ、さすらいすら始まらない権力の下における小さき存在。さすらい、自分自身を探ってゆくうちに、そもそものところ自分自身など求めていなかったと知るのだ。疼く意志を抱えて、どこを目指してさすらうのか。それでも人生は続くのか、それとも既に死の中か。汝、気にすることなかれ。すべては同じこと。放たれる言葉は柔らかな救いだ。

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紙の本グレタ・ガルボの眼

2017/02/22 11:37

誠実な視線と映画愛

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映画愛に満ちている。批評の外に置かれた誠実な視線は、映画史やそれを彩った女優たちのほか、忘れ去られようとしている作品にも向けられ、その奥にある感情をこえて、人自身への愛を含んでいるように思えた。映画の中に自分を重ね、誰かを重ね、浸り、何度も繰り返し映画を観てきた者に深く根づく思いは、多くを語らずとも文章に滲み出るほど様々な出来事をこえ、様々な人生があったことを巡らせる眼差しが物語っている。映画を愛する人々も、その心も、その人生も照らすがごとく物語はある。そうして映画がある。そのこと自体が既に愛だった。

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生と心を思う文章たち

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生を感じるための抑制を思う「ヤーコプ・フォン・グンテン」。細部に渡る観察の目は、溢れて止まぬ思考を何度も止めようとする。何も考えず、何も感じぬよう。全ては零になるための日々の鍛練。抑圧されることで皮肉にも生は息づく。破滅に向かうこととて恐れぬ、思考しない生き方。それは悲しいかな、変わりゆく世界で生き抜くための一つのすべなのだろう。「フリッツ・コハーの作文集」には、全ての言葉が心から生み出されていることを感じる。自分の小さな世界を自覚し、それを聡明な目でつぶさに捉える。抑制のきいた言葉はどれにも心が在った。

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紙の本不時着する流星たち

2017/02/17 07:06

物語に相応しい佇まいをして、すべては美しく在った。

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物語る声の佇まいに心惹かれながら、世界に密やかに息づく人々への愛おしさが募ってゆく。物事を見つめる眼差しの中には、仄かな狂気にさえ、グロテスクなまでの描写にさえ、静かな祈りと慈しみを抱かせる視点がある。一歩一歩に忠実さを覚え、白い息の慎み深さを巡らす。自分の今いる世界の十分さを謙虚に受け止める。出過ぎた真似をする必要などない。ただ誠実を貫く。果てのない円環を受け止め、気配を悟られないよう息を殺して片隅を見つめる。何の変哲もないものへも、望みのないことへも、物語に相応しい佇まいをして、すべては美しく在った。

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紙の本約束のない絆

2017/02/17 07:00

苦悩や不安までも美しく魅せる物語。

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読みながら、読み終えてもなお、はっと思わず溜息がこぼれるほどに、愛しく懐かしいような時が続いている。移り変わる視点を挟みながら、変わらずに止まることなく流れてゆく物語の時は、クレールという女性を、彼女に関わる人々、長く一心に見つめ続けた姿や景色、弟やシモンとの愛でも赦しでもない絶対的な絆と共に、その苦悩や不安までも美しく魅せてゆく。クレールの歩いた道、クレールの生きた世界、やがて白くなってしまった髪、細い体。背を向けてもなお見つめ、見つめられた彼女の姿は、密な静寂を連れて、記憶の奥底にそっと佇んでいる。

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紙の本夜の声

2017/02/17 06:58

“人はみな結局はこうして生きてゆくんだ”

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“人はみな結局はこうして生きてゆくんだ”奥深くに思いを呑み込んだことに気づく時にはもう、苦しさは重く在る。しかたないと流すことが耐えられなくとも、人は生きようとする。時は過ぎ、また同じ季節が来る。そのこと自体が慰めのような「夜の声」。「こんな風でした」の関係に在る感情も何とも苦しい。それ以上でもなく、それ以下でもないと言い表す深い哀しみの中、月日が流れてゆく。彼の目を撃った。その出来事をより確かにするように、心の内にある感情を始まりからたどりなおす過程が物語られるほどに、遅すぎたすべてを抱きしめたくなる。

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紙の本剃髪式

2016/10/24 16:44

酔いしれるフラバルの世界

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飲めぬ者とて、フラバルの世界に酔いしれる。語り手であるマリシュカ、その夫であるフランツィン、そしてその兄であるペピンおじさんを始め、物語に登場する人々への愛おしさが読むほどに募っていた。新しいチェコでの暮らしに期待を膨らませ、その生活様式の変化や文明が確かなかたちで人々の前に姿を現す過程とそこにある心情が、どこかおかしみを抱かせながら生き生きと描かれてゆく。こんなにも生きることは愛おしい、こんなにも人は愛おしい、こんなにも物語は愛おしい。そう思い至る頃にはたと気づく。心に希望を持っていることの美しさを。

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紙の本ひとつの町のかたち

2016/10/24 16:34

心の中に、ひとつの町

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自分をつくっていった、ナントの町。読書を通じて目覚めてゆく想像の世界と自分の間に町が及ぼす影響は、寄宿生活の中で物質的な距離を置こうとも、豊かに心に生き続けた。地図の町とは違う、ただ一人の中にある心の中の町の在り様は、ジュリアン・グラックの視線が鮮やかに生きている。何を見て、何を読んで、何を感じ、何を巡らせたのか。その心がどれほど感受性と知識に満ちていたのかを、溢れんばかりに伝えてくる。そうして、ひとつの町と共に変化を続けた人物が確かな手触りで立ち現れ、私の心の中にもひとつの町が在ることを教えてくれた。

