ブックキュレーターhonto編集員
大正ロマンただよう、乙女のための本
あらゆる情報が、今ほど豊富でなかった大正時代。お古の着物にちょっと自分らしい秘密の工夫をしたり、憧れを胸に秘めて人知れず心をときめかしたり、かと思えば大胆に革新を取り入れたり、可憐でハイカラな当時の乙女たち。そんな乙女たちの姿が描かれた、大正ロマンに浸ることができる本を紹介します。
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竹久夢二乙女詩集・恋
竹久 夢二(著) , 石川 桂子(編)
多くの美人画を残し、「夢二式美人」と呼ばれる美人像を作り上げた画家・竹久夢二。夢二式美人は儚い感じのする女性ですが、竹久は絵以外でもそんな女性像を残していて、その一つがこの詩集に収められている乙女の心に寄り添って書かれた詩なのです。この詩集では、ひっそりと恋に悩む清らかな乙女に出会えます。
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「第七官」とは、五感を感じる五官を超えたもののこと。表題作は、そこに響く詩を書こうとしている「私」が、少し変わった家庭の一員として過ごした日々を描いた物語です。尾崎翠は大正ロマンの雰囲気が漂う作家のなかでも独特で、ユーモラスとロマンチックの間を、カラっとした文体で書き上げています。今でも妙に新しく感じてしまうセンスの持ち主です。
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乙女の港 少女の友コレクション
川端 康成(著) , 中原 淳一(画)
女学校では、上級生と下級生が「エス」という関係を結ぶ風習がありました。「エス」とは姉妹でもあり、一番の友人でもあるような、恋のようなもの。本書では主人公である新入生が、まったく正反対のタイプの上級生2人の間でゆれる物語です。当時の女学生たちが自分を重ねて読んで熱狂した小説なので、乙女の気分になるにはぴったりでしょう。
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現代の乙女のバイブルとされているエッセイです。現代の乙女像は、派手で可憐さもなくて、大正時代とは別物と思われがちですが、本書を読めばその乙女像がちゃんと大正ロマンの時代から受け継がれていることがわかります。ゴスロリでも、ヴィヴィアンでも、乙女の心の本質は時代を超えて、変わらないのです。
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