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太宰治をディープに知りたい!文豪の素顔と読み継がれる理由がわかる本
『火花』で芥川賞を受賞した又吉直樹も大ファンだという太宰治。アジア各国で全集が翻訳・刊行されるなど、彼の作品の人気は世界へ広がっています。度重なる自殺未遂や薬物依存で当時の文壇や世間を騒がせましたが、意外と明るい性格で話好きだったという証言もあります。若手作家に影響を与え続ける太宰の魅力を、ディープに解き明かせる本を紹介します。
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明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子
太田 治子(著)
未婚の私生児「斜陽の子」として生を享けた太田治子による渾身のモデル小説です。父・太宰治は母・太田静子が書いた日記を手に入れる目的だけでやさしい言葉をかけ、恋愛へ発展するように誘惑したのではないか・・・。複雑な境遇で育った娘の文章を読むと、センチメンタルな表現の作品が多い太宰の意外な一面が発見できるかもしれません。
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恋の蛍 山崎富栄と太宰治
松本 侑子(著)
玉川上水で太宰治とともに亡くなった山崎富江は、なぜ28歳の若さで心中に至ったのか?「太宰をむりやり水中へ引きずり込んだ」という説まで流布され、太宰を愛した女性のなかでもっとも中傷された山崎富江の人間性や悲しみを、父親の山崎晴弘の心情とともに解き明かした本です。
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社会派ルポルタージュ作家が、太宰の本質を追求した一冊です。結婚しても生家からの仕送りで暮らしていた太宰ですが、その地元では小作料が実に7割という地域がありました。貧富の隔たりが大きいなかで、青森で指折りの「地主貴族」だった津島家。太宰文学は小作人たちの血と涙の結晶だったといえるかもしれない、ということがわかる本です。
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30代作家が選ぶ太宰治
太宰治(著) , 朝吹真理子(著) , 西加奈子(著) , 津村記久子(著) , 佐藤友哉(著) , 村田沙耶香(著) , 青木淳悟(著) , 滝口悠生(著)
滝口悠生、朝吹真理子、西加奈子ら7名の現代作家が太宰治の作品を選んだアンソロジーです。芥川賞がほしくて女々しい手紙を佐藤春夫に書いたとされる太宰。ですが、当時の作家の誰よりも読み継がれる文豪になったことは、魂と情熱のなせる業といえるかもしれません。彼の作品が、今も書き手に刺激を与え続けていることがわかる一冊です。
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