ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
現代日本にもこんな人たちがいる!驚愕の5冊
趣味の本くらいなら、まあ毎月買えるかなという経済状況にいるわりと普通の人たちには、にわかに信じられないような生活環境にいる人たちがこの日本にもまだまだいます。ちょっと前、NHKが扱った貧困家庭の女子高生が本当に貧困かどうか注目が集まりましたが(実際はNHK報道に嘘はなく、十分相対的貧困といっていい状況でした)、私たちは困難な家庭環境の人たちのことをもっと知ったほうがいいと思います。しょーもないことでくよくよしている人は是非読んでほしいです、自分の人生ハードモードだと思ってたら、意外とそうでもなかったってことに気づくから。あ、ちなみに私自身の人生はそもそも普通モードだったと思いますが、男が絡むたびにハードモードに変化している気がします。
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前回児童虐待の本を紹介しましたが、虐待の影響は虐待から逃げた後もずっと続きます。この現代日本に自分の誕生日を知らない子がいるなんて、信じられませんでした。子供時代自分の誕生日を祝ってもらえなかった子が、大人になって自分の子が祝ってもらっていることに嫉妬してしまうという話は、どうしようもなく哀しかったです。
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いわゆる底辺校といわれる高校の実態。その詳細は想像を超えたものでした。貧困家庭からまた貧困家庭が生まれる、この流れを止めるためには教育しかないのに、でもどうやってもその泥流から逃れられない様子がありありと描かれています。こういう子たちをうちの夫に会わせたいなあ、と思います。ものすごく勉強できない男ですが(分数の足し算出来ない、漢字は小学校3年生レベルまでしか書けない)、楽しく図太く生きているので、人生の参考にしてもらえたら嬉しいんですが。
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累犯障害者
山本 譲司(著)
障害者による犯罪、この暗部中の暗部を綿密に取材して記録したノンフィクション。著者は元政治家で、しかも獄につながれたことがあるという変わった経歴をお持ちの山本譲司さんです。普通の人は絶対に覗き見ることのできない世界がここにあります。夫はハードカバー、私は文庫で持っているんですがあまりにいい本なので2冊とも大事にしています。
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電波男
本田 透(著)
小谷野敦さんの『もてない男』と迷ったのですが、以前小谷野さんの本は紹介済なのでこちらで。なんというか、私は女なのでこういう非モテ系の男性って一番未知の存在なんですよね。恋愛する相手は大抵まあまあモテる人だし、男友達も女と友達になれるくらいのスキルがある人たちだからまあまあモテるし。女はあまりこの「電波男」タイプの男性と接触する場面がないと思います。だからすごく勉強になりますよ。細かいところにもギャグが効いていて面白読み物としても秀逸な一冊です。
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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