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時間とは何か?という疑問にさまざまな視点から迫った本
私たちはつねに時間を気にしながら暮らしています。けれどもふと、実体のない時間というものを不思議に思った経験がある方は多いでしょう。「時間」とは時計の針が決める、社会を円滑に運営するための制度にすぎないのでしょうか?それとも絶対的な「時間」というものがあるのでしょうか?疑問は尽きません。さまざまな視点でその謎に迫った本を紹介します。
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20世紀を代表する2人の物理学者が一般読者にもわかりやすい言葉で、相対性理論に至るまでの物理学の流れをたどり直した本です。近代物理学において絶対的だった時間と空間が、相対性理論を経て「時空」として新たにとらえ直されます。その時空は速度や重力の変化に伴って伸縮する、という嘘のような本当の話が説明されています。
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失われた時を求めて 1 スワン家のほうへ 1
プルースト(作) , 吉川 一義(訳)
ベルクソンの親類でもあった小説家プルーストによる、「記憶」と「時間」を主題にした14巻にわたる長編小説です。紅茶に浸したマドレーヌ菓子が幼い頃の記憶をまるで水中花が花開くように呼び覚ます、という有名なシーンがあります。そうした物や場所がきっかけとなって、語り手は自らの過ごした時間を延々と回想し続けます。
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時間の歴史
ジャック・アタリ(著) , 蔵持 不三也(訳)
「時間」というのは時計の発展史と社会制度の生み出した産物にすぎない、という視点から時間を考察した好著です。時計の発達がいかに人間の時間観念を縛っているか、時間が権力といかに結びついているのかが、よくわかるようになります。ベルクソンの意に反して、現代が数量化された時間に支配されている、ということを実感できる一冊です。
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生物学的なアプローチで「時間」について考察した本です。ネズミはせかせか、ゾウはゆったりしています。それは心臓の鼓動もしかり。だけど、両者が死ぬまでに打つ心臓の脈動の数は同じなのだそうです。だとすれば、鼓動の速いネズミの方が早く死にます。おのずと、時間の流れる速さも違ってきます。体のサイズと時間の関係を論じた、画期的な一冊です。
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