れじーさんのレビュー一覧
投稿者:れじー
紙の本王都炎上
2002/04/01 00:08
天野喜孝さんの絵、これがまた良い。
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中世ペルシアに似た異世界に、近隣諸国に無敵を誇る強大国パルス王国がある。これはそのパルス王国の王子アルスラーンの物語である。
ある時、友邦であるマルヤム王国を滅亡させてルシタニア王国軍がパルス王国へと侵攻してきた。パルス王国軍の兵士は誰一人として戦いの勝利を疑うものはなかった。しかし、味方の裏切りによってあっけなく敗れてしまう。アルスラーンの父であるパルス国王のアンドラゴラスは、形勢を立てなおそうと王都へ逃げる途中で銀仮面の男に捕まってしまい、ここでパルス王軍の完全敗北が決定した。パルス王国の若き武将であるダリューンは、味方とはぐれ敵に囲まれてしまったアルスラーンを助けて友人ナルサスのもとへと向かい、わずかな仲間と共に故国の奪還をめざすこととなった。銀仮面との因縁の対決の幕開けである。
田中さんの小説では登場人物に美男美女が多い。このシリーズも例外ではない。そして敵味方ともに非常に魅力的である。物語は淡々と進んで行くが、決して飽きることはない。それどころかどんどん物語りにはまっていく。また、登場人物の会話も淡々としているのに、それぞれ個性的でとても面白い。これから続く壮大な物語の幕開けにふさわしい一冊である。
紙の本孤島の鬼
2002/03/28 01:09
江戸川乱歩独特の雰囲気
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孤島にひっそりとたたずむ古城、迷路の洞窟、そして奇形の製造など、乱歩らしい要素が詰め込められた作品である。これらの要素が巧みに合わさって、思わずぞくっとするような、なんとも言えないおどろおどろしい雰囲気を醸し出している。これだけ独特の雰囲気を持っている小説は他に類をみない。
謎解き部分は最初の3分の1程度で終わり、推理小説としては変わった位置付けになると思う。後半では殺人事件の背後にあった、暗く、深い因縁の話について書かれていて、この部分においてはミステリーというよりもむしろホラーである。
最後の最後まで不気味なかんじであり、すっきりしない感じがした。しかし、この妙に陰鬱な雰囲気が何とも言えない。
紙の本算盤が恋を語る話
2002/06/28 02:15
全体としての評価は星4つ
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本書には短編10作が収められている。
やはり江戸川乱歩は長編小説も良いが短編もいい味を出している。
以下それぞれの作品について一言ずつコメントと評価をする。
『一枚の切符』…★★★★
短い割に内容は濃い。謎解きも面白かった。
『恐ろしき錯誤』…★★★
100点だと思ったら名前を書き忘れて0点になってしまった。
そんな感じの短編。
『双生児』…★★★★
双子の入れ替わりは今ではよく見られるトリックである。
指紋の話は割とよかったと思う。
『黒手組』…★★★
暗号文が初めの方に載っているのは読者に対する挑戦だろうか?
トリックは結構簡単にわかる。
『日記帳』…★★★
何だろう、これは。かなりワケがわからない作品。私は割と好きだが。
『算盤が恋を語る話』…★★★
イマイチ。主人公のTは下手をしたらストーカーである。
『幽霊』…★★★
現在の社会では、生きている人を死んだようにみせかけるのは難しいだろう。
この世には幽霊など存在しないのである(もし存在するのならば、私見えるように出て来い)
『盗難』…★★★★★
これは面白い。トリックがわかった!と思いきやどんでん返しが。
前半だけで終わってたら面白くもなんともないが、後半の偽札のネタががよかった。
『指輪』…★★
乱歩本人の評価はかなり悪いようだ。事実、あまりよくなかった。
最後にどんでん返しがあるが、意外性がなくありきたりなもので終わっているのが残念。
『夢遊病者の死』…★★★★
氷を使ったトリックはよく見かける。偶然は怖い。
本書の最後には江戸川乱歩の自註自解があるのでそちらも読んでみると、自分の感想と作者の意図がどれだけズレてるかわかって面白い。是非読んで比べてもらいたい。
紙の本パワー・オフ
2002/06/24 00:57
ウイルスは怖い
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ウイルスによってコンピューターが誤作動し、実習中の高校生が手に穴を開ける大怪我をしてしまう。
モニタには「お気の毒さま」というメッセージが表示されて…
この通称「お気の毒さまウイルス」が広まったところから事件が始まる。
一旦はワクチンによってウイルス騒ぎは収まるが、その後ウイルスはアルファというソフトとくっついてしまう。
アルファというのは人口生命で自らを進化することができるため、ウイルスをくっつけた(というより同化した)ままどんどん伝染していく。
進化し続けるものだからワクチンも作ることができず、最後には…!
