ブックキュレーターhonto編集員
愛ゆえに犯す罪・・・やるせなさに涙する「愛と罪」の物語
「犯罪者=悪」という構図にとらわれず、「愛」ゆえに罪を犯してしまう人間を描いた小説を集めました。その行動は正しかったのか間違っていたのか・・・思いをめぐらせるうちに、やるせなさや切なさに襲われます。簡単には答えの出せないテーマを扱っているからこそ、揺れ動く人物の描写は繊細で、奥深く読者を引き込んでいきます。
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永遠の仔 1 再会
天童 荒太(著)
親からの虐待を受け、同じ小児精神病棟で過ごした生一郎、梁平、優希。3人はある秘密を共有していますが、大人になって再会した直後3人の周りでいくつもの殺人事件が発生します。児童虐待という罪が共通点となり生まれる愛、その愛ゆえに生まれる罪といった負の連鎖を、3人の人生をとおして壮大に描いた物語に心震えます。
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主人公・直人は、大学時代に知り合った千尋に想いを寄せ、ストーカー行為をはじめます。本書では、ストーカーという単語では表現しきれない1人の男の愛の形を描いています。ページをめくるごとに、読者のなかで直人に対する見方が変わってゆく奥行のある展開は、ラストまで読者を飽きさせません。不器用な純愛物語とホラーが融合した一冊。
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