怖いもの見たさにご用心！狂気・悪意が心をつかんで離さない本

英語教師である主人公の蓮実聖司が、私立高校で起きるさまざまな事件を、通常では思いつかない異常な方法で解決していきます。その方法は、自分の邪魔になるものの徹底的な排除と消去。そのためには、身内すら何のためらいもなく蓮実。彼の狂気がどんな結末を迎えるのか気になって仕方なくなくなり、一気に読み進めてしまうでしょう。

主人公が、東京から片田舎の中学校に転校し、そこで眼帯をつけた謎の少女・見崎鳴と出会うところから物語がはじまります。クラスが呪われて、徐々に呪いが学校中に広がってしまいまう事態に・・・。呪いにかけられた人間たちは、通常ではあり得ない壮絶な死に方をします。この悪夢の先に救いはあるのか？と、心を鷲づかみにされます。

主人公・田島が、子どもの頃に倉持と仲よくなったことから展開していく物語。話が進むにつれて、田島は倉持に対して憎しみを募らせていくのですが、なかなか殺人までは至りません。悪意を向けられ湧き上がった感情の積み重ねが、殺人という行為に及ぶのか、それとも許すのか、感情の行方が気になって仕方ない小説です。

主人公は刑事の沢村。ある日、異常な殺人事件が起き、それをきっかけに連続猟奇殺人事件が発生します。犯行は必ず雨の日に行われ、レインコートに蛙の面をつけている犯人。沢村は異常な殺人を行い続けるこの犯人を追い詰めることができるのか？狂気と正義がぶつかり合うさまに、どっぷりのめり込んでしまいます。

6件の殺人を犯した蒲生稔が、現行犯で逮捕される場面から物語がはじまります。蒲生稔とその母親、蒲生稔を追う元刑事、3人の視点で語られる物語。殺人に至るその前後の描写は、目を背けたくなるレベル。この狂気に行き着く過程を知ったとき、呆然とするような衝撃が心に残るでしょう。