ブックキュレーターhonto編集員
『罪と罰』で挫折した・・・という人にこそオススメのロシア文学入門
ロシア文学といえば、有名なのはドストエフスキーやトルストイ。しかし張り切って『罪と罰』や『戦争と平和』を手に取ったけど、ロシア語独特の表現や共産主義の用語などに苦戦させられ、儚く挫折した記憶がある方も多いでしょう。ここではそれでもやっぱりもう一度ロシア文学に挑戦したい!という方にぴったりな本を紹介します。
- 32
- お気に入り
- 13326
- 閲覧数
-
「え、トルストイ!?」と身構えなくても大丈夫です。トルストイはトルストイでも、本書は素朴なロシア農民と悪魔、そして人々の信仰などをテーマにした短編集です。オススメなのは「三人の隠者」という1編。非常に短いお語ですが、善き人であることと、何かを信じることに決まった形は必要はない、ということを教えてくれます。
-
本書はわかりづらい用語や当時の状況について逐一注釈がついている、とても親切な仕様になっている本です。「犬にヒトの睾丸などを移植したら人権を主張し始めた」「不思議な光線を浴びて巨大化した蛇が人を襲う」など、一見思わず吹き出してしまうような設定の物語が2編・・・と思いきや、著者の意図はまったく別のところにあることがわかります。
-
イワン・デニーソヴィチの一日 改版
ソルジェニーツィン(著) , 木村 浩(訳)
ソビエト政権下の強制収容所での一人の男の、とある一日を綴った小説です。想像を絶する厳しい生活のなかでたくましく、そして戦略的に生きていく様子は、不思議と愉快な気分にさせられます。惜しげもなく、なんの下心もなく、苦労してつかみ取った食べ物を仲間に分け与える。そんな主人公の純朴さに胸を打たれるはずです。
-
本書は戯曲です。「戯曲は読みづらい」というイメージを抱いている方は多いかもしれませんが、この機会に思い切って挑戦してみましょう。そしてこの本では、淡々と軽妙に、恋のもつれから引き起こされる悲劇を描かれています。著者のアントン・チェーホフは短編小説の名手でもあるのです。この戯曲を足掛かりに、チェーホフの世界をぜひ堪能してください。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です