ブックキュレーターhonto書店員 宮本大樹
言葉からリアリティを感じられる!朝井リョウをはじめて読む人にオススメの本
平成生まれの直木賞作家として、受賞時に話題をさらった朝井リョウ。風景や人物、とりわけ若者たちの描写・表現が絶妙で、フィクションだけれどリアリティのある小説を多数書いている作家です。若者の今を知りたい人や、今の暮らしに疑問を感じている若者に手に取ってもらいたい小説が多数。そのなかから、はじめて読む人にもススメたい代表作と隠れた名作を紹介します。
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まずはデビュー作。桐島が部活をやめた。それだけのことで、高校生たちのさまざまな気持ち・言動・行動に変化が出てきます。その表現が細かく、共感や発見が多く得られる小説です。たとえば「カレーかハヤシライスか」という単純なやり取りに見える出来事が、ある高校生にとっては「胸がかき乱される」ことに。よくここまで表現できるなと、思わず唸ってしまうほどです。
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最後の恋 つまり、自分史上最高の恋。 MEN’S
朝井 リョウ(著) , 伊坂 幸太郎(著) , 石田 衣良(著) , 荻原 浩(著) , 越谷 オサム(著) , 白石 一文(著) , 橋本 紡(著)
7人の男性作家のアンソロジー。「水曜日の南階段はきれい」が著者の意外と知らない隠れた名作短編です。『何者』にも登場する光太郎の高校生時代が描かれ、大学進学への悩む姿や、キュンキュンする夕子さんとの恋に青春を感じます。特に最後の文集の言葉の内容、そして手書きで書かれているありさまに、デジタルな文字以外での気持ちの伝わり方を感じずにはいられません。
ブックキュレーター
honto書店員 宮本大樹リアル書店とhontoで本のマーチャンダイジンザーとして、紙と電子の本の売り場づくりを15年以上従事。日本で店頭に並ぶ前から『ハリー・ポッター』がベストセラーになることを予感し、世界中に広がった現象に感動、本を売る魅力にはまる。現在もhontoでネット書店の売り場づくりにかかわりつつ、リアル書店にも毎日立ち寄る習慣は変わらず。好きなジャンルは小説と文庫。本の中で語られる現実から離れた世界を好み、読書して現実逃避するのが何よりも落ち着く時間。一方で最近は日常生活の各問題も山積みのため実用本を手にとることも多い。少しばかり偏屈な書店員が、売れている売れてない関係なく、赴くままに小説から生活に役立つ本までをご紹介したい。
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