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やさしいけど奥が深い!北欧の児童文学
幸福度ランキングの上位を占め、丁寧でシンプルな暮らしが注目されている北欧4ヵ国。実はそれぞれの国に有名な児童文学の作家がいます。そして、その児童文学は大人が読んでも深い哲学を感じさせるものばかり。シンプルでやさしい物語に込められた強いメッセージには、大人になった今だから気づかされることがたくさんあります。
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フィンランド出身のトーベ・ヤンソンによる「ムーミン」シリーズの第1巻です。地球を滅ぼしてしまう彗星が向かっているとわかり、ムーミンは天文台へと旅に出ます。児童文学ながら、テーマは「地球滅亡」というダークなもの。シリーズを通して死や孤独、コンプレックスといった題材が扱われることが多く、大人が読んでも考えさせられます。
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小さなスプーンおばさん
アルフ=プリョイセン(作) , 大塚 勇三(訳) , ビョールン=ベルイ(画)
かつて日本でもアニメ化された、ノルウェーのアルフ=プリョイセンによる「スプーンおばさん」シリーズの第1巻です。普通の主婦であるおばさんが、突然小さくなってしまいます。ですが、おばさんは動じないし、騒ぎません。この、のんびりとした強さ。見習うべきだなと思わされます。
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デンマーク出身のアンデルセン。アンデルセン童話は伝承物語ではなく、創作童話です。しっかりとした意図のうえに書かれた結末は、どこか物悲しいメッセージを感じさせます。アンデルセンは貧困層の出身で、挫折を繰り返し、愛にも恵まれなかったのです。特に、ディズニーの脚色とは違う「人魚ひめ」は、大人のための童話といえるでしょう。
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長くつしたのピッピ
A.リンドグレーン(作) , 角野 栄子(文) , あだち なみ(絵)
スウェーデン出身のリンドグレーンは、数多くの児童文学を書いています。本書は「長くつしたのピッピ」のシリーズの第1作です。ピッピは世界一強い女の子。常識にも先生にも屈せず、おまわりさんが相手でも自分の意見を貫けます。でも、ちゃんと相手を尊重することも忘れません。世界一自由で、かっこよくて、オトナな女の子なのです。
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ちいさいロッタちゃん 改訂
アストリッド=リンドグレーン(作) , イロン=ヴィークランド(画) , 山室 静(訳)
「長くつしたのピッピ」のリンドグレーンによる、「ロッタちゃん」シリーズです。3歳のロッタちゃんはワガママで文句ばかり。でも、それを温かく見守る周りの人たちを見ていると、子どもを1人の人間として尊重している姿勢がうかがえます。また、北欧の暮らしが生き生きと描かれていて、寒い冬を楽しむのにはもってこいな一冊です。
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