私が好きなタイプの男が出てくる本!!

赤川次郎さんのこの作品を始めて読んだのは中学生頃かなあ。辰巳という殺し屋のキャラがかっこよくてかっこよくて、大好きになってしまったんですよ。最後死んでしまうのが悲しくてもう。友人にも同じようにこの辰巳に萌えてましたから、何か女子を吸引するものがあるんだと思います。で、何十年も経って先日久々に手に取って読んでみました。オバサンになってしまった今昔のような瑞々しい気持ちは抱けませんが、やはり「強い」「強引」そのくせ「はにかみや」私の好きな要素はばっちりはいっていました。はい。

この小説で一番強烈なキャラはゲイで腹の出たヤクザなんですが、私が好きなのは勿論彼じゃなくて彼が好きになる人生に半ばふてくされた飯場の隠れインテリ労働者のほうです。ただ、ヤクザが面白すぎて読了後はむしろタイプじゃないこの男のことで頭がいっぱいになります。他のどんな小説にも、見たことのないすごいおっさんです。

吉川英治作品、『三国志』と迷ったのですが今回はこちらで。主役の武蔵じゃないです、敵役の佐々木小次郎のほうが好きなんです。ガンダムでいうと赤い彗星のシャアですね。だから当然、三国志では曹操だし。主役ほどまっすぐな性格じゃなくて、ひねくれててプライド高くて扱いにくい男なんですが、そこがたまらないんですよー。ちなみにドラゴンボールではベジータ、北斗の拳だとラオウ。我ながら好みが一貫しているなと思います。

今更ですが。高校時代にホームズにはまってはまって、彼と結婚するためにベイカー通りに行こうとまで思い詰めていた時期があったんです。何を考えてたのか自分でも謎です。でも、ちょっとキザで神経質な感じにやられちゃったんですよね。推理小説としてはドイルよりクリスティのほうが好みですけど・・・。

作者の平山夢明さんは本人も男っぽくて素敵ですが、時折このボンベロのように妙に色気があってかっこいい男を描きます。現実感がまるでない世界だからかえって心地いい残酷描写、その血まみれの世界に佇む傷だらけの孤独な男。ちょっと映画『レオン』を彷彿させます。