ブックキュレーター作家 谷川直子
病を生きる、病人から学ぼう!
人は病におかされたとき、意のままにならない自分のからだをもてあまし、悶々と考え、健康体でいたときには気づきようのなかったことを知るものです。病はつらくて苦しくて、それでもだからこそ、病人は私たちに何か大切なことを教えてくれるのでしょう。病と向き合ったとき、その中から立ち上る「生きる勇気」をくれる本を集めてみました。
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私は誰になっていくの? アルツハイマー病者からみた世界
クリスティーン・ボーデン(著) , 桧垣 陽子(訳)
政府高官としてバリバリ仕事をこなしていた著者は、46歳でアルツハイマー病と診断され辞職。予定を忘れる、道順を間違える、そんなことから始まった恐ろしい不治の病について彼女は書き始めました。生き生きと語られる症状は、私とは何かを問い直してくる。アルツハイマー病者の世界を知ることのできる稀有な一冊です。
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未完成 住宅顕信句集
住宅 顕信(著)
俳人・住宅顕信は23歳で白血病にかかり入院。離婚し、生まれたばかりの子どもを引き取って病室で育てながら、絶望の中で俳句作りを始めます。25歳で死去するまでに作られた句は、定型にとらわれない自由律俳句で、生きていることの確かな重みがぐいぐいと伝わってくるものばかり。きっと心に響く一句が見つかるはず。
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いつも上を向いて 超楽観主義者の冒険
マイケル・J.フォックス(著) , 入江 真佐子(訳)
ハリウッドスター、マイケル・J・フォックスは、30歳の若さでパーキンソン病を発症。10年後、主演ドラマを降板した彼はパーキンソン病患者のためのフォックス財団を立ち上げます。自叙伝『ラッキーマン』以降のマイケルが、絶望的な病と果敢に闘う姿をつづった自叙伝第二章は、胸をあつくする感動のつまった濃い一冊です。
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まゆこは離婚してウツ病になり、ジストニアという難病のためピアノがひけなくなったトキオというピアニストと出会います。カウンセリングに通いながら、トキオにピアノを習ううち、まゆこは自分の考え方のどこにゆがみがあるのかに気づいていき、トキオをも救う答えを見つけ出す。人生のどん底で出会った二人の再生の物語です。
ブックキュレーター
作家 谷川直子1960年、神戸市生まれ。2012年『おしかくさま』で第49回文藝賞を受賞。他の著書に、小説『断貧サロン』『四月は少しつめたくて』、エッセイ『競馬の国のアリス』『お洋服はうれしい』などがある。
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