ブックキュレーターhonto編集員
文体が圧倒的にアート!唯一無二の独特な語り口をもった小説
その人の文章を読むだけで人を幸せな気持ちにさせる、そんな作家が存在しています。それは「文字に躍動感がある」「日本語ってすごい」と感心してしまう文体をもっている、ということです。語彙力の豊富さ、言葉遊びのセンス、文章のリズム。感動と驚きが胸を颯爽と、ときにバタバタと音を立てて突き抜けていく、そんな感覚を抱かせてくれる小説を紹介します。
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カメレオン狂のための戦争学習帳
丸岡 大介(著)
独身教員寮に入った田中には、教育委員会に内密のレポート(寮内調査)を提出する任務が与えられています。だがどうやら調査員は田中1人ではないらしく・・・といったお話です。『まずは音、続いて光、いくつもの。』という一文からスタートする、濃厚であり、狂気であり、妄想的であり、考えつくされたスピーディーな文体に、魅了されることでしょう。
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姑獲鳥の夏 文庫版
京極 夏彦(著)
「百鬼夜行」シリーズの第1弾にして、京極夏彦のデビュー作です。風変わりな古本屋店主・中禅寺秋彦が活躍する推理小説で、「ストーリーが先か?文体が先か?」ということを真剣に考えてしまうほど、時代背景やおどろおどろしい内容にぴったりの文体です。ここまでこの本が評価されたのは、この文体と語り口があったからこそといえるでしょう。
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ダンス・ダンス・ダンス 上
村上 春樹(著)
主人公が札幌にあるホテルへ向かうところから始まる、喪失や死をテーマにした長編小説。すでに国民的作家になっているためその独特さに気づきにくいのですが、村上春樹の文体はすごいです。リズム感がすばらしく、独特な文体(村上節)を明確に味わうのなら本作がうってつけ。読んでいると中毒になってくるほど、強い力があります。
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