かれんさんのレビュー一覧
投稿者:かれん
2000/11/28 13:11
100匹のオオカミに追っかけられたらたまらない。
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ぶたくんが、1匹で森の傍を通ると…
まぁ、出てくる出てくる ぶたくんを狙ったおおかみたち。その数 何と100匹。
たった1匹のぶたくんを狙って、どどどどど…追っかけてきます(^◇^;)
その迫力がすごい。でも、追われるぶたくんはたまらない(笑)
普通なら、誰が食べるか喧嘩しそうなものの おおかみ達は、結構仲がいいみたいです。
どうすれば、皆 均等に食べられるか相談します。
その相談は…。
一度逃がした獲物は二度と帰ってきません。
ちょっと人の良いマヌケなおおかみたちです。
ハラハラしながらも 友だちを思いやる優しさの伝わる絵本です。
同じ著者の 数え切れない程 昼寝中のブタたちを見つけた一匹のオオカミのお話
「きょうはなんてうんがいいんだろう」も逆の立場で面白いです。
紙の本でこちゃん
2000/11/21 10:25
前髪が短くなって悲しくなった経験のある子は是非(^^)
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私も子どもの頃、前髪が短く切られて、悲しい思いをしたことがあります。
大人は、「可愛くなったね。」と、わざとらしく言うけど、全然似合ってない(涙)
お母さんに、髪の毛を切ってもらい、思いっきりおでこが目立つようになってしまった
てこちゃんの気持ちがよく分かります。
しかし、ここの家族はストレートにモノを言います(^◇^;)
「てこちゃんがでこちゃんになったね。」 と言われたら、てこちゃんが怒るのも無理ないです。
おでこが目立たないように、下を向いて歩いたり、
おにいちゃんに相談すれば、もう一つおでこに目とまゆげを描くし…笑いものです。
幼稚園に行きたくない…と泣いているてこちゃんを
お姉ちゃんは、「チチンプイプイの…」と、てこちゃんのおでこを魅力的にしてしまいます。
さすがお姉ちゃん(^^)
てこちゃんを囲み、とても賑やかな家族を描いてあります。
前髪が短くなって、悲しくなった経験のある子へ この絵本をどうぞ。
2000/11/16 09:52
子どもの視点で「死」について考えてみませんか?
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大好きなネコのバーニーが死に、悲しみにうちひしがれているぼく。
ペットの死によって、初めて「死」の意味を知る子どもたちも多いのではないでしょうか?
バーニーの良い所をお葬式で10 言うようにとお母さんは言います。
でも、「ぼく」は9つしか見つけられませんでした。
アニーは、「バーニーは天国へ行った。」と言うけど、「土の中だ。」と言い張るぼく。
実際、バーニーの亡骸は土の中に埋めました。
それに、生きている者は、誰も天国に行ったことはありません。
私たちが、『バーニーは、こうしていたら幸せだ』という願いが天国なのかもしれませんね。
「ぼく」の言葉に、つい考えさせれてしまいました。
土の中でバーニーは、木や花を育てる手伝いをします。
『葉っぱのフレディ いのちの旅』にちょっと似ています。
バーニーの最後の良いところはこれ。死んでからも頑張っているね。
東京書籍版「新しい国語3年」にこのお話は掲載してあります。
紙の本おにたのぼうし
2000/11/08 13:46
鬼にだって、いろいろな性格の鬼がいる。
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節分の夜のこと、どこの家でもひいらぎを飾り、豆まきをします。
「ふくはーうち。 おにはーそと。」
昔から鬼は悪者だと決め付けられてきました。
おにたは、黒鬼の子どもです。でも、とても気がよくて恥ずかしがりやです。
人間にも悪人がいれば、善人がいるように、鬼にだって いろいろな鬼がいます。
それを一まとめにして、悪者に決め付けるのは、おにたにとっては、納得のいかないことです。
お母さんが病気で ごはんを食べていない女の子に 食事を運んであげる…こんな優しいおにたなのに。
人間の前では、角隠しの帽子かぶり、人間の服を着ているので、女の子は鬼だと気付きません。
「あたしも 豆まき、したいなぁ。」
という女の子の言葉に、震えるおにた。何も知らない女の子の言葉とはいえ、おにたが可哀想でなりません。
いわさきちひろさんの絵で、物寂しい目をしたおにたがとてもよく描かれています。
節分に追い出された善人の鬼たちは、こういう目をしているのでしょうか?
