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聖徳太子は実はいなかった!?日本史最大の謎に近づくための本
数々の伝説や逸話が残され、昭和時代にはお札の肖像画にも使われていた聖徳太子は、日本で最も有名な歴史上の人物のひとり。ところがこの時代についてはまだ十分に解明されていないことが多いため、聖徳太子の存在そのものに異論を唱える説が実はあるのです。さまざまな主張を読み比べて、古代日本へ思いを馳せることができる本を紹介します。
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有力者としての厩戸王は実在するが、歴史に残る偉人ではなかったという「聖徳太子虚構説」をわかりやすく論じています。著者が主張するのは、日本書紀の作為的な編纂と彼の存在を証明する確実な資料がないこと。では日本人が「聖徳太子」を必要としたのはなぜなのか?通説に真正面から反論する、読み応えのある一冊です。
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聖徳太子 実像と伝説の間
石井 公成(著)
資料を正確に読み込んで、聖徳太子の実像を明らかにしようと試みています。仏教に関する文献あるいは考古学や美術史なども取り入れた結果、虚構説派の主張とは違って、日本書紀は比較的史実を反映していただろう著者は指摘します。どの説を信じるにしても、聖徳太子研究の入門書として、手元に置いておきたい一冊です。
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完本聖徳太子はいなかった 古代日本史の謎を解く
石渡 信一郎(著)
日本書紀は、政権争いの勝者である藤原氏が自分たちを正当化していると著者は考えています。実は蘇我氏が天皇家であったことを隠蔽し、つじつまを合わせるために、何人もの天皇と聖徳太子を創作。1人の実在の人物を蘇我氏、天皇、聖徳太子にわけて書き残したというセンセーショナルな説には、驚かされるでしょう。
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聖徳太子の功績を年代に沿って追うとともに、当時の外交政策や他国との関わりについても詳しく触れています。多角的に史料をあたり、当時の日本を客観的に浮かび上がらせる運びは見事です。若くして国際舞台に登場して、新しい国づくりを手がけた一政治家としての聖徳太子の、思想や理想に触れられる渾身の書です。
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この本での聖徳太子は超人的な能力をもち、この世のものとは思えないほどの美貌の青年。その一方で、愛を求め深く苦悩する様子からは、とても人間的な魅力にあふれています。作者の独自解釈によるフィクションの部分はありますが、古代史への造詣は深く、流れや人間関係を知る入門書としては最適な歴史コミックです。
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