この本が出たのはもう8年も前だが、コンピュータを題材に扱ったにもかかわらず、まったく古臭い感じがしない。
むしろこれから先こういうことが起こってもおかしくはないのではないかと思った。
収集のつかなくなったウイルスをどうするのか、衝撃のラスト!
紙の本BASIC英米法辞典
2002/06/24 00:29
英語の文献読むならコレ!
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法律系の英語の文献を読むときにとても役に立つ。
必要最低限のことしか書いてないが、コンパクトで持ち歩きに便利。
また、私はこの辞典を大学院受験の英語の勉強に使っていたが、大変使い勝手が良い。
英語で法律系の大学院を受けるなら、この辞典が心強い見方になること間違い無し!
紙の本ロングマン現代英英辞典 Longman dictionary of contemporary English 3訂新版 第2版
2002/04/05 02:45
一家に一冊
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初めてロングマンの辞書を買ったのは中学生のとき。塾の先生が紹介していたのがきっかけだった。先生曰く「この辞書で例えば【猫】をひくと”足が四本で……”と載っている。」。随分とユーモラスな辞書だ。それ以来大学生になっても愛用しているロングマンの英英辞典。面白い。辞書で面白いと感じたのは初めてである。使い勝手もいい。そこいらの英和辞書よりもずっと使いやすい。
他の英英辞典のことはよく知らないので比較できない。しかし、これを買って失敗だと思う人はいないはずだ。
紙の本日本一の男の魂(ヤングサンデーコミックス) 7巻セット
2002/04/03 03:59
きっと作者は女子高生が好きなんだろうなぁ…
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下ネタギャグマンガ。そっち系のいらない知識が増える事間違いなし。女子高生とルーズソックスと厚底ブーツと女王様がよく出てくる。きっと作者の趣味だろう。各ネタの最後に男魂カードがついていて、EX(経験値)・LV(もてる値)・PW(体力値)・SP(男魂値)がある。しかし、それぞれの値がどういう基準でつけられているかは不明。たまに男魂カードと一緒に載っている変なアンケートが好きだ。
かなりお下品な内容であるが、面白いものは面白いのだ!
2002/04/03 03:36
試験前にはとにかく役に立つ
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他の用語辞典は説明中でも難解な言葉が使われていることが多く、用語を調べてその説明で分からない言葉があってまたその用語を調べて…の繰り返しになることが多い。本書はわかりやすい言葉で書かれているため、初心者には非常に使いやすい。また、読んだだけでは理解しにくいところも、図を使って分かりやすく説明されている。各法律によって分類されてあり、基本書と同じ流れで書かれているので、基本書を読みながら傍らに本書を置いておき、分からない事があったら見る、という使い方ができる。そして何といっても値段が良心的である。
辞典というより基本書を圧縮してわかりやすい言葉に書き換えた、という感じの本であるため、細かい用語については載っていない事がしばしばある。本格的に勉強をしようと思っている人には少々役不足であり、他の用語辞典がもう一冊必要になるだろう。
大学の期末試験にむけて、勉強をする前に範囲の部分だけ読むと流れや大体の内容が理解できるため、その後の勉強がやりやすい。試験前はかなり重宝している。初心者には大変オススメである。
紙の本未来は君のもの
2002/03/31 02:08
頑張れカシム!