紙の本サーカスのライオン
2000/11/01 11:13
勇敢なじんざに拍手をおくりたい。
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半年程前にサーカスを見に行きました。
時代の流れでしょうか…火の輪くぐりのライオンはもういませんでした。
今日の仕事も終わり、テント小屋で退屈していたライオン(じんざ)は、人間の服を借りて散歩へ。
そこで、昼間のじんざの元気がなかった事を心配して様子を見に来た男の子と出会います。
人間の服を借りている時は、きちんと立って人間の言葉を話せます。
顔は毛むくじゃらだけど(^^;
それから、男の子は、毛むくじゃらな彼がライオンと気付いたように、毎日、サーカス小屋に遊びにきます。
おやつのチョコレートを分けたり、病気のお母さんの事を話したり、
じんざは、何も言わずに男の子の話をじっくり聞いてくれます。
動物たちって、本当は人間の言葉をみんな理解しているのかもしれませんね。
でも、ある夜、大変なことが…
アフリカの草原を走った時のように、じんざは男の子を救う為に走ります。
大切な人を守る為 火の中に飛び込むじんざの勇ましい姿は、まさしく百獣の王ライオンです。
絵本でありながら、クライマックスの凄さに感動します。
ライオンと男の子の素晴らしい友情を描いた作品。
この作品は、東京書籍版「新しい国語3年」にも掲載されています。
紙の本ちいさいおうち
2000/10/28 11:53
生活は便利になった分、自然はなくなってしまいました。
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まだ馬車が走っていたずっと昔のこと、田舎の丘の上に小さなうちが一軒建っていました。
この家は、大工さんが、孫の孫の孫の世代まで立派に建っていられようにと丈夫に建築しました。
年月が経ち、リンゴの木に囲まれていた家にも、高度成長の波が押し寄せてきます。
馬車が車にかわり、あぜ道は舗装され、人々は忙しく行き来します。
実際、子どもの頃は、山だった土地が切り開かれて、住宅街になっています。
私が今住んでいる所だって、数百年前は、田畑が沢山あったでしょう。
生活が便利になった分、大切な自然を少しずつ失ってしまいました。
小さなおうちが建っていた田舎も、今では、近代化が進み、
地下には地下鉄、頭上には高架線、そして、両隣には高層ビルがそびえています。
これでは、季節が分からなくなるのも当然です。
この絵本は、1942年にアメリカで出版されました。
58年前の絵本でありながら、全然古さを感じません。
今の日本にも充分当てはまります。
生活の便利さを追求するあまり、意図も簡単に行われてる自然破壊をもう一度考え直す時が来ているのかもしれません。
2000/10/23 09:48
本当に運がよかったのかな?
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オオカミのウルが、おひるね森で 昼寝をしているこぶた達を見つけます。
それも数え切れない程たくさん。
# こぶたたちも無防備です(^^; まるで、「どうぞ、食べてください…。」と言っているみたい(笑)
自分一人では、到底食べきれないと思ったウルは、友だちを呼びに行きます。
友だちのうちで、喜び勇んで、
「おひるね森に行ったらさ、いっぱいの…。」
と、言いかけた途端、ワオーは、「…しいたけ」と言い きのこカレーを御馳走してくれます。
ガルルは、「… りんご。」 アップルパイを…
皆、違ったものを おひるね森で収穫したのです。そのたび 沢山御馳走され、お土産までもらって帰るウル。
# そんなに沢山食べたら、こぶた達を食べられないよ〜。
オオカミだけど、ちっとも怖くなく、とても愛嬌のあるオオカミで描かれています。
鍋でカレーを貰って帰る所なんて、生活臭があふれています。
沢山友だちと食べて、「今日はなんて運がいいんだろう。」と思い、
肝心なことは忘れている呑気なウルです。でも、そこが、いいところ。
最初のハラハラドキドキは他所に、とても 楽しい絵本です。
紙の本めっきらもっきらどおんどん
2000/10/19 08:31
夢あふれるファンタジー絵本
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遊ぶ友達の見つからなかった かんたは、しゃくだから、
神社の木の下で めちゃくちゃな歌を大声で歌いました。
… めっきらもっきら どおんどん
すると、その歌を聞いたおばけたちが、穴の中にかんたを誘います。
落ちた穴の中には、へんてこな3人組のおばけが…
おばけだけど、ちっとも怖くありません。
愉快で子どもと一緒に遊ぶのが大好き。そして、泣き虫なおばけたちです。
かんたは、おばけたちと 空を飛んだり、宝物を交換したり、なわとびをしたり
とことん遊びます。読んでるほうが疲れそう(笑)
子どもって、中途半端な遊びでは満足しないのかもしれません。
ここまで、徹底して一緒に遊んであげたら 大満足でしょう。
おなかが空いたら、おもちのなる木でおもちをたべます。
柔らかくて、とっても美味しそう。とてもリズミカルな絵本です。
♪ めっきらもっきら どおんどん … と唱えて
あなたも ファンタジーの世界へどうぞ(^^)/
2000/10/09 14:29
ふくろう親子の愛情を描いた心温まる絵本
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ふくろうぼうやは、とても知りたがり屋。
お空にはどれくらいの星があるの?お空はどれくらい高いの?
