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文明との関係から製法まで。チーズの多様な姿と、意外に古い歴史を知る本
優れた栄養食品であるチーズ。古代日本では「蘇(そ)」と呼ばれ、滋養食として貴族社会で珍重されていましたが、欧米においても長年貴重なものとして扱われ、ときには争いを生む品でした。そんなチーズの種類と歴史、文明との関わり、発酵という技術まで。多方面からチーズを知ることのできる本を紹介します。
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チーズ図鑑
文芸春秋(編) , 丸山 洋平(写真)
チーズは優れた栄養食品。したがって世界各国にさまざまなチーズが存在します。本書はそんな世界のチーズを300種類以上、写真とデータで紹介したもの。新書サイズに300種類以上もの情報を載せているので、個々の情報はそれほど多くはないにしても、生産地や材料、作り方、質感、熟成期間など、充実しています。
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10種でわかる世界のチーズ
村瀬 美幸(著)
前書『チーズ図鑑』は、数で勝負のまさに「図鑑」でしたが、こちらは10種に絞り込んでチーズの魅力を語っています。著者は、チーズのプロの国際大会で入賞した初の日本人。チーズの製法、特徴、歴史、うんちくから食べ方・合わせ方のレシピまで、初心者に十分な情報を読みやすく記してくれています。日常に使える実用的な一冊です。
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チーズと文明 古代宗教儀式、貨幣、産業革命、原産地名称保護
ポール・キンステッド(著) , 和田 佐規子(訳)
チーズを世界史にプロットし、時間軸と文明との関連から語った書物。翻訳ものですが丁寧な翻訳がなされていて、読みやすい一冊です。チーズの発明により乳製品の保存ができるようになって何が変化したか?ヨーロッパ各地で、そしてヨーロッパとアメリカの間で、どのような争いを生んだか?チーズを通して世界が読み解けます。
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発酵 ミクロの巨人たちの神秘
小泉 武夫(著)
チーズだけでなく、酒、醤油、納豆などの嗜好食品から、医薬品、洗剤の製造、さらには抗生物質などまで広く利用されている「発酵」の作用。発酵の不思議と歴史を知ることで、チーズをより深く知ることができます。さらに発酵の話は最先端の微生物利用の各種実験にまで及び、知的好奇心をおおいに満たしてくれる一冊です。
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