とりこまさんのレビュー一覧
投稿者:とりこま
紙の本国家の品格
2021/11/14 15:05
品格を謳う割には品がない文章
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社内研修の課題図書なので、今さらながら初めて読んだ。
卑怯は恥ずべき振る舞いをすべきという惻隠や、美しさを貴ぶ心が必要など、頷けるところもあるにはあるが、それ以上に例えが大げさだったり下品だったり、つまり、文章に品性がなく(著者も触れているが、だからといって受け入れられるものではない)、課題図書出なかったら途中で止めていたと思う。
また、欧米を徹底的にこき下ろして、武士道や情緒を持ち上げるというスタンスもわからなくはないが、やり過ぎて贔屓の引き倒しという感じを受けた。
2018/08/26 00:19
もっと図がほしい残念な作品
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タイトルに惹かれて読んでみた。
しかし、25の戦いを取り上げている中で図版も少なく、タイトルほど地理と地形にこだわったとは思えないのが残念であった。
城攻めにこだわるなら、各城の広域的な位置関係や当時の勢力関係の図化や攻防の陣形図、城の縄張り図を各城で用意して、説明する形にしてほしかった。
紙の本パーカー・パインの事件簿
2021/08/20 11:45
1冊で2度おいしい
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1編1編が短くサクッと読んで楽しめる。
前半は、パーカー・パインが幸せでない依頼者にあの手この手で幸福や興奮などを与えつつ、パインの思惑通りにいかない展開もあり、バラエティに富んだところが面白い。
後半は、パーカー・パインが中東などへ旅をする中で遭遇する殺人事件や誘拐事件などに、まさに探偵として挑む話となっており、1冊で大きく分けて2パターンのストーリー展開を楽しめる作品となっている。
紙の本日蓮
2023/10/15 12:37
日蓮の信念や情熱の強さ
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既存勢力に敢然と立ち向かった日蓮の半生における信念や情熱の強さがよく伝わってくる。
なぜ人々は救われないのか、天変地異が続くのか、疑問を持ち、仏教の経典を読みあさりその中に答えを見出そうとする点で、常識などにとらわれず、探求心や信仰心を強く持つ人物であったことが分かる。
自分の見出した答えを信じ、他の宗派を排除しようとした方法は、当時としても珍しいものであったのだろうとわかるが、だからこそ歴史に名を残す存在であったのかもしれない。
しかし、本作のラストで、悟りを開いたかのような穏やかな姿が印象的である。
紙の本秘密組織
2023/04/23 21:49
楽しい冒険譚
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機密文書を持っていると思われる女性ジェインを探すトミーとタペンス。機密文書を狙う謎の人物ミスターブラウンの正体、ジェインの行方は…ミステリーとしても面白いが、二人の冒険にハラハラしながら読み進めるのが楽しい。
2022/02/05 00:34
200年に凝縮された数々のエピソードが面白い
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わずか200年程度の歴史、系図もこれまでのハプスブルク家やブルボン王朝などに比べるとシンプルだが、フリードリヒやらヴィルヘルムやら何人も居てややこしい。それはさておき、ヨーロッパの中では比較的短い期間だと思うが、エピソードには事欠かず、そしてヨーロッパや世界史にどのような影響を与えたかがわかって面白い。
紙の本銀河英雄伝説 17
2020/04/05 23:28
ケンプ無念の要塞戦
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要塞VS要塞という特異な戦いで、実は優位な点にいたケンプだったが、ヤンの智謀には叶わず。ただただケンプの無念さに思いを馳せるのみである。鉄壁ミュラーの活躍も目が離せない。
敗戦の報に接したラインハルトが踏みとどまるシーンは切ない。
紙の本道化師の退場
2023/11/18 17:17
最終章で震える
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母が犯人とされた殺人事件の解決を余名半年の探偵が解き明かすというストーリーだが、登場人物たちがどこかしら歪んでいて、事件の真相にもその歪みが影響している。その真相だけでも驚きであったが、最終章で語られる驚天動地の展開に震えた。
紙の本教養としての「戦国時代」
2023/07/04 21:56
どちらかというと初心者向けかな
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戦国史第一人者、教養という言葉にひかれて読んだが、確かに面白かったけど、広く浅くという感じでどちらかというと初心者と感じた。
もう少し深掘りしてくれるとなお良かった。
2023/05/13 00:27
龍くん、ついに決断す
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名古屋めし×人情ミステリーも4作目。
医大を休学し、自分の行く末に悩む龍くんにいつものように?謎めいたことが起こる。ささやかな事件や名古屋めしについての蘊蓄を味わいながら、これらの物語を通して龍くんがどのような選択をするのか、見守ってほしい。
紙の本十三の海鳴り 蝦夷太平記
2023/02/18 10:56
鎌倉末期の津軽はスケールが大きい
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鎌倉時代末期の安藤氏の乱を取り上げた作品。アイヌ、鎌倉、京と津軽にとどまらず、色々な地との交易や政治的な関わりが強いことが知れるし、その中で安藤一族が野心も抱きつつ、津軽の地のためにそれぞれの立場で戦っていく様がダイナミックに描かれる。
解説も含めて、津軽の地への想いが伝わってくる一作。
2023/01/22 11:14
幅広い短編集
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本格ミステリの書き手なので、本格ミステリ集かと思いきや、ミステリにとどまらない幅広いジャンルの短編集であることに驚く。
個人的には本格ミステリの作品が好きで、『つぐみヶ森の硝子屋敷』が設定とトリック、謎ときのバランスが取れていて面白い。
福知山線の列車事故を扱った『加速していく』も高校生が現場に居合わせた理由に対する主人公の思いにハッとさせられ、心にしみる読後感が良かった。
『11文字の檻』はSF的設定と施設を抜け出すための11文字をいかに見つけるか、という点で話に引き込まれた。
2023/01/07 19:14
マイナスは伸びしろだ
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とかくネガティブに考えがちな世間に対して、できていないこと、マイナスなことは、日本が成長するための伸びしろである、と提案する著書。各論でそうかな?と思う点もなくはないが、総論であったり、大筋ではうなずけることが多い。
紙の本メインテーマは殺人
2022/12/18 18:45
ミステリの魅力を味わえた
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自分の葬儀を手配した老婦人がその日に殺されるという展開は魅力的だったが、前半は訳文やホーソーンの性格になじめず、読みにくい印象だったが、中盤のあるシーンをキッカケに一気に引き込まれていった。ミスリードする展開、些細なシーンや表現に盛り込まれた手掛かりなど、結果的にしてやられた感があり、ミステリの醍醐味を味わえたし、ホーソーンとホロヴィッツの関係にもなじめてきた。