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紙の本チェンジ・ザ・ネーム

2016/10/24 16:32

すべては宿命の中

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傷つけられ、傷つける。抑圧は繰り返される。そうして身に着けた何ものにも囚われずに進む生きるすべが、何とも悲しい。何を求めたとて、何を手に入れたとて、何を手放したとて、思うがままに生きながらも、その生き方は寂しく、虚ろだ。だから失う。だから幸福は短い。時が巡ったとて、生きることに付きまとう虚しさは、その心が現実から遠のくほどに深まってゆくよう。いつだって孤独だ。いつだって満たされない。此処から逃れようとも、何処へ向かおうとも、悲しみや孤独から人は逃れられない。繰り返される宿命の中に在ることが怖くなる物語だ。

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紙の本陰欝な美青年

2016/10/24 16:31

甘美な波間を漂う物語

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それと知っていても、そ知らぬふりをしようとも、どうしたって向かってしまう逃れようもない宿命の影をひたひたと予感させながら、物語が進むのをただただ読むしかなかった。憑かれたように死と近しい者、それにはたと気づいた時には、自分も引き込まれている。そうして、自分の内にある倦怠を意識する以上に見せられる心地になる。止めようもなく、止まるすべもなく、彼はどこまでも彼であり、その淵に立たされ、戻るすべを失くしている。思えば、始まりすら結末を待っていた。眩暈に似た時の訪れは、物語に漂う甘美な死を痛いほど知らしめた。

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紙の本絞首人

2016/10/24 16:29

じわりじわりと物語に魅せられるほど、見えてくる闇

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じわりじわりとこの身と心を追い込むのは、他者ではなく自分自身なのか。そうして追い込まれた心をやがて解きほぐすのも、結局のところ、他の誰でもない自分自身なのか。そこに辿り着くまでのすべての出来事も巡らせた思いも、あまりに儚く感じられるほど、少女の家族内や大学での立ち位置、それに伴う友人関係も虚しく、逃れようもなく孤立を生むその心を支えるすべは、現実よりも非現実、幻聴とすら思える世界と近しく、若い自意識と孤独を浮き彫りにした。けれどその物語に魅せられ、惹きつけられる分だけ、通ずる思いを誰もが抱え得る闇を思う。

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花の美しさが際立つ一冊。

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花自体の美しさが際立つつくりに、思わず溜息がこぼれる。ひとつひとつの花の、英名、花名、花言葉、その由来や特徴、香り、開花時期をはじめとする情報から見えてくる花の魅力は、迫力ある写真と合わせて、多くのことを語りかけてくれるよう。織り交ぜられる花の神話や伝説に耳を傾ければ、これまで抱いたことのなかった花の物語が、読み手の中にも浮かび上がりそうな心地になってくる。そして、ぐっと身近なところに花を感じている。名も知らなかった花が、これから私にとって大切な花になってゆく予感でいっぱいになった。

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紙の本最初の質問

2016/03/15 14:52

自分の心と向き合う時間

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はっとするような問いが、心に深く深く添う。やわらかな心象風景を思わせる絵と、言葉の芯にある力を思わせる詩が、静かにじんと胸を打つ。そして読み手の心のあり方を、あるべき道標をそっと指し示す一頁一頁が、とても愛おしく思える。自分の心と向き合う時間を見つめるとき、この一冊はきっと特別なものになる。絵本の中の問いと自分なりの答え、自分自身の変化を感じながら、この本と共に歳を大切に重ねてゆきたい。

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紙の本バンビ 森の、ある一生の物語

2016/03/15 14:48

気高く美しい動物の一生

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あまりにも近いところに、生と死と日常がある。野生動物たちの現実に、その奥底からわき上がる情熱に、くらくらしながら頁をめくっていた。生きるということ。そのことを知るためには、ひとりでいなくてはならない。聡明でありたければ、ひとりでいなくてはならない。そうやって少しずつ自分を保つすべを身につけてゆく過程は、生き物としての一生を気高く、美しく感じさせる。私たちと同じように恐れを持ち、苦しみを知り、悩みを持つ。その姿は、心に添うとびきりの思いを呼ぶ。バンビの物語の中の二枚の葉っぱの物語も忘れられぬ愛おしさを抱く。

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北欧のデザインの良さを引き出す作品たち

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北欧のデザインの良さを引き出す作品が並んでいる。モダンな佇まいをした作品たちは、その愛らしい可愛さと共に、厳しい寒さの土地に根ざした思いも伝えるよう。両方の魅力を体現する写真は、ぱっと目に飛び込んでくるとき鮮烈な印象を残した。どれもぬくもり感じる色使いの素敵な作品で、編みたい気持ちを何とも心地良く刺激する。とりわけベレーに心掴まれた。けれど、しずく堂さんのワークショップなどで輪針を使用することを推奨している様子の作品も、4本針や5本針で編むよう本では指示されているのが少し気になる。この本に限らず、輪針好きとしては、もっと輪針をと願うばかり。その方が初心者でも取り組みやすいし、きれいに仕上がるし……と。

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