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  3. 石曽根康一さんのレビュー一覧

石曽根康一さんのレビュー一覧

投稿者:石曽根康一

54 件中 31 件~ 45 件を表示

紙の本ハルキ・ムラカミと言葉の音楽

2007/09/10 23:46

本格的村上春樹論

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『ノルウェイの森』や『ねじまき鳥クロニクル』の英訳者の村上春樹論である。全体的に、ていねいに作られている感じがする。
著者は、大学の教授としてのキャリアもあってか、この本には、注釈もついていて、かゆいところに手が届くような感じになっている。
本の内容としては、村上春樹のデビュー作から、『アフターダーク』まで、まんべんなく触れられている(と思う)。
村上春樹からの私信や彼のアメリカでの講演なども織り交ぜてあるので、彼の肉声を聞いている感じがして、彼の作品の魅力にひきつけられた読者としては、興味深いと思う。
ところどころで、作品に対して、疑問のようなものを提示している点についても(たとえば、『海辺のカフカ』について)、個人的に同意できて、共感できた。また、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を高く評価している点も個人的に同意できた。
「付録」として、村上春樹作品とその翻訳についても書かれている。これも興味深かった。彼の作品が本当にグローバルに読まれていること、そして、翻訳する上で、議論となる点があることが理解できた。その上で、著者は、自分の態度をはっきりしていて、好感がもてる。
とにかく、村上春樹に興味のある人なら読んで損はないと思う。ただ、ちょっと気になる点は、値段が高いところか。

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熱い脳科学者の日常

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

茂木健一郎さんが書いているブログ「茂木健一郎 クオリア日記」をまとめたもの。
章立てになっていて、文章が並んでいる。
それぞれの文章に日付は入っていない。
そのため、時系列はよく分からないが、
それはあまり重要なことではないように思える。
とにかく、読み物として、面白いし、疾走感がある。
彼が書くことには興味深い点が多いのだが、
判断を保留したくなることもある。
たとえば彼は、「いまは、「公正な」戦争などない」という。
それが正しいのかどうかは僕にはよく分からない。
彼は言ってみれば天才か秀才である。
その彼と僕の間に知識の非対称性があるのはしかたがない。
だから、彼の日記を読んで、ちょっとびっくりすることもあるのだが、
「そうか、茂木さんは、こう考えるのか」と参考になる。
彼は、現代の日本が「スカ」に汚染されていることに悩んでいるように見える。
ひるがえって、僕自身を考えてみると、自分がやっていることは、「スカ」ではないかといえば、考え込まざるをえない。はっきりいって、自分のやっていることは「スカ」かもしれない。
そういう意味で、熱く生きる茂木さんから、叱咤されているような気分にもなった。
全体的には読みやすくて、いい。
ちなみに、ブログは、いまも、基本的に毎日更新されています。

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紙の本ペンギンの憂鬱

2007/04/11 13:09

ペンギンと一緒に

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は、「ウクライナ在住のロシア語作家」という。
この作品は、ロシア文学の範疇に入れていいのかどうかは、よく分からないのだが、いいとすると、人生で初めて読んだ(たぶん)ロシア文学がこれです。
ドストエフスキーよりも、トルストイよりも先に読んでしまった。
内容は、うまく小説の書けない「一応小説家」と彼の飼っているペンギンを中心として、回っていく物語です。
表紙の絵から、「けっこう、ほのぼのした話なのかな?」と思ってましたが、そうでもありません。
ここで書かれている社会は、けっこう物騒です。
そういう物騒な感じで、読者を引き込ませるところは、サスペンスっぽいところもあります。
他にもこの作品の魅力はあるでしょうが、
やはり、ペンギンが、いいポイントになっています。
文章自体も、細かく区切られているので、長いものをだらだら読む必要がなく、読みやすいのも好感が持てました。

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去年を地球防衛家のヒトビトを通して振り返る

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

待ちに待った新作が発売された。
朝日新聞の夕刊に連載中の「地球防衛家のヒトビト」。
この本には、2006年1月4日から2006年12月28日までのマンガが載っている。
一年前の出来事なのに、けっこう忘れていることもある。
BSEに関することとか、WBCとか、トリノ・オリンピックとか、ワールドカップとか。
「そうか、去年は、こんな年だったのか」と振り返ることができる。
そういう時事問題に、地球防衛家のヒトビトはときに、憤りながら、ときに、笑いながら、過ごしていく。
そういう、時事ネタのあいだに挟まれている何気ないことを題材にしたマンガも魅力である。
時に、悲惨な事故などに対して、それを時事ネタとして扱うことには、難しさもあると思うのだが、このマンガでは、ぎりぎりのところで、下品になっていない。
個人的に好きな、「ムスメ」の会社でのやりとりも、今回もたくさん収録されていて、よかった。