と、お母さんに次々に質問をしていきます。
このお母さん、すぐ答えを出すのではなく、(なかなか答えのでない質問ですが)
まず、ぼうやに調べさせます。
--- 自分で星を数えてごらん。どのくらい高いか飛んでみてごらん。
ぼうやは、数え切れない星があること、そして、とてつもなく空は高いことを身を持ってしります。
ふくろうのお母さんの寛大な心に、ぼうやの好奇心はますます旺盛になります。
ぼうやは、ある日、お母さんに言いました。
「ぼく、おかあさんが だあいすきだよ。」「どれくらい?」と問うお母さん。
「お空の高さと同じくらい、海の深さと同じくらい だいすき。」
2羽が、一本の木の枝で寄り添い、語りあっている姿を見て 胸が痛くなりました。
知識って、無理矢理詰め込んでも増えるものではありません。
自分で知りたい、やりたいと思う気持ちがあって、初めて身につくものではないでしょうか。
そして、それを見守るお母さんの優しい眼差しが、ぼうやの知識欲、そして、
心の成長を助けている気がしてなりません。
ふくろうの親子の愛情を描いた心温まる絵本。
紙の本ネコとクラリネットふき
2000/10/03 08:03
猫好きにはたまらない絵本
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表紙は、とてつもなく大きなネコとその背中にまたがるクラリネット吹き。
街の皆は、びっくりしながらも笑顔で彼らを迎えています。
玄関の前にいた 迷子の白ネコは、最初は、人並み(ネコ並み?)のネコでした。
でも、ミルクを出しても飲まない…アジの干物も食べない そんなネコだけど、
ぼくが、クラリネットを吹くと なぜか身体どんどん大きくなっていきます。
次の日も次の日も…ネコはクラリネットの音色を聴きながらだんだん大きく…
そして、ぼくの留守の間は、ヘッドフォンで音楽を聴いているので ますます…(^◇^;)
終いには、家を壊すほどの大きさになってしまいます。
大きいけど、ばけネコとは違います。
ネコの上でお昼寝が出来たら、ふかふかして気持ちがよさそう。顔がほころびます。
全体がパステル調の淡い色使いで描いてあります。
可愛くて可愛くてネコ好きにはたまらない絵本です。
紙の本おじいさんならできる
2000/09/29 10:34
いつも優しく包んでくれる素敵なおじいさん(^^)
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ヨゼフが赤ちゃんの頃に、おじいさんが願いをこめて、ブランケットを縫ってくれました。
きれいなお星様が描いてある とても素敵なブランケットです。
でも、ヨゼフはだんだん大きくなるにつれ、ブランケットは汚れて古くなっていきます。
…ここまで読むと、『ジェインのもうふ』を思い出します。
でも、ここからが違います。
器用なおじいさんは、ブランケットをジャケットにリフォームしてくれました。
それでも、ヨゼフの身体が大きくなるにつれ、また古くなります。
次は、ベストにリフォーム、そして、ネクタイ、ハンカチ… と 最初のブランケットが姿を変えていきます。
着れなくなったから、捨てるのではなく、どんどんリフォームして違うものに生まれ変わる…
ヨゼフとおじいさんが ものを大切にする心に胸を打たれます。
おじいさんが、布を切るたび、床下に布が落ちていきます。
床下では、ねずみたちが、その布を使って、洋服やカーテンを作ったり…
また別のストリーがあります。
「おじいさんならできる」 きっとヨゼフにとって、おじいさんは
何でもできるとても頼もしい存在なのでしょう。
おじいさんの優しい目を見ていると、ブランケットのように
いつもヨゼフを包んでくれる気がしてなりません。
2000/09/18 13:45
生活科、理科の植物はこれでばっちり!