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顔は良いが性格に少々難アリ(女性には優しいが男はゴミ扱い)の大魔法使いメルヴィと、ほとんど家政夫と化している弟子のカシム。
ある日カシムがメルヴィに弟子入り希望の三色頭(本名はティルツというが忘れられている)と朝食の準備をしていると、魔法使い組合の勧誘員アドルファス(メルヴィのせいで髪が白くなってしまった可哀相な人)がやってくる。
アドルファスの話によると魔法使い組合の最長老であるルカイヤという女性がメルヴィに会いたがっているので黄金の都に来て欲しいとのことだった。
女性には優しいはずのメルヴィが何故かこの話を断わり、代理としてカシムと三色頭が黄金の都にある魔法使い組合へ行くことになってしまった。
そこで出会った魔法使いのケイモスと魔法使い見習のミッフィーとともに騒動に巻き込まれてしまう。
メルヴィが餞別にとカシムに持たせたフライパンが大活躍。魔法のフライパンである。フライパンを持ちながら必死に敵と戦っている姿を想像すると思わず笑いがこみ上げてくる。
冴木さんの小説は主人公が不幸だというのは有名な話だが、この作品でも類にもれずカシム(とその周りの男性陣)はヒドイ目にあっている。メルヴィに蹴られるわ殴られるわ、その上燭台やら骨董品の槍やらを投げつけられるわ、とにかく生傷が絶えない。もっともそれで死人は出ないのだから、丈夫な連中だなとつくづく感心してしまう。
魔法使いとしての素質がないと言われても必死で勉強するミッフィーがけなげでカワイイ。そんなミッフィーを見てカシムも一歩成長。また、無理矢理魔法使い組合に連れられてきたせいで魔法嫌いのケイモスも、騒動をきっかけに自分自身を見なおすことになった。そんな3人に「頑張れ」と声援を送りたい気分になる。
なんとなく自分も「頑張らなくては」、という気持ちになった。
努力をすれば何でもできるというわけではないが、自分の力で歩んでいきたいのなら何かしらの努力は必要だ。
他人にムリだと言われても、やってみなくちゃわからない。
他人に敷かれたレールの上にいるのがイヤならば、抜け出すことができる。
未来は誰かによって決められるものではなく、自分自身で決めるものなのである。
紙の本幽霊男 改版
2002/06/27 01:24
幽霊男って名前のまんまです
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横溝正史の短編集である。
長編は面白いのに短編はそんなでもないという作家も多いが、横溝正史は短編も面白い。
私はこの短編集収録されている「薔薇王」という作品が一番のお気に入り。
それと気になったのが「黒衣の人」という短編である。
この短編のネタは色々なところでよく見かけるが、元ネタはきっとこの作品なのだろう。
いまいちすっきりしない作品もあったが、全体としてはあっさり読めるし面白い。
紙の本8の殺人
2002/04/05 00:05
変な形の家
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上空からみると8の字をしている館で起こった殺人事件を解いていく話。 長男の速水恭三は頭の堅い警部。事件が解けなくて、喫茶店経営者の弟慎二に相談を持ち掛ける。 そうすると話を聞いていた妹の一郎(いちお)が口をはさみ、自分の推理を披露してくれるが、その推理はいいとこまでいくが間違っていて、それを兄の慎二が訂正する。 そして最後には事件が解決する。ユーモアたっぷりの本格ミステリー。
残念なのは、特に際立ったキャラがいないことである。どの登場人物もわりと面白いのだが、いまいち個性が足りない。推理小説としてはそれなりに面白い。が、キャラで読む(つまりとにかくお気に入りのキャラが出てくれば、話はそっちのけ(汗))ことはできない。そんな理由から、イマイチな作品であった。
2002/03/29 03:03
ジョークがわかる人には面白い。
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これは読む人によって全く違った評価が得られると思う。このネタ(トリック)でこれだけ長い作品になるのもある意味すごい。途中でトリックがわかった人も多いだろうが、まさかこれだけ引っ張っておいてこんな単純なトリックではないだろうとドキドキしながら読んでいたが、思っていた通りの結末で呆然としてしまった。
正直言ってかなりくだらないし疲れる本である。読み終わったときのものすごい脱力感に襲われた。
しかし、これを駄作だと言って憚らない人もいるようだが、私は駄作だとは思わなかった。人間離れした探偵が数多く出てきて、皆個性的なのが面白かった。密室も暗号もトリック自体は本当にくだらないと思ったが、逆にそのくだらないところが面白かった。
あまりにもくだらないギャグを言うと逆にそれがウケる、というアレである。
というわけなので、「本格以外は絶対に認めない!」という人には面白くないだろう。
気を張りすぎてちょっと気を緩めたいと思っている人には最適の一冊。但し、疲れている人はさらに疲れが増す可能性があるので御注意を。
紙の本目で見る民法教材 第2版
2002/04/05 02:24
登記簿からバスの定期まで色々と!
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タイトル通り、書類の絵が載っている教材。失踪届やら公正証書やら各種契約書やら、民法の勉強で一度は耳にする(一度しか耳にしない)書類がたくさん。物件はほとんど登記だけ。親族・相続の範囲では婚姻届・離婚届等が。
別になくても勉強はできる。あっても大して使わない可能性あり。ただ、民法系の勉強でよく出てくる登記簿・有価証券、身近なものであっても意外とじっくりと見たことのない戸籍や遺言書などのイメージはしやすくなるといった利点はある。