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紙の本水と水とが出会うところ

2007/03/27 10:55

やっぱり、詩はいい

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人生には苦境がつきものだ。
そんな時、人はしばしば本を求める。
そしてそこに書かれた文章に身を沈め、現実の壁を忘れる。
この本には、たくさんの詩が収められている。
どの詩もどこかいい。
どこがどういうふうにいいのかといわれると、
なかなかうまく説明できないのだが、
なかなかうまくいかない結婚生活だったり、
ふと目にした光景だったり、
そういうものが詩としてうまくまとまっている。
個人的には、追いつめられた気分のときは、短い文章の方が、読みたくなる。
まあ、もっと追いつめられたら、ベッドに入って寝るだけだが。
そういう意味で、詩はあまり気分がすぐれないときでも、読みやすいのである。短いからね。
そして、短いけれども、詩は、読者に様々なイマジネーションを与えてくれる。
散文的な、乾燥した感じではなくて、
もっと湿度の高いしっとりとした感じを与えてくれる。
やっぱり詩っていいなあと思ったのでした。

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紙の本大聖堂

2007/03/27 10:46

アメリカ的短篇集

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

レイモンド・カーヴァーという人はこのシリーズで始めて知った。
村上春樹さんが翻訳をしていることから手に取ったわけだが、それなりに楽しめた。
「羽根」「シェフの家」「保存されたもの」「コンパートメント」「ささやかだけれど、役にたつこと」「ビタミン」「注意深く」「ぼくが電話をかけている場所」「列車」「熱」「轡」「大聖堂」という短篇小説が収められている。
しばしばこの小説集には、アルコール中毒の人間が出てくる。序文や解題を読む限り、レイモンド・カーヴァー自身もアルコール中毒に苦しんだ経験があったそうだが、アルコール中毒の人のための施設というものが、どこか、『ノルウェイの森』の直子が入っていた施設を連想させる。
もしかしたら、村上春樹さんは、この辺からも着想を得ていたのかもしれない。
解題で村上さんが自身のベスト4を挙げているので、
ぼくも個人的なベスト4を挙げるとすると、
「コンパートメント」「ささかやだけれど、役に立つこと」「熱」「大聖堂」となる。
このシリーズ全体で、アメリカの作家の翻訳を村上春樹さんの翻訳で読むことができる。これからも刊行されるだろうから、チェックしていきたいと思う。

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紙の本たちの悪い話

2007/03/24 08:02

たしかに、「クセになる」

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

帯には、「クセになる、爽快な黒さ」と書いてある。
なぜこの本を手に取ったのかというと、その表紙にある。
わけが分からない絵。
卵から生まれている象にタコがからまっている。
なんじゃこりゃ?
でも、翻訳は、柴田元幸さん。
ということは、おもしろいのか?と思って買ってみた。
前半は、病院の待合室で読んだのだが、
だんだん腹が立ってきた。
こんな、不正義な物語を書くなんて!
と思った。
そして、後半は、家に帰ってきてから、読んだ。
家に帰ってきて、一人でひっそりと読むと、
読んでいる途中、ニヤニヤしている自分がいた。
僕は、すっかり、この本にはまってしまっていたのである。
たしかに、「クセになる」な、と思ったしだいです。
いわゆる「超短編」とでもいうべき小説が43本収録されている。
日本人に分かりやすいように説明すると、星新一のショート・ショートをさらに短くして、にがい味わいにしたもの、といえばだいたいの雰囲気は分かっていただけるかもしれない。
僕は、著者のバリー・ユアグローさんの他の本も読んでみたいとおもった。
ちなみに、新潮社のyomoyomoのvol.2にもバリー・ユアグローさんの超短編が2本載っているので興味のある方は、そちらもどうぞ。

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It’sMURAKAMI

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「今、読みたい新潮文庫2007」に選ばれていて、その帯がついていたので買ってみた。村上春樹さんの作品を読むのは『ノルウェイの森』から2作目。
本書では、「私」が所属する、「ハードボイルド・ワンダーランド」と、「僕」が所属する、「世界の終り」という二つの世界が交互に語られていく。
「ハードボイルド・ワンダーランド」のミステリアスな始まり方は、読むものを物語の中に引き込んでいくだろう。そして、始まっていく、ある意味冒険譚。その間に挟みこまれる「世界の終り」という静謐な物語。
一体、これらの二つの世界はどうなっていくのか。もちろん、上巻を読んだだけでは、結論は出ない。しかし、最後まで読んでも「結論」は出ないのかもしれない。
この作品でも、ジャズや食べ物など、『ノルウェイの森』でも見られた小道具が頻繁に用いられる。そして、「私」も「僕」も色々なことを考える。それは、ストーリーに直接関係のあることもあるが、関係のないことも多い。
しかしそうやって、「私」や「僕」の思考様式を追っていくうちに、いつのまにか、読者は、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の世界に引き込まれていく。
表紙をめくったところについている「世界の終り」の地図も物語の雰囲気を高める役割を果たしている。
このあと、どう物語が進んでいくのか、下巻を読んでみたいと思います。
僕にとっては、「続きを読んでみたい」と思わせるくらい面白いです。