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サフラン(秋咲きクロッカス)の栽培方法がしりたくて、
この本を購入してしまいました。
身近な朝顔、ひまわり、チューリップからキノコまで、
豊富な写真とイラストでとても丁寧に栽培方法が書いてあります。
初歩の段階からの説明、そして、すべてルビが振ってあるので、1年生からOKです。
水栽培の仕方、花壇への植え方、種の保存、育てるコツなど情報満載。
また、生活科、理科何年で習うかも記してあります。
小学生のいる家庭に1冊あると 重宝するかもしれません(^^)
紙の本くまさぶろう 改訂新版
2000/09/14 10:58
悲しい気持ちを盗んで。
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くまさぶろうは、泥棒の名人です。
子どものスコップを、コロッケを 傘を…と次々盗んでいきます。
子どもの絵本なのに…こんな悪い事書いていいの〜〜〜
と思ってしまいますが、どうぞ、ご安心を(^^)
くまさぶろうは、モノだけではなく、人の心も盗むことができます。
まず、レストランでおなか一杯になった人の満腹感を盗みました。
次は、転んでおでこに こぶたんの出来た女の子の痛い気持ちを…
女の子は元気になったけど、痛いのはくまさぶろう。
それから、くまさぶろうは、悲しい泣きたい気持ちを次々と盗んでいきました。
私なら嬉しい気持ちを盗むのになあ(笑)
くまさぶろうは、自分の胸が張り裂けそうなのに、喜ぶ人の顔を見ると嬉しくなりました。
くまさぶろうの優しさに、私まで胸が痛くなりました。
くまさぶろうは 今も旅を続けているそうです。
悲しい気持ちを持つ子どもの心を盗んで欲しいです。
いつも笑顔の子どもたちがいっぱいだと嬉しくなります。
紙の本こんとあき
2000/09/07 08:43
「こん」みたいに、縫いぐるみがお喋りしたら楽しいだろうなぁ。
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林明子さんの数多くある著書の中で、私はこの絵本が一番好きです。
本当に、縫いぐるみが「こん」みたいに動いたら、どんなに楽しいでしょう。
「こん」は、おばあちゃんが作ってくれたきつねのぬいぐるみ。
「あき」が生まれるので、お守りを頼まれ、さきゅうまちから来ました。
「こん」と「あき」はいつも一緒。
「こん」と同じくらいの大きさだった「あき」もだんだん大きくなりました。
しかし、こんは、だんだん古くなっていき、
ある日、ついに、腕がほころびてしまいました。
そこで、さきゅうまちのおばあちゃんに なおしてもらうことに…。
「こん」と「あき」の旅が始まります。
一緒に電車に乗って、おばあちゃんちまで。
一人だと怖いけれど、「こん」がいるから大丈夫。
まるで、「こん」は、「あき」の世話をよくしてくれるお兄ちゃんです。
「あき」の為に お弁当を買いに行ったり、「こん」の動作がとても可愛くて抱きしめたくなります。
砂丘で犬に「こん」が襲われ、「あき」はボロボロになった「こん」をおんぶして頑張りました。
可愛いだけの絵本ではありません。
助けて、また、助けられる 「こん」と「あき」の強い絆が描かれています。
最後に「こん」の型紙もついています。「こん」を作って…とおねだりする子どもが多いはず。
紙の本さいごの恐竜ティラン I’ll stay with you
2000/08/05 13:47
心が寂しい時に是非。
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心が寂しい時、人を信じることが出来なくなった時、私はこの本が読みたくなります。
5個の卵を産み、無事 我が子がかえった喜びも束の間…
お母さんザウルスは、エサを探しに行ったきり、帰ってこないお父さんザウルスを捜しにいきます。
しかし、その隙に、子供たちは無残にも皆食べられてしまいます。
骨だけの姿で発見されたお父さんザウルス、そして、途方にくれるお母さんザウルス。
その震えている弱々しい後ろ姿に涙を誘います。
ある日のこと、お母さんザウルスは、夫や子供を食べた肉食ザウルスの卵が落ちているのを見つけます。
親を亡くした卵、そして、子供を亡くしたお母さんザウルス。
子供には何の罪もない、どんなに憎いザウルスの子供でも、新しい命には変わりない。
優しいお母さんザウルスは、その卵を温めます。
我が子に生命保険をかけ殺す親、虐待 TVをつけると悲しい事件ばかり流れてきます。
お金の為、生活の為 意図も簡単に殺されてしまう幼い命。悲しくなります。
自分がたとえ死んでも守り抜きたいもの…それは我が子。
氷河期が訪れ、お母さんザウルスは肉食竜の我が子の為に 自分の身体を差し出します。
大好きなお母さんを食べられるはずない…
涙ぽろぽろでなかなか最後まで読めません。素晴らしい親子愛を描いた作品。
ルビが振ってあるので子供にも読めます。