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現代詩は難解すぎて・・・という人に向けた現代詩入門にぴったりな本
現代詩は、今日もっとも読まれないジャンルの一つです。なぜかというと、現代詩の多くが難解すぎて理解不可能で読もうにも読めない。そう一般的に思われているからでしょう。でも実は、現代詩は自由で楽しいものなのです。そこで初心者にも比較的わかりやすく、「これぞ現代詩!」という一編が収録された本を紹介します。
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現代日本における詩人の代名詞ともいえる存在が、谷川俊太郎です。国語教科書やコマーシャルにも掲載(放送)されているので、誰もが一度は彼の詩を目にしたことがあるでしょう。その透明感のあるシンプルな言葉は、まるで催眠術にかかったかのように読み手の警戒を解き、直に心の隙間から沁みこんでくるかのようです。
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腐敗性物質 田村隆一自撰詩集
田村 隆一(著)
日常に結びついた具体的でなじみのある言葉と、抽象的でちょっとなじみのない哲学的な言葉が、田村隆一の詩のなかでは奇跡的に共存し、互いを生かし合っています。言葉が呼び起こす絵画のようなイメージが好みな方にも、ぎちぎちの論理志向の方にも、どんなタイプの方にも門戸を開いている稀代の詩人・田村隆一。彼の自撰詩を集めた一冊です。
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吉増剛造詩集
吉増 剛造(著)
熱量の多い「燃える」詩を書く詩人・吉増剛造。自分で自分を極限の環境に追い込み、追い詰められた失語状態からかろうじて出てくる言葉で詩を書く。そんな、なんとも大変は方法で詩作しています(詳しくは『我が詩的自伝 素手で焰をつかみとれ!』をご参照ください)。そんな状況で選び出された言葉が、人の心に突き刺さらないはずはありません。
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町田康詩集
町田 康(著)
大阪出身の元パンクロッカーという出自で、生ける天才詩人と目されている町田康。意味1割、リズム9割。彼の詩の特徴は、詩を限りなく音楽に近づけていることです。詩が難解に思われる理由は、意味を追い求めるから。試に理解や解釈をあきらめてみましょう。言葉のリズムに身を委ねる快楽がそこにはあります。そんな体験にぴったりな一冊です。
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とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起
伊藤 比呂美(著)
詩人に送られる萩原朔太郎賞、女流作家(小説家、歌人含む)に送られる紫式部文学賞を本書で同時受賞。これは小説なのか、詩なのか。そう問いたくなるほどにジャンルわけが難しいのですが、やっぱりどうしても詩になじめない、そんな方にはうってつけの本です。小説として読んでみてください。気がつけば、あなたは詩を楽しんでいます。
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