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紙の本アイムソーリー、ママ

2007/02/17 19:05

突破してください

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まあ、僕にとってはバイブル的な小説です。
著者の筆致がとてもいい。
三文小説のような筋も混ざっており、
もう、
純文学かエンターテイメントか
なんて枠組みけんけーねーよ、
という感じで最高。
自らの毒を自覚すべし。
自らの殺人者を、
自らの放火者を、
自らの虐待者を。

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紙の本ちんかめ おしゃれなヌード 3

2007/02/14 18:19

裸体を見るってどういうことなんだろう?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本は、bk1ポイントで買わせていただきました。ビーケーワンの方々にまず感謝。
この本は、『smart』という雑誌の「ちんかめ」というコーナーをまとめた最新版である。
んー、ここまで書いてよく分からない、というか、なぜかビーケーワンでは、本の表紙の画像がないので、分からないかもしれないが、女性のヌードがいっぱいの写真集です。
ぼくは、前作の文庫版の「ちんかめ」を買って、その「明るい」ヌードに何か印象的なものを覚えた記憶がある。
「週刊プレイボーイ」の愛読者である僕から見ると、知っている人がモデルとなっていて、「あーあの人が出ている」と思うこともちらほら。
でも、僕が書きたいのは、そんなことではなくて、裸体を見るってどんなことなんだろう、ということだ。
果たしてそれは、単なるオナニーの補助手段でしかないのだろうか。答えは、否だろう。それは、「見る」という行為に対する客体として十分な存在感をもっている。
まあ、「ヌードの歴史」というような本を読めばいいんですけどね、でも、改めて、女性の裸体(それは、風呂に入るときに見る自分の裸体とは異なった特徴を持っている)を見続けていると、改めて、「そうか。人間ってみんな服を着ているだけで、服を脱いだら、裸なんだよな」という当たり前のことを認識する。オフィス街を歩いていても、商店街を歩いていても、住宅地を歩いていても、そして、自分の事を見ても、みーんな、「服を着たヌード」なのだ、ということを思いました。

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紙の本傘の死体とわたしの妻

2007/01/14 22:05

こ・と・ば・は・い・み・を・も・つ?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

詩とは何か。
言語表現を極限まで推し進めた表現形態である。
と一応いえるが、推し進め方が素人にはどうもわかりにくい。
悩んでるくらいなら、先端を味わっちゃえ!
と言うことで、本書をお勧めする。
詩を、現代詩を読んだことのない人にも。
意味は、わからない。
分かるようなところもあるが、
よくわからない。
ただここには、たしかに、「日常」には、ない言葉の使われ方があり、その言葉の使われ方から発生する、というか、それを読んでいるときに、感じる「何か」がある。
それは、「違和感」かもしれないが、それでも、詩は存在する意味を持つのではないだろうか。
言葉の可能性を知りたい人に。
言葉の多様性を知りたい人に。
お勧め。

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紙の本トロムソコラージュ

2009/06/04 23:18

この文章を書くまで1~3

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1.詩集を買うまで
 お金がある程度あります。どの程度か?と問われれば2000円弱と答えましょう。ハードカバーの文芸書を一冊買えるくらい。厚い文庫本の分冊を揃えられるくらい(もちろん揃えられない場合もありますが)。
 買い物に行きます。近所のスーパーに。スーパーといってもスーパー銭湯ではありません。もちろん2000円弱でお風呂に入って、ビールでも飲んですっきりしてもいいのですが、今日はそうするつもりはありません。またの機会にとっておきましょう。何を買うのか?と問われればA4のファイルだと答えましょう。インターネットには情報があふれています。新聞社のサイトを見ていると、印刷したいときが出てくる。うまい具合に、「この記事を印刷」というアイコンがある場合もあります。そういう紙が一枚、二枚……。ちりも積もれば山となる。150枚収められるファイルがもうすぐいっぱいです。だから新しいのを買うのです。
 自宅からスーパーまで歩いて20分くらいかかります。決して楽な道のりではありません。しかし今日は晴れていました。しかし私はなぜか雨の日のことを思ってしまうのです。雨の日に同じようにそのスーパーに歩いて行ったことが何回もあります。傘を持ち、ズボンの裾は濡れ、ザーという音を立てながら車が横を通り抜けていく。しかし今日は晴れているのです。
 スーパーに着くと、まず文房具売り場に行って、ファイルを買います。ファイルのある場所に行ったのですが、「B5」「A4」などファイルの大きさを表す記号が小さい。そんな小さい表示だと、なんだか心細くなって、A4のコピー用紙が置いてある場所までファイルを持っていって、大きさをたしかめます(「A4」と小さく書かれたファイルはたしかにA4の紙を収めることができそうでした)。
 お金を払います。400円しませんでした。意外に安くてびっくり。まあ、プラスチックと金属でほとんど構成されてますからね。
 文房具売り場の隣に本屋があります。うすうす気づいていたのでした。谷川俊太郎の新しい詩集があるであろうことを。そしてその詩集の値段は1500円(税別)であろうことを。出版社のサイトを見ていればそういう情報は入ってくるものです。で、棚を見る。あった、たしかにある、『トロムソコラージュ』

2.詩集を読み終わるまで
 この詩集には6+1の詩が収められています。全部で110ページ程度。『1Q84』と比べればずっとずっと薄い。
 僕は普段あまり詩集を読みません。好きな詩人、といわれても五人も名前を挙げられないくらいです(ポピュラー・ミュージックのシンガーソングライターを除外すると)。
 でもこの詩集はとてもいいです。わずかに一行だけ、僕には同意できない行があるのですが……。

3.この文章を書くまで
 僕は日記帳を広げ、『トロムソコラージュ』を読んだことを書きます。「よかった」と。セックスの後の女の独り言のように。で、もしかしたら自分が書きたいのは詩ではないか、とも思う。形から考えよう。何百ページもある長篇小説という形。100ページ程度の詩集という形。自分がどちらかを出版する機会があるとしたら、自分の気持ちにそっと、ぴったりと、寄りそうのはどちらなのだろう、と。
 「あとがき」で谷川俊太郎は興味深い指摘をしています。「詩と物語のバランスが、特に実人生の上では大切だと遅まきながらも私も気づき始めていて、そのせいか短い詩を書いていても、そこに物語的な要素が、知らない間にフィクションの形で紛れこんでくることに気づいたのはここ十年ほどのことかと思う」
 たしかにこの詩集に収められた詩にはどれも物語的な要素があります。それがすごく僕の心になじみました。(自分もこんな風に書いてみたい)と思わせるほどに……。
 日記帳を閉じ、一度つけたボールペンのキャップを再びはずし、私はB5の紙に文字を書きつけます。そうしてできたのが、今あなたが読んできたこの文章なのです。

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紙の本ウルトラマリン

2007/09/28 20:27

カヴァーの詩

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回もレイモンド・カーヴァーの詩を堪能できた。
たしか、『ファイアズ(炎)』について、
「あまり幸福ではないアメリカ人の生活」というようなことを書いた気がするのだが、
この本を読んでいて、
幸福とか不幸とかそう簡単に割り切れるものではないなと思った。
前言を撤回したい。
村上春樹が彼の詩を日本に紹介したことの意義は大きいと思う。

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紙の本ファイアズ〈炎〉

2007/09/12 12:47

エッセイ・詩・そして小説

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

レイモンド・カーヴァーのエッセイ・詩・小説が収められている。
レイモンド・カーヴァーの文章はどこか不思議な感じがする。
エッセイはエッセイらしく、詩は詩らしく、小説は小説らしいのに、どこか共通の「匂い」のようなものがある。
それは決して幸福とはいえないようなアメリカ人たちの生活臭なのかもしれない。
彼のエッセイを読むと、自分と父親の関係を考えたくなるし、文章を書くということについても考えたくなる。
彼は、何度も作品に手を入れたりすることを好んだようだ。
この点、短編小説への姿勢という点で、彼は、村上春樹(訳者)と共通点があるように思える。

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紙の本大統領の最後の恋

2007/05/01 22:01

一人の男の半生を体験できます

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読み終わったあとの感想をなかなかどういっていいのか分からない。
長い小説だった。
三つの時間軸が、交互に語られていくという斬新な構成で、長いながらもなんとか読み通すことができた。
一つ一つの要素は短いので、短篇小説をいくつも読んだ気になる。
そして、それらは、互いに緩やかに連関しあっている。
『ペンギンの憂鬱』も一つ一つの項目は短かったから、この作者の得意な書き方なのかもしれない。
惜しむらくは、僕が、ウクライナの政治情勢などをまったく知らないということ。
そういうことに詳しければ、この小説はもっと楽しめたのになと思